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番外編⑧泡になって消える狂愛に口づけを
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百目鬼「お前は馬鹿なのか!!」
そこは、ラブホテルの一室。
ピンク系統の光に包まれた部屋は、ばかデカイベッド。
そこに座ってる百目鬼の怒鳴り声に、百目鬼の膝に跨ったマキが服を脱ぎながら答える。
マキ「気持ちよかったでしょ?」
百目鬼「運転中でフェラなんかして!事故ったらどうすんだ!?」
マキ「だってぇ、百目鬼さんがラブホ行かないって言うからぁ♪」
口を尖らせながらいじけるように言っていたずらっ子みたいに笑う。
マキ「いいこと教えてあげるって言ってるのに♪」
百目鬼「脱ぐな!ラブホに入ったんだから言葉で説明しろ!」
百目鬼の制止を無視して、マキは上半身の服を脱ぎ捨て、百目鬼の首に手を回しニコッと笑う。
マキ「脱がないと教えてあげられないのよ。百目鬼さん♪」
いやらしく笑うマキに、百目鬼は嫌な予感しかしない。
マキ「僕が練習台になって治してあげる♪」
百目鬼「はぁ?」
マキ「百目鬼さんさ、両思いの相手とエッチしたことある?」
百目鬼「…あるさ」
マキ「うふふ、嘘嘘♪百目鬼さんのその渇いた目、ちょっと前の修二と同んなじ目だ」
百目鬼「…」
見透かすようなジュピター色の瞳が、妖しく光って不敵に笑う。
マキ「愛されたくて仕方ない飢えた獣の目」
百目鬼「ガキが何言ってんやがんだ…」
低く唸って睨みつけても、マキは子犬をなだめるくらいに笑顔で微笑む。
マキ「百目鬼さんは、相思相愛になりたいんだよ、だから、片思いじゃダメだし、性的思考の一致で寝るのもダメなの」
百目鬼「だとしたら、お前とヤッたところで解決には何ないだろうが、どけ!」
百目鬼は、マキの体を持ち上げてベッドに放り投げる。
立ち上がり、出て行こうとした。
マキ「待って百目鬼さん」
百目鬼「なんだ」
マキ「分かったよ、もうしない、だから帰らないでよ。晩ご飯食べるまで一緒にいて」
百目鬼「いい子に出来るか?」
マキ「うん、帰られたら僕つまんないし。…晩ご飯1人になっちゃうし…。喉乾いた…」
マキがベッドから立ち上がろうとしたのを百目鬼は止める。
百目鬼「悪さしないならいい、座ってろ俺が入れてやる」
マキ「やっさしー♪」
恋人ができたら、いつもこんな風にかいがいしく面倒を見るのだろうか?インスタントコーヒーを二つ淹れる百目鬼の背中を見ながら想像する。
華南がむつと修二を甘やかすみたいに、
むつが熱烈に告白するように
修二がずっと秘めたみたいに一途に
百目鬼は将来の恋人を狂おしいほど愛す
羨ましいなぁ…みんな。
百目鬼「ほら、ホットだから火傷するなよ」
また、砂糖とミルクが三つづつ。
マキは、ニッコリ微笑む。
マキ「ありがとう百目鬼さん、ごめんね砂糖もう一つ取って♪」
百目鬼「ん?ああ…ちょっとまってろ」
百目鬼が背中を向けると、マキは服のポケットから、赤いハート型の小瓶を取り出し、それを百目鬼の分のコーヒーに垂らし、隠す。
百目鬼「…やっぱ疲れてたんじゃないか、ふざけてばかりいるからだぞ」
戻ってきた百目鬼が、スティックシュガーを頭にポテっと乗せてきた。
マキはお礼を言って頭の砂糖を受け取り、砂糖とミルクを自分のコーヒーに混ぜて飲む。
百目鬼は携帯のメールをチェックしながら、コーヒーに口をつけた。
ーガシャン!!
突然、百目鬼がコーヒーカップを乱暴にテーブルに置く。衝撃で半分くらいのコーヒーが零れ、百目鬼の手にもかかった。
百目鬼は口元を抑え、苦々しくマキを睨みつけた。
百目鬼「……お前…何か…入れたろ?」
マキ「……味覚が良いんだね」
百目鬼「…入れたんだな!」
マキ「一口で気がついちゃうなんて流石だね、でも、飲んじゃったね♪」
百目鬼「何だ!媚薬か?」
マキ「うふふ、もっと高価な物だよ♪」
マキの笑い声に視界が傾く、グラグラして体の中からジワジワと何かがせり上がってくる。思わず床に膝をついた。
ほんの数十秒の目眩、しかし、それは嘘みたいに無くなった。不思議な気持ちで床を眺める。体の中が、徐々に熱くなってきた。
マキ「…〝神さん〟」
マキの声に、顔を上げた百目鬼は、マキの顔を見た瞬間、電気が走った。
百目鬼「…マキ…」
マキ「ふふ、効いたみたい…。僕の名前、初めて呼んだね」
頭を振っても、百目鬼の体内で起こってる現象はどんどん強くなる。
赤いハート型の小瓶の中身は、〝惚れ薬〟
マキは、上半身裸のままベッドに腰掛け、小首を傾げて甘い声で囁いた。
マキ「…神さん、きて」
百目鬼は、マキの妖艶な表情とジュピター色の瞳に吸い寄せられるように、フラリと立ち上がり、誘われるままマキを押し倒す。
マキの肩口に両手をついて覆いかぶさり、目と鼻の先で見つめ合う。
百目鬼の瞳は情熱的に真っ直ぐマキを見つめ、低い低い声を響かせ、眉をしかめた。
百目鬼「…マキ…後悔するぞ…」
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マキ「んん!…神さぁ…ん…あぅ!ぁん!」
二つの裸体が絡み合い、唇を貪る。
百目鬼のワイシャツでマキの手首を前で縛り、その腕は百目鬼の首に絡みつく。桜色の右の突起を痛いほど摘まんでこねて、マキが刺激によじれるのを百目鬼が薄く笑う。
マキ「神さん…神さん…んん…んあ」
百目鬼「マキ…」
お互いの張り詰めるものをこすり合わせ、何度も唇を重ねる。マキは何度も早く挿れてと誘うのに百目鬼はそれを無視した。
マキは今、少し予定の計画からそれたところにいた。
いつものように、相手のを誘ってフェラしながら自分でほぐして跨って。暴走するだろう百目鬼をなだめながらスローセックス教え込む予定だった…。
しかし…、百目鬼はマキが自ら片手間にほぐして跨ろうとしたら、ベッドに押し倒されて手首を縛られた。
百目鬼『俺を見ろ』
焼けつきそうなほどの熱量で見つめられ、マキは息を呑む。噛み付くように唇を貪られ、荒々しい百目鬼の情熱に焼かれてうっとりして、マキも百目鬼を熱っぽく見つめる。
しかし、修二への心の痛みが惚れ薬のせいで一時的に無くなり、全ての熱がマキヘと向けられた今。百目鬼の眼光はマキの全てを見ることに注がれ、暴く。
百目鬼「足りないよマキ…」
マキ「んあ!…じ…さん…さっきっから…弄ってばっかり…、早くシよう」
百目鬼「まだ…足りないよ」
マキ「な…にが?」
百目鬼「俺を…欲しがれ」
百目鬼が意地悪く口角を上げたので、マキは百目鬼の首から腕を外して、誘おうと縛られた両手で自分の後ろに手を伸ばし、ほぐそうと指を差し込む。
しかし、その指が引き抜かれ、腕ごとベッドに押し付けられた。
マキ「あっ…」
百目鬼「マキ、俺を見ろ」
マキ「見てる」
百目鬼「…誰を見てる?俺を通して誰を見てる?」
マキ「え?そんなことしてない」
百目鬼「その瞳は、俺を好きなんかじゃない、そんなんじゃお前をめちゃくちゃにしちまう…」
絞り出すような声にマキの胸が痛む。
マキ「じ…」
百目鬼「…マキ」
百目鬼の瞳が鋭くなり、マキの背筋がゾクリとした。
マキは、昨日のように百目鬼をちゃんと見ている。他の誰かなんていない、しかし、惚れ薬でマキに恋した百目鬼の瞳は、マキの瞳の中を暴く。
この人…凄く観察力のある人なんだ…。昨日は催淫効果のアロマのせいで鈍ってたのか?それとも…騙せてなかったけど、匂いで欲望が上回ってたか…。どっちにしてもちょっとマズイ?
百目鬼の指がマキの左胸のピアスを摘まんで軽く引く。
マキ「痛ッ」
百目鬼「これは何だ、誰から貰った」
マキ「!、それは貰ったんじゃない、戒めなだけ、人からもらったものじゃないよ、神さんが嫌なら外すよ」
百目鬼「…マキ、お前は俺に昨日言ったな、躾け方が間違ってる。痛みではなく蜂蜜漬けにしなきゃダメだって」
マキは、嫌な予感がした。
百目鬼「昨日のセックスで分かった、お前は痛みに慣らされてる。なじっても、縛ってもきっとお前には効果がないだろ。だから…」
百目鬼が手を伸ばし、テーブルに残っていた、百目鬼のコーヒーを口に含む。
マキはギョッとしてとっさに逃げようとしたが、力で引き戻され、押さえつけられて唇を重ねられ、口の端から垂れ流しながらコーヒーを流しこまれた。
マキ「ゴクッ!…ッッケハッケハッ…じ…神さん」
百目鬼「…俺に溺れろ」
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