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育む俺たち〜むつ〜
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俺のお願いを、修二と華南は喜んで引き受けてくれた。
誕生日前日。
僕ら3人の休みが揃った。
昼から集まった俺たちは、お昼を食べて、映画を見て、それから、スーパーに足を運ぶ。
俺のやりたいこと、それは。
2人に夕飯を作ってもらうこと。
もちろんケーキも!。
俺は、修二の作ったマドレーヌを食べれなかったのを思い出した。吉良さんや雷太の野郎が食ったんだ、俺も食いたい。俺のために作った料理を!
スーパーで買い物を3人でして、一つの家に帰る。三人暮らしの疑似体験。
家は修二の家。
むつ「いい肉買おうぜ。肉ってどれ使うの?豚?」
修二「合挽き肉」
むつ「逢引?」
修二「合挽き」
むつ「アイビキ?」
華南「クハッ…クックック」
カートを華南が押しながら声を押し殺して笑う。俺が睨みつけると、知らん顔しやがった。
修二は材料のメモを見ながら野菜を取って歩く。
玉ねぎとレタス、ジャガイモときゅうり、次々カゴに入れ、並んで歩く晩飯の買い物。
くあー!!なんかラブラブっぽくねぇー?ドキドキして興奮すんなぁ〜。
修二「後、パン粉と牛乳と…、あっ!ポテチ入ってる!」
むつ「いいじゃん食後に食べようぜ」
修二「食後はケーキでしょ」
むつ「それも食うけどボテチも食いてぇ」
修二「仕方ないなぁ…」
華南「飲み物は?」
修二「むつは何がいい?」
むつ「乾杯にちょこっとカクテルは?」
修二「兄貴に見つかったら大変だよ」
やべッ、同居を取り消されちゃたまったもんじゃねぇー。ここは大人しくジュースにしとこう…。
買い物を済ませて重い袋をそれぞれが分担して持って歩く。
辺りは4時を過ぎて暗くなり始めていた。
今日の献立はハンバーグにポテトサラダ。
修二と華南が普通のエプロンをつけて台所に仲良く立つ姿を眺める。
うわー、この光景一緒に住むようになったら毎日見れんのかぁ…ドキドキすんなぁ〜。
慣れた手つきで作業する修二。
慣れないながら、包丁で上手く玉ねぎをみじん切りにする華南。
華南「あー、クソ、目がいて〜」
修二「あはは、だから僕ちゃんやったげようかって言ったのに」
華南「うるへー」
修二「鼻から息吸わないようにすると少し軽減されるんだよ」
ティッシュを取って、修二が華南の涙を拭く、そのやり取りを俺はムズムズしながら眺める。
羨ましいのと、なんかいいなぁっていうのと。
材料を混ぜて、こねたものをハンバーグ形にしてく作業に入った時だ。
むつ「修二、丸じゃなくてハートにしろよ」
修二「えっ、ハート?」
華南「むつってチョイチョイ乙女なとこあるよな」
…乙女…。
別にいいじゃんか、オムライス作ってもらったらケチャップでハート書いてもらいてぇと思ってたんだよ…悪りぃか。
修二も華南も俺も、それぞれに食べさせるように2個づつハンバーグを丸めたりハートにしたりして焼く、修二が作ったハートは綺麗で、華南はデカいハートを作った。
華南「あー!!ひっくり返そうとしたら割れたァー!!」
むつ「あーあ、縁起悪」
華南「うおー!むつはどうしてそうゆうこと言うんだよ!。修二!修二ヘルプ!」
修二「…どうにもなんないよぉ」
嘆いて煩い華南はほっといて、焼けたハンバーグを皿に盛る。ポテトサラダも盛り付けて、完成!
むつ・修二「いっただきまーす」
華南「…ます」
俺の皿には、修二の作った綺麗なハートのハンバーグと、華南の割れて無残なハンバーグ。
むつ「写メっとこ♪」
楽しい夕食の時間。いじける華南をほっといて、俺たちは夕食を食べ終え、メインとなるケーキを出す。ケーキ屋でスポンジだけ買ってきて、生クリームを塗ってイチゴを添えたなんちゃって手作りケーキを堪能した。
修二「来年は、全部作れるように勉強しとくね」
むつ「…」
来年…。
何気ない修二の一言にジーンとした。
来年、1年後も一緒にいるってことだ。
修二の口からその言葉が出てきたのが嬉しかった。だから、口元がニヤニヤしてしまう。
修二「な、何?」
むつ「楽しみにしてる」
俺はにっこり微笑んで、修二に近づく。修二は雰囲気で察して、少しうつむいた。
むつ「修二」
俺の艶っぽい声に、修二の頬が明らむ、俺が唇を寄せると、うつむいてる修二も、ゆっくりと顔を上げて、唇を重ねた。
修二「ん…」
むつ「…ッ…ん…、いいんだよな?」
修二「…うん…、母さんも、兄貴も0時過ぎないと帰ってこないから…、汚れないように…」
むつ「大丈夫、一箱持ってきた」
ニヤリとする俺に、修二は顔を赤くする。
もちろん一箱って言っても、汚れないうに修二にもつけるからだ。
華南「マジ?俺も一箱持ってきた」
むつ「じゃあ、まず、一箱使おう」
修二「はぁ?!」
驚いた修二が、俺を押しのけるから、せっかくのムードが台無しだ。
修二「〝まず〟って?」
むつ「〝まず〟修二んちで、一箱使って、もう一箱は移動してから」
修二「ふえ…?!無理!」
むつ「今日は、0時過ぎたら、俺、誕生日だから」
華南「そうそう、王様はむつ君だから」
修二「き、聞いてない!」
むつ「今言った」
あとずさる。修二に俺と華南で迫る。
修二「プ、ブレゼント!僕ちゃんプレゼント買ってあるんだよ!」
むつ「それもありがた〜く頂くけど、今は修二を頂きたいな」
修二「あの、む、むつ…」
むつ「いただきます」
華南「いただきます」
修二「まってぇ〜〜!」
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