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番外編ひと夜咲く純白の花の願い〜プロローグ〜
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長い間この日を願った
夜の闇が訪れる頃
項垂れた蕾が起き上がる
時間をかけて上を向き
膨らんだ蕾は
夜空に向かって純白の大輪を咲かせる
それは
美しい純白の花
強い匂いを香らせて
1年に1度
その姿を夜空に向ける
夜の間だけ咲き
その美しい花は
ひと夜だけの純白の儚い美
マキ「それ、綺麗だね」
泉「やっと咲きました」
マキ「全然咲かないから、枯れてるのかと思ったよ」
泉「これは、月下美人です、1年に1度咲く花、まあ、上手く育てれば2・3ヶ月後にもう一度咲くこともあるんですけどね。一晩で萎んでしまいます」
マキ「綺麗だけど、儚いね」
泉「ああ、花言葉がそうですからね。
儚い恋。ただ一度だけ会いたくて。艶やかな美人。儚い美。快楽。繊細。媚態。強い意志。秘めた情熱。やさしい感情を呼び起こす…」
マキ「…」
泉「…マキみたいですね」
マキ「…ふふ、僕は、こんな綺麗じゃない」
儚い恋なんてしたくない
一度だけなんて嫌だ
快楽はいいけど
繊細でもないし
あんな風に純白だったら
好きになってもらえたかも
マキ「ああ、でもあの日の出来事は…その通りかもね、あの両思いは一時咲き誇り、数時間で枯れた…1度だけの儚い恋」
誰かを愛したりしたい
誰かに愛されたりしたい
でも
本当は
想いを寄せるその人の
すべてで
ずっと愛されたい
……………………そう願う…。
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