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番外編41ひと夜咲く純白の花の願い
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物凄く複雑な言葉だった。
僕と修二が似てる…
賢史さんの言っていることが事実で本当に百目鬼さんがそれを気にしてるとは限らない。
でも、僕の中で、ストンと腑に落ちた。
百目鬼さんが狼狽えてる理由。
酷く気を使い混乱する理由。
特別に優しい理由
修二のことが百目鬼さんの中で未だに大きな部分を占めている。
そのことが、悲しいと思いながら、酷く嬉しい。忘れたと言われたら寂しくて困ると思いながら、早く忘れて幸せになればいいなと思って…。もし、可能なら、それが僕だといいな…、と思ったり。でも、振られてるから、そんなことありはしないのだと…
相反する気持ちで揺れている。
賢史「修二に似てるのをわざと選んだのか何なのか知らないけど、落とせなくて残念だったな。まぁ、神を傷つけるのが目的だろうから、それは成功した訳だ。お前の存在は十分に神を傷つけて貶めた」
…!…
僕の存在が百目鬼さんを傷けた?…。
賢史「おっ。初めて動揺の色が見えたな…。ふーん。神が傷ついて動揺すんの?、ハニートラップ掛けて自爆か?メールに告白したとかあったし。〝あの時〟のは本気だったってことか…。神のことマジになってんの?」
〝あの時?〟ってなんのこと?
僕は動揺を隠して賢史さんを睨む。だけど賢史さんはニヤニヤしだした。
賢史「お前はハニートラップ仕掛けたつもりだろうけど、神はそんなの初めから分かってたぜ、だから、お前に優しかったろ?お前を修二の代わりに優しくしてたんだよ」
違う。百目鬼さんは僕みたいなのと修二を同じだなんて思ってないし、代わりなんて良くないって言ってた…。百目鬼さんは人を代わり扱いすることを酷く嫌悪してる。
賢史「どうせお前も作ってもらったんじゃないの?フレンチトースト」
え?
賢史「修二を喜ばしてやるために覚えたレシピだ。あとハニートーストとかクレープとか甘いやつ、何とか修二に振り向いてもらおうと、神のやつ必死だったからなぁ、昔はしょっちゅう火傷してたよ…」
………。
表情は変えない。
だけど、足元がグラリと傾いた気がした。
賢史「お前、神に惚れ薬飲ませて、その後間抜けにも自分でも飲んだんだって?」
ッ!?
何でそのことを…。
心臓は、さっきからあり得ないほど脈を早めて、僕を息苦しくする。
賢史「自分の仕掛けた罠に掛かってマジ惚れしてんじゃ世話ないな、惚れ薬ってそんな強力なのか?あのポーチの中身にあるんだろ、お前はいつも薬持ち歩いてるらしいからな」
何?そんなの知ってどうするつもり?
賢史「神に惚れてるとか迷惑なんだよ。神も言ってたろ?『俺を好きだって言うなら、別の人に惚れてこい』ってさ。神に告白?お前の言ってることなんて誰が信じるんだよ」
何?なんで惚れ薬のことを??……
百目鬼さんが?……
…………あっ!、そうだ。玄関…その話ししてる時玄関だった…、もしかしたら外にいて聞いてたのかかも!
マキ「ん¨ッ!?」
賢史が僕の下半身を鷲掴みにして、体がビクッと跳ねた。
賢史はそのまま、僕の両足を開かせ、僕の下半身を舐めるような欲情した瞳で眺める。
賢史「うわ、女物のパンティーじゃん、エッロ。これはお前の趣味な訳?スカートで生足出して男を誘うのか?細い足だなぁ、こんなんでよく不良達を組み敷いて調教したな」
感心する賢史に大きなお世話だと思いながら、僕は賢史に大きく足を開かされ、痴態を晒させられていた。
賢史「ふーん。ノンケも手玉に取るって噂だが、確かにチンコ隠しときゃ女に見えるもんな。それに相当良いらしいな、お前のココ」
マキ「ッ!」
パンツの上から人差し指で蕾に触れられ、賢史を睨みつける。
僕の反応が気に入ったのか、賢史はさらに指でそこを弄りながら、ニヤつく。
賢史「随分柔けーな。昨日まで使ってましたってか?神に毎晩跨ってんだろ。神の酷いセックスを相手に出来るなんて相当使い込んでんだな。どんな具合か見てやろうか?」
いやらしい手つきで円を描くように弄り、布に食い込ませて中に指先が侵入してきた。
マキ「ん¨ぅ¨ッ!!」
賢史「〝惚れ薬で、俺に惚れてみる?〟」
!?
嫌だ!!
賢史「神にやった仕打ちをそのままお前に返してやるよ。魔性と噂されてるお前のココがどんな具合か試してやるからたっぷり泣けよ。気が済んだら別の奴に惚れさせて捨ててやる、これに懲りて2度お神に近づくな」
いやらしい顔であざ笑う賢史は、マキの蕾を弄りながら、その蕾がヒクヒクと物欲しげに動くのをニヤついて眺める。
マキ「…フッ」
しかし、マキは可笑しそうに笑った。
賢史の言葉を聞いて、怯えるどころか馬鹿にするように鼻で笑う。
賢史はギロッとマキを睨みつけた。
賢史「何が可笑しい…」
賢史が苛立って睨みつけるが、マキは、さっきまでの動揺も無く、妖艶な瞳で可哀想なものを見るように目を細めて口角を上げる。
その笑いが気に食わなくて、賢史がマキから荒々しく猿轡を外した。
賢史「何笑ってる!」
マキ「ふふッ♪、可笑しいよ言ってることが滅茶苦茶だ。百目鬼さんのセックスは酷く無い。本人気付いてないけど、昔より優しくなったよ♪。ただもの凄い濃厚に相手を求めるだけでテクニックもあるし凄く気持ちいいよ。貴方より断然上手くて誠実だと思うな」
賢史「は?」
マキ「貴方は、人を虐めて興奮するタイプでしょ?そんなケモノみたいな目をして興奮してる♪。百目鬼さんを貶めた僕に制裁を与えるみたいな事言ってるけど、チンコおっ立ててよくそんな偉そうな事言えるなぁと思って♪」
無邪気に言われて、賢史は一瞬動揺した。
マキの足が、賢史股間に触れて、そこには賢史の熱いものがズボンを押し上げていた。
マキ「百目鬼さんとはサド仲間だから百目鬼さんの気持ちがわかるって思ってる?。貴方と百目鬼さんは違うよ。百目鬼さんはサドだけど、相手をいたぶりたいんじゃ無い。同じ熱量で求めて欲しいから相手を試しちゃうだけ。貴方はいたぶって苛めるのが好きな人だ」
賢史「黙れ朱雀の狐が」
マキ「僕は朱雀とは関係ない」
賢史「とぼけんな、修二と繋がってるじゃねぇか!今までも馬鹿が何度も現れて、神を襲撃したり、あれじゃ足らないっていうのか」
マキ「確かに修二とは繋がりはある、僕は友達だ。修二はそんな事する奴じゃない、修二は百目鬼さんとの過去を許した。傷は今だに癒えてないけど、百目鬼さんのこと恨まないって、百目鬼さんにもあの時のことから前に進めって言うような心の優しい奴だ」
賢史「許す?嘘つくんじゃねぇ!こないだだって、せっかく神が修二を救出したのに、フルボッコにしてただろうが!」
!!。あっ、あの時の怪我は、そういうことか…。『受けるべくして受けた』って…。
百目鬼さんを守ろうとしてる賢史さんには悪いけど、あれはしょうがない、百目鬼さんも良く分かってる。あれは、百目鬼さんが修二を諦めきれず虐めたのが原因だ。
賢史「怪我させるだけじゃ飽き足らず、あいつの悩みを利用してハニートラップなんてやることが汚ねぇんだよ!」
マキ「ッ!」
マキの細い首に、掴みかかり賢史の指が食い込む。
賢史は怒りのあまり、冷静にマキの言葉を受け入れられない。
賢史「恋に不器用な神を弄んだんだ、それなりの報いを受けろ。お前の存在が目障りなんだよ。惚れ薬をもう一度飲んで、神のことは忘れろ」
惚れ薬を飲んでも、百目鬼さんを好きな気持ちは消えたりしない。
僕は信じてる。この気持ちは確かに本物だ。ちゃんと僕の中で生まれた物だ。惚れ薬で錯覚してる偽物なんかじゃない…
誰に信じてもらえなくても…
百目鬼さんにとって迷惑でも
ちゃんと僕の中で存在した、僕の気持ちだ…
だけど、どんなに純粋な気持ちだと言っても、一口惚れ薬を口にすれば、僕は惚れ薬で惚れた相手に跨る。百目鬼さんの温もりは消えて淫らに欲を満たす。そんなことを百目鬼さんに知られたら、淫乱だと罵られ、僕の気持ちは信じてもらうどころか汚い物になる。
どうして…
ただ願っただけだ…
あんな風に愛されたいと…
ただ願っただけ…
思っただけ …
迷惑なんてかけない
あんたに処分されなくても
もう、朝日は登った…
枯れるのを待つだけなんだから、踏み荒らすのは止めて………
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