アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
番外編92ひと夜咲く純白の花の願い
-
僕の言葉を複雑に捉えた百目鬼さんは、何やら一生懸命考えてる。
僕を攻める手は止まり、揺れる瞳は動揺してるのが分かる。
まぁ、予想どうりだけど…
マキ「……ふふ♪。毎日いっぱい可愛がってくれたら、お利口さんでご主人様のものになるよ♪ちゃんと素直にもなるし、毎日たっぷりご奉仕しますよ♪」
百目鬼「…」
冗談交じりの最後の本音…
百目鬼さんが可愛がってくれるなら、お利口にしてる。
百目鬼さんが僕を欲しいと思ってくれるなら、それがペット扱いだって構わない…
百目鬼さんの飼ってる猫のミケみたいに…
そばに置いて餌貰って撫でて触れて欲しい…
って。
あはー♪こんなだから泉に怒られるんだなぁ…♪。
僕も全部わかってた…、僕はのめり込む。簡単に溺れる…。〝あの人〟の時も、報われないと分かってた…。あれは酷い黒歴史だった…。結局最後は…捨てられた。
思い出したくもない有様だった。
百目鬼さんは違う。
怒りも、欲望も、哀れみも…ちゃんと僕を見てる…。僕を見て生まれてる感情だ…。
ましてや、泉と僕を見た時の反応…、賢史さんに対する態度を見てると、期待を捨てられない。
マキ「…百目鬼さんはさ、修二のことは置いといて。元々真面目みたいだから頭固いんだよ。難しく考えすぎ、いいじゃんもっと楽に考えなよ。僕のこと少しは可愛いと思ってくれてるんでしょ?♪」
百目鬼「…」
あはは♪
見事な絶句?
そうだよね、無理だよね♪
マキ「百目鬼さんが誰にでも優しいの知ってる。優しくありたいと頑張ってることも。だからさ、それには協力してあげたいけど…、僕って淫乱じゃん?我慢できなくてさ♪毎日構って欲しくなっちゃうの♪百目鬼さんが僕の気持ちに誠実に向き合おうとしてくれてるの分かってるけど…。シたくなっちゃうんだ。ごめんね♪百目鬼さんが誠実になろうとしてる邪魔になってるの分かってる。百目鬼さんが煩わしいと思うなら百目鬼さんを襲わないように他で済ませてくるし♪」
百目鬼「他?…」
百目鬼さんが、ギロッと僕を睨む。
あはは♪気持ち悪いって感じだな、百目鬼さんは誰かの使ってる穴を共有はしたくないよね…。でも、僕って淫乱ビッチだから、セックスなしの関係になるら、他でシとかなきゃ絶対百目鬼さんを襲っちゃう。
マキ「そうそう、泉に怒られちゃったんだ♪百目鬼さんの気持ちを無視してセックスを強要したら可哀想だって…、泉の言ってることは正しい」
百目鬼「…いや、あれは俺が…」
マキ「ふふ、百目鬼さんは悪くない。再会した日も、僕は拒もうと思えば出来た。そもそもいつも百目鬼さんを誘惑して跨ってるの僕だし、泉はそういうのちゃんと分かってるから、百目鬼さんは責任感じる必要ない。百目鬼さんは、僕の気持ちに答えて断った時点で義務は果たしてる」
百目鬼「おい。それは俺がお前を引き止めたんだ…」
マキ「それも、僕が消えるみたいにしたから心配してくれたんだよね、僕が悪い」
百目鬼「おい!なんでそうなるんだ!」
マキ「百目鬼さん、百目鬼さんはなんでも自分のせいだって思わなくていいんだよ。客観的に見たら、百目鬼さんは言い寄られて断ったのにしつこくつきまとわれてる被害者だからね」
百目鬼「違うだろ!」
マキ「違わない!」
百目鬼「…お前、そんな風に思ってたのか」
マキ「思ってたも何も、事実じゃん。セックスだっていつも僕が無理やり誘って跨って…」
百目鬼「は!?あれは俺が…」
マキ「はいそこ!錯覚だから、百目鬼さんは僕の誘惑に乗せられただけだから」
百目鬼「ッ!たとえお前の誘惑だとしても、ヤッちまった時点で同罪だろ!」
僕を睨みながらそう言い切った百目鬼さん。本当真面目で誠実。キレなきゃ本当にいい人。
マキ「ほら、百目鬼さんはちゃんと考えてる。百目鬼さんは真面目に考えてる。でも僕、百目鬼さんとセックス出来て喜んでた。百目鬼さんが悩んでるの知ってたけどやめられなかったし、今も、喜んでる」
百目鬼「ッ!」
マキ「とんだ変態ビッチでしょ?」
縛り付けられて、尿道プラグ刺さってても、触れてもらってることを喜ぶ淫乱な体。
マキ「だから、百目鬼さんは僕のことなんかで悩まなくていいんだよ。野良猫がすり寄ってきてるなぁくらいに思ってくれればそれでいいんだよ。だから、僕のこと向き合おうとしてくれてるのは凄く嬉しいけど、セックス抜きで百目鬼さんのそばに居られる程僕って誠実じゃない、誠実になろうとする百目鬼さんに僕は邪魔しかしてない。修二と話し合って再出発しようとしてるのに邪魔してごめんなさい。百目鬼さんは優しい、だから、色々ほっとけなくなっちゃって、同情して責任感じちゃってるんでしょ?。僕は、百目鬼さんと再会した時も今も、怪我とかしてるし、振られて消えちゃって心配かけたりしてるから百目鬼さんはほっとけないんだよね。でももう心配いらないよ、怪我も治るし、先生帰ってきたら僕は缶詰だし。先生から言われた監視の依頼も終わりにしていいよ。無理させてごめんね。だから腕解いて?もう帰っていいよ」
百目鬼「…」
早く…。
百目鬼「…」
早く…。
百目鬼「…」
早く…帰って…。
尿道プラグの媚薬で僕が暴走する前に…。
百目鬼さんの誠実さを踏みにじる前に…。
じゃないと…
百目鬼「分かった…」
低い重い声が響いて、僕の手足の拘束を解いた。
僕は尿道プラグの刺さったまま布団にくるまり、百目鬼さんを襲ってしまいそうな衝動を必死に押し殺す。
尿道プラグは抜きたい…でも今刺激したら、止まんない…。百目鬼さんを早く帰して…、桜木さんに電話して…
百目鬼「おい」
布団に包まってる間に帰るだろうと思った百目鬼さんは、帰ってなかった。
百目鬼「こっち向け」
マキ「何?もう帰っていいよ」
百目鬼「俺は帰るなんて言ってない」
マキ「え?〝分かった〟って…」
不機嫌に睨むような瞳。
だけど真剣な瞳に見つめられて、息ができない。
布団を剥いで僕に覆い被さり、媚薬で敏感な僕の体を百目鬼さんの大きな手がベッドに押し付けた。
百目鬼「それはお前の質問とお前のことが分かったって意味だ」
マキ「質問?」
僕のことが分かった?
〝淫乱ビッチ〟〝変態ビッチ〟?
質問?質問ってまさか…
マキ「え?まさか…僕のご主人様にって言ったやつ?」
百目鬼「そうだ」
は!?
「そうだ」?ちょっと待って、分かったって、ご主人様なることを〝分かった〟って承諾したってこと?
嘘でしょ!?
マキ「え!?何言ってんの?それって肯定になっちゃうよ?〝Yes〟ってことだよ?」
百目鬼「そうしたら、今みたいに素直に話すんだろ?他のやつに触らせないんだろ?」
マキ「ふえ!!!?」
睨む瞳は、やっぱり僕を睨んでて…。
真剣で…
瞳は迷いなくブレずに…
真っ直ぐ…
僕を見つめていた……
.
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
517 / 1004