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番外編97ひと夜咲く純白の花の願い
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ーピロリン♪
マキ「あっ、メールだ」
百目鬼さんがご主人様になると言ってから2週間と少し。
1月の半ば。
学校も始まり、日常生活に戻っていた。
受験生の僕は戦闘モード。
勉強も最後の詰めに入ってる。
百目鬼さんは3・4日忙しくなると言った後、本当に連絡してきた。
手の包帯が取れたので、百目鬼さんに誘われて事務所に行き、琢磨と再会してまた会う約束をした。
僕は、先生の所でバイトしながら、週2回百目鬼事務所に顔を出してる。
火曜と金曜日に会って、事務所を少しだけ手伝いをしてその後セックスする。
事務所の人達には内緒。
修二にも内緒。
僕は言うつもりはない。
泉にはバレてるから言ったけど、泉は知ったからってどうこうしない。
普段の生活に戻ると百目鬼さんがご主人様になったなんて忘れてる。それぐらい現実味がない。だけど泉に言ったことで、百目鬼さんとの関係が2人の秘密じゃないから現実なんだと思えるし…何より…このメール。
《明日は何時だ?》
表示されてるのは、百目鬼さんからのメール。毎日では無いし、絵文字も無くいつも完結だけど、百目鬼さんからのメールの方が多いい。
マキ「えっと、《明日は図書館寄るから4時頃だよ(^з^)-☆チュ》」
僕たちは上手くやってる。
会えばセックス。泉にはセフレと何が違うんですかって眼鏡を嫌味ったらしく持ち上げて言われたけど。
ご主人様とペットってそれが普通だし、僕はセックスが無い方が困る。毎回僕が跨って誘うんだし、金曜の夜はお泊まりで、土曜は朝起きたらもう1ラウンド♪♪。
それからフレンチトーストをおねだりする。
百目鬼さんの手料理食べるし一緒お風呂入ったりするし、百目鬼さんはちゃんと優しい。ちゃんとしたお付き合いと変わらないくらいにしてもらってる。贅沢なくらいだ。
それに僕は受験生だから、家でまったりで十分。
僕は何の不満も持ってない。
僕たちはこれでバランス取れてる。
そりゃ、毎日イチャイチャベタベタして毎晩セックス出来たらもっと幸せだろうけど。
僕は受験生だ、落ちたら先生に怒れちゃうし、今後生きていく場所を確保しなきゃなら無い。
僕は、高校卒業したら、先生の家から出て行くって決めてた。大学に受からなかったら家から出ずらくなる。それは非常に困る。
大事な時期だ。
だから、百目鬼さんがどう思ってるなんて知りたくなかった。
だって、今はっきりさせたら不利なのは分かりきってたから…
数日後。
放課後はいつも図書館で勉強していた。
この日も勉強して寮に帰って百目鬼さんに会える明日を楽しみに眠ると思ってた…
つよし「マキさん」
呼ばれてノートから視線を上げると、怯えた様子のつよしが立ってた。
マキ「どうしたの?」
つよし「あ、あの…お客さんです」
客?もしかして誰かが僕の居場所掴んだ?
マキ「どんな人?」
つよし「あの…む、む、むつさんです…」
むつが?
壁掛けの時計に目をやると、5時を過ぎた所、むつは仕事のはず…。
疑問に思ったが、テーブルの上を片付けてむつの待つ正面玄関へ向かった。
むつとは学校が始まる前に1度会ってる。
すっごく怒ってたから、なだめて新作の大人のオモチャを渡して誤魔化しといた。
つよしの表情から、むつの機嫌が悪そうだと察していたが、むつのもたらした知らせは僕にとって最悪の知らせだった。
むつ「マキ、ちょっと面貸せよ。お前のせいで修二と百目鬼がまた会ってる」
マキ「えっ!?」
僕の?!
むつ「俺に隠れて会ってやがった、今日も会いに行った、お前なんとかしろよ」
マキ「…どうして僕のせい?」
むつ「だいぶ前に泉が来た、俺は寝てたから途中からしか話しは分かんなかったし所々だけど、お前と百目鬼のこと話してた。」
泉が修二に…。
それを聞いた瞬間怒りの感情が湧いた。
百目鬼さんはきっと修二に言いたくなかったはず…。好きだった人に、あれこれ言われるなんて百目鬼さんはきっと辛い…。
修二が百目鬼さんと会えばむつと華南、それに奏一さんだって関わってくる。
なんてことしてくれたんだ泉。
マキ「着替えて来るから待ってて」
僕は踵を返して走って寮に戻った。
着替えを済ませ、外出申請をしてつよしに口止めし、むつと一緒に百目鬼さんと修二が密会している場所へ急いだ。
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