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百目鬼から見たマキ…
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5分程して、マキが女子トイレから出てきた。
百目鬼「ッ!?」
百目鬼は男子トイレに入ってるもんだと思っていたから驚いて睨みつけたが、マキはバッチリ女装していて見た目は女だ。男子トイレ入るのはそれはそれでまずい。
マキ「ふふふ、中は誰も居ないよ」
とヘラヘラ返してきた。そおいう問題か?
マキ「行こう百目鬼さん」
そう言ってクスクス笑いながら俺の前を歩く。
ホタルの曲が流れる中、出口付近のお見上げコーナーに到着した。
マキ「ごめんね百目鬼さん、ちょっと待ってて」
そう言ってマキがレジへ向かう。
ああ…そうだ、マキは買い物しに来たんだった。すっかり忘れてた…。
あっという間の時間だった。そう感じていたから、買い物に付き合うという方の目的が頭になかった。
マキは直ぐにレジに限定ポスターを買いに並ぶ。
限定ポスターは一種類、海の中には色とりどりの魚がいて、その中を三頭のイルカが泳いでいるもの。それを見て納得した。
確かに修二にぴったりだ…
マキ「…綺麗だなぁ…僕も修二とお揃いで買おっかなぁ…」
ピクッ
その言葉にマキを見ると。俺の視線に気がついたマキが、ペロッと舌を出す。
マキ「ふふ、冗談だよ♪僕ポスターいっぱい持ってる♪」
なんの冗談だと思ったが、マキの順番になり話が途切れた。
マキは店員にポスターを包んでもらい、大事そうに抱えて言った。
マキ「百目鬼さん今日はありがとう。忙しいのに付き合わせてごめんね、さぁ、帰ろう」
マキは俺の前でへらっと笑う。
その笑い方に違和感を感じた。
もしかして…
百目鬼「俺がプレゼントしてやろうか?」
マキ「えっ…?」
マキは、なぜか顔を引きつらせる。
百目鬼「ポスターだよ、欲しいんだろ?」
そう言ったら喜ぶかと思った。
マキ「…あは、要らない」
マキはへらっと薄く笑い、本当に欲しくなさそうに視線をそらす。
百目鬼「なんだ、なら、なんか違うものでも…」
マキ「ふふふ、どうしたの百目鬼さん、気を使わないで」
百目鬼「なんだよ、前来た時は交換だとか言って、棚ごとヌイグルミ買おうとした癖に」
マキ「ふふふ、そうだったね♪」
百目鬼「今日は交換しないのか?」
マキ「………じゃあ、百目鬼さんはまたヌイグルミが欲しいの?…」
百目鬼「…特に」
マキ「ふふふ、変な百目鬼さん」
『〜♪本日は、当水族館にお越しくださり誠にありがとうございます。閉園のお時間になりました、お忘れ物はございませんか?またのお越しを…』
マキ「ほら、百目鬼さんお終いだから、行こう」
百目鬼「…ああ」
せっかくお土産買ってやろうとしたのに、なんだかすっきりしない…。
なんだか違和感を感じながら、マキに聞いてもどうせ本当のことは言わないと思うとイラッとした。
ポスターを抱えて前を歩くマキ。
そう言えば、オーロラコーナーから出てから、マキは離れて歩いてる。
自分が暴走しそうで俺も避けてたが、マキも手を伸ばしてこない。
…拗ねた?
だが…あのままキスしてたら確実に物陰に連れ込んでた…。
…?
『オーロラの下で結ばれた2人は幸せになるんだって…』
『なんてね♪♪』
『そもそも3Dなんだから人工物だし♪♪偽物だよ♪♪』
マキは、嘘だとは言わなかった…。
あの時、会場は薄暗くて見逃した??
マキの瞬きを…
百目鬼「マキ」
マキ「何?」
百目鬼「ちょっと来い」
マキ「はえ?」
マキの細い腕をガシッと掴み強引に引っ張った。ポスターを両手で抱えていたからマキは抵抗できず引きずられるように移動する。
オーロラコーナーまで逆走して会場に入ると、辺りを見回した。元々人が少なかったのと閉園のアナウンスのおかげで誰もいない。
マキ「落し物でもしたの?」
俺は誰もいないと確認して、マキを会場の隅の死角に押し込んだ。
マキ「なっ…」
狼狽えたマキが逃げそうになって、手を壁にドンとついて退路を塞ぐ。
マキ「ッ!?」
百目鬼「マキ」
緊張から低い声が出て、マキが身を縮めて上目遣いでこちらを伺う。
百目鬼「悪かった。でもさっきのはお前が悪い、お前がいちいちか……」
言葉に詰まり、直接的じゃない代わりの言葉を探したが、見当たらない。
上目遣いのマキが困惑で瞳を瞬いた。
それすらも、鎖に響く。
マキ「…ご…めん…なさい…」
違う!そうじゃねぇ!!
差し迫った時間で係員が来るかもしれない警戒心で説明も誤解も解く時間がなく、言葉が追いつかない!。
ああクソッ!
マキを壁に押し付け、顎をすくって唇に噛み付いた。
マキ「んう¨ッ!!!?!」
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