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俺たちのバランス〜むつ〜
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修二!?修二が目の前にいる!?
驚いて、辺りをキョロキョロ見渡すと、そこは〝俺たちの家〟の和室。
美樹と過ちを犯した場所で修二と対面してるかと思うとゾッとした。
夢?夢だよな!?
修二「大丈夫?」
むつ「俺…」
修二の顔が見れない…、俺はどのツラ下げて…
修二「ああ、移動しててビックリした?華南が運んでくれたんだよ、むつってば最近徹夜続きだったでしょ?帰り道竜さん車の中で寝ちゃったって」
これは…現実?
むつ「…帰り?」
修二「…仕事の帰り、華南と会って拾ってもらったんでしょ?、雨凄いから」
混乱していた頭が、修二の説明で冷静さを取り戻す。血の気が引いた思いがしたが、取り敢えず、修二は何も知らないようでホッとした。
華南がそうゆうことにしてくれたのか…。
華南が…いない…。華南…どこ?
むつ「ぁ…うん」
修二「…。凄い汗かいてる…」
修二が心配そうに俺のおでこに手を伸ばした。だけど俺は慌ててその手に気付かないフリで立ち上がる。
むつ「いや、…平気」
修二「…」
俺に届くことなかった修二の手が、引っ込んだ。
避けてから、ワザとらしかったかと思ったが、怖くて修二の顔を見られない。やっちまったもんはもう遅い。遅い?あっ!バイト!今何時??
むつ「時間!?…、携帯ッ…」
俺が立ったまま慌てて服のポケットを探してると、修二が正座したまま俺の寝ていた枕元の携帯を指差した。
修二「そこだよ。…どこか…行くの?夕飯は?」
むつ「悪い時間無い、用事があって…」
夜間のバイトの時間が迫っていた、少し急がなきゃならなかったから、せわしなく動いて服を着替え、携帯と荷物を手にとってすぐに玄関に向かう。
バタバタする俺の後ろから、修二が背中ごしに話しかける。
修二「…いってらっしゃい、むつ…」
むつ「……、行ってくる」
俺は、振り返れなかった…。
修二の目を見ることが出来ない…
ごめん…修二…
直ぐにちゃんとするから…
だから…
バタンと閉めた玄関の音に…
ごめん修二…と何度も心で叫んだ
修二「…………………………」
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次の日、夜間のバイトは休みで。
マキと約束してあって、もう一度美樹と話をすることになっていた。
待ち合わせの居酒屋は、美樹が選んだ店だった。
半個室で、音楽も人もうるさくて隣の席の会話は聞こうとしなきゃあまり聞こえない。
待ち合わせの場所に行くと、すでに美樹が席に座っていた。
美樹「…それで、別れたの?」
むつ「…悪い…けど、俺は別れるつもりない」
美樹「ッ!…むつくん、目を覚ましなよ、男になんて気の迷いでしょ?だってむつくん言ってたじゃん、男がいいわけじゃないって」
むつ「俺…、今の恋人を癒してやりたくてこの仕事始めたんだ…。俺、美樹にもみんなにも言ってたろ?。大輝が、俺の動機が不純でエロいって茶化したの、美樹が恋人のためになんて素敵っつってくれたじゃん」
俺に〝恋人がいる〟のは、職場のみんな知ってる。
相手が男であることと、同棲してることは言ってなかったし、名前も教えてない。
でも大好きでラブラブで、勉強会しない日は、仕事が終わったら一目散に帰るから、しょっちゅうからかわれた。
今は、男だってバラしちまったが…
美樹「…それは、相手が女の子だと思ったから…」
むつ「俺は、男だからとか女だからとかそんなんより、今の恋人の心に惚れた。ちょっと甘え下手とか、カッコ良すぎるとか、ちょっとした不満はあっても、別の奴とか考えたこともねぇし、将来はそいつと結婚も考えてる」
美樹「えッ?結婚?何言ってんの、本気?」
むつ「本気だ」
美樹「ッ…なにそれ…、私に手ェ出したくせに」
むつ「…」
美樹「むつくんて、そんな人だったんだ…、昔は結構暴れてたくせに…」
むつ「?…昔の俺を知ってるのか?」
美樹「知ってるよ有名じゃない。どんな凄い人かと思ったけど、こんなもんなんだね」
むつ「…」
美樹「潔く認めないし、人のこと馬鹿にして、「お前じゃ勃たないとか」「あり得ないとか」…挙句に男と付き合ってるって…。思わせぶりなこと散々しといて馬鹿にしてる…」
むつ「…あの時は…ごめん…。俺本当に覚えてないし、俺、美樹を励まそうと思って色々言っただけで、美樹のことなんとも思ってなかったから…」
美樹「その言い方…」
むつ「…」
美樹「恋人に全部ぶちまけたら、むつくんも捨てられちゃうんじゃない?」
むつ「…俺は、自分で全部説明して許してもらう」
美樹「とかなんとか…、都合のいいように説明して、誤魔化すんでしょ。むつくんもそこらの男と変わらないんだね、がっかりした」
マキ「ねぇねぇ、がっかりしたなら、ここらでお終いにしたら?」
美樹の後ろの席からひょっこり顔を出したマキ。
美樹は驚いていたが、すぐに俺を睨んできた。
美樹「何これ」
むつ「…」
美樹「何?男二人掛かりで私の口を封じに来たの?」
マキ「そんな野蛮なことしないよ、僕はただ、君がダーリンを虐めてるみたいだからどんな人かと思って聞いてただけ、前回のデートと今と♪」
美樹「…ダーリン?」
マキ「そう、僕のダーリン♪」
マキが俺と同じ席に座り、俺を抱き寄せて甘えるようにしなだれかかる。その様子を、美樹は厳しい目つきで睨んでる。
マキ「前回も今回も思ったんだけど♪君からは、むつへの憎悪しか感じないな♪」
美樹「そりゃそうよ!私を馬鹿にして!無理やり私のこと捌け口にしたんだから!」
マキ「むつが無理やり?」
美樹「そうよ、散々思わせぶりなこと言っといて、ヤリ目的だったんでしょ」
マキ「そこが腑に落ちないんだよなぁ♪、無理やりヤるほど溜まってないよ、うちのダーリンは。だってその日の2日前まで僕と毎日セックスしてたもん♪」
ニコッと怖いくらいの笑顔で言ったマキ。この話しでドン引きするかと思った美樹は、不敵に笑った。
美樹「騙されないわよ。だいたい貴方はむつくんの恋人じゃないじゃない、私知ってるんだから。一緒に住んでる修二が恋人でしょ?私を騙してそんなに彼にバレるのが怖いの?」
むつ「え!?なんでそれを!?」
美樹「…、もういいわ、私今から家行って修二に全部話してくる」
むつ「待て!」
美樹「じゃあ、責任とって私と付き合う?」
むつ「それはできない」
美樹「即答?…話しにならない」
美樹が席を立ったその時。
美樹の前に人が立ちはだかった。
美樹「きゃっ、ビックリし…」
むつ「…」
マキ「あーらら」
そこには、今一番いて欲しくない人物かいて…
俺は身も心も凍りついた。
修二「むつやマキが失礼なことしてごめんね。その話し、僕に詳しく話してください」
そこには、
同棲してから1度も見なかった、昔のような作くられた仮面の表情を貼り付けた、
修二が立ってた。
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