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(番外編)純愛♎︎狂愛20
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修二「えッ!百目鬼さんをマジギレせた!?」
マキ「うん、口聞いてくれないんだ…」
翌日、たまらず、修二に相談した…
昨日は、矢田さんに式場から僕の家まで送り届けられた。
百目鬼さんの家に行きたいと頼んだけど、どんなに頼んでも、矢田さんは「無理」「クビにされる」と聞いてもらえなかった。それほど怒ってるんだと、その日は大人しく家に帰った。
今日、大学が始まる前の朝の早い時間に、百目鬼さんの家に行ってきた。
どんなに謝っても、玄関を開けてもらえなくて、矢田さんが飛んできて、「百目鬼さんが大学に送って来いってすごい剣幕で…」と、僕には口も聞いてくれなかった。一晩経てば、許してもらえると思ってたから、ちょっとどうしていいか分からない。
だって、百目鬼さんが逆の立場なら、迷わずナイフの前に飛び込んだと思う。それに、僕だって男だし、護身術や戦う力を持ってる。なのに百目鬼さんは、僕をか弱い女の子みたいに思ってる。
僕だって、好きな人を守る力くらいある。
約束を破ったのは…本当に申し訳なかったけど…
修二「…何やったの?聞くのが怖いんだけど…
ってか、僕ちゃん百目鬼さんと喧嘩とかしたことないよ…。百目鬼さん、理性がキレちゃうことはあっても、僕に怒ってマジギレなんてしたことないもん」
マキ「そっか、修二はいい子だもんね」
修二「……。で?何したの?」
マキ「うんとね、飛んできたナイフ叩き落とした」
修二「えッ!?ナイフ!?マキに?!」
マキ「ううん、百目鬼さんに」
修二「ぇえッ!?」
マキ「百目鬼さんに刺さっちゃうと思ったら、勝手に体が動いて…、でも怪我とかしてないし」
修二「…」
マキ「百目鬼さん基本いつも怒ってるけど、心配しただろって吠えるだけで怖くはないんだ。でも、今回は…、そうゆう感じじゃなくて…、〝もうしらない〟的な?謝っても顔見せてくれなくて…、口も聞いてくれなくて、追い払われた」
淡々と語る僕に、修二は頭を抱えてしまう。
僕の話を聞いていたのは、修二だけではなくて、華南とむつもいて。
2人は唖然としていた。
マキ「2人はどう思う?」
たむろってする雑談みたいに、かる〜く聞いてみたら
むつ「お前、いっぺん殴ったろか」
むつは拳を見せて僕を睨みつける。
百目鬼さんと似た部類のむつは、考え方が似てるみたい。
そして、3人の中で一番大人な華南は呆れ顔。
華南「それは、お前が悪いだろ。好きな奴がナイフの前に…なんて、考えただけでゾッとする」
好きな奴…
華南「俺なら散々説供して、その後ちゃんとフォローもするけどな」
カッコイイ事言ってるけど、それってベッドの中だろって思ったのは僕だけじゃない。
むつ「華南は甘いんだよ。俺は許さないな、ずっと見張っとく」
と、言いながら、何故か修二を見るむつ。
修二「僕らの場合、ちゃんと話し合うようにしてるよ」
むつ「おい、サラッと無視したがお前も同類だからな修二!」
熱くなり始めたむつを、修二は無視。
むつがピキッときてるのを、華南がフォロー。
修二は華南がそうしてくれると分かっててやってる。本当によく出来た3人だ。
修二「マキ、余計なこと言わないで、ちゃんと直接謝ったほうがいいよ」
マキ「…ん〜、あのね修二」
修二「ん?」
マキ「もう、今朝、言っちゃった♪」
ペロッと舌を出したら、修二がまたまた頭を抱えた。
約束を破ったことは心から反省する。でも、心配することない、怪我とかしなかったし(擦り傷は、傷に入らない)、今後は絶対百目鬼さんに逆らわない。とかなんとか…。
その結果、矢田さん召喚。強制送迎。
むつ「お前、馬鹿だろ」
マキ「だってぇ〜、確かに僕が悪いんだけど、僕だって男の子だし、結構腕っぷし強いんだよ」
袖をまくって力こぶ見せたら、むつに叩かれた。
むつ「なんかあってからじゃ遅いだろ!」
マキ「…だって、百目鬼さんを守りたかったんだもん」
むつ「子供みたいに口尖らせるな!いつものお前なら上手くやるだろ!さっきから駄々っ子みたいにブツブツと!全然反省してねぇだろ!」
あれ?
そうだ…、僕…らしくない。
相談とか…
修二だけならまだしも…むつと華南にまで…
修二「まぁまぁ、むつもこんな言い方だけど、マキの事心配で口悪いだけだし、友達に相談されてメチャクチャ嬉しいんだよ。むつって人から相談されないし」
むつ「あ?!う、嬉しいって、な、なんだ!」
真っ赤になって怒るむつを、またしても華南がなだめ、修二は無視して話を続ける。…漫才夫婦?
修二「マキも百目鬼さんも不器用だから、一人で転がり落ちるよりはましでしょ」
マキ「僕、不器用じゃないもん」
ブスッと言うと、むつがツッコンできた。
むつ「どの口が言ってんだ?」
マキ「この口♪このプルッと艶やかな僕の唇♪」
むつ「歯ぁ食いしばれよ」
むつが拳を振りかざしたところで、華南がむつを後ろから抱っこしてなだめる。
華南「まぁまぁむつ君」
むつ「だってよぉ〜華南!こいつ!自分のこと全然大事にしないんだぜ!」
華南「むつが正しい。マキ、反省しないで上辺で謝ったら、百目鬼さんを益々怒らせるだけだよ。それに、自分のことどうなってもいいと思ってる人間を守る事ほど大変な事はないんだよ。百目鬼さんはお前が心配なんだろ」
マキ「…」
華南「好きな人が傷つくのを見たくないのは、みんな同じだろ?」
……好きじゃなくても…ね…
あっ、ヤバイ…。口に出しそうになった…、結構ヤバイかも…。一体百目鬼さんと何日セックスしてないんだろう…。
こんなんじゃ…百目鬼さんに捨てられて…、奏一さんに取られちゃうかも…
もう一回、謝りに行こう…。
✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎
時刻は22時過ぎ。
修二達の家から電車に乗って百目鬼さんの家までやってきた。事務所は閉まってて、百目鬼さんは帰宅してる、はず。
ちょっと緊張してるから、深呼吸して、それから意を決してインターホンを鳴らした。
ーピンポーン。
緊張しながらインターホンを上目遣いで眺める。
しばらくして、不機嫌な声が響いた。
百目鬼『帰れ』
マキ「お休み中ごめんなさい。昨日は、本当にごめんなさい」
百目鬼『今すぐ帰れ、今、矢田はいない』
マキ「本当にごめんなさい百目鬼さん。僕、百目鬼さんを守りたくて、つい体が動いちゃって…、でも、もう二度としない。言い付けはちゃんと守るから、許してください。また、お仕事手伝わせて」
百目鬼『駄目だ、帰れ』
マキ「…百目鬼さん、ドア開けて、顔見て謝らせて」
百目鬼『その手には乗らない』
マキ「…百目鬼さん、ごめんなさい…」
ドアをノックしても、必死に謝っても、玄関を開けてくれる気は無いらしい。
マキ「ごめんなさい、百目鬼さん…。もうしません」
すぐ側にいる筈なのに、冷たいドアに阻まれて、何も出来ない。顔が見たい…、触れたい、許してもらって百目鬼さんの隣で眠りたい…。百目鬼さんと抱き合って、キスして、それから…
ハッ!、駄目駄目、すぐそっちに行っちゃう。
でも、もう我慢できないよ…、百目鬼さんに触れたい、キスしたい、セックスしたい…
百目鬼さんが足りない。
賢史「おー、おー、こりゃイイもん見れた」
突然、愉快そうな声が響いて、賢史さんが階段から登って来た。
賢史「女王様の切なげにロミオを呼ぶ声か?
振られたなら俺がお相手しましょうか?」
マキ「賢史さん…」
百目鬼『ぁあ!?賢史?!』
インターホンがガチャンと切れて、中からバタバタと足音が響き出す。それを聞いた賢史さんはニヤつきながら僕の腕を引いて抱き寄せた。
賢史「いろいろサンキューな、姫香ちゃんがマキちゃんに頼んで良かったって言ってたぞ」
そう言って、ウインクしてきた。
ードドドドッ、ガチャンッ!!
百目鬼「けぇんしぃー!!てめぇー!!」
賢史「ブッッ!!神、なんだその格好!」
百目鬼さんはなんと、手拭い一丁の全裸、髪も体もビッショリ濡れて、裸足で出てきた。
賢史さんが大爆笑。
百目鬼さん激昂。
僕、赤面。
賢史「ギャハハハハッ!!」
百目鬼「チッ!」
百目鬼さんの手が、僕を取り返そうと掴もうとしたが、賢史さんが僕をヒョイッと担ぎ上げた。
ヒョイっと!
マキ「ギャッ!落ちる!階段!」
賢史「女王様借りるぜ、神!」
百目鬼「おい!!」
ゲラゲラ笑う賢史さんは、全裸の百目鬼さんから、僕を掻っ攫った。
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