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〔裏番外〕狂愛♎︎純愛9
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夜23時頃。
突然の来客。
雪哉「ジャジャーン♪アポ無し訪問!」
ルンルンで俺んちのドアを開け放ったのは、雪哉。
雪哉は、玄関見回して、マキがいないのに気がつくと、ガックリと肩を落とした。
雪哉「あれー?マキ様は?」
お前もマキ狙いか!?
苛立つ俺に、雪哉は構わず部屋に入ってきて、リビングを見渡すが、マキの姿はない。当たり前だ、今日は来る日じゃないからな。
マキが本当にいないと分かると、雪哉はブツブツ言いながらケーキの入った箱をテーブルに置いた。
雪哉「美味しい美味しいケーキ持ってきたのに、…どうして俺は4月に入ってからマキ様に会わせてもらえないのかな?」
むくれた顔した雪哉に、俺は軽く睨みつける
会わせるわけないだろ!会ったら毎度抱き合ってベッタリくっつきやがって!
百目鬼「俺の家に来ればマキに会えると思ってる意味がわからない」
雪哉「あらら、なにこのタバコの吸い殻の数。だいぶイラついてるね…」
雪哉は、俺を無視して喋りたいことを喋ってる。更に勝手に歩き回り、リビングを見回したり、何かを探してる様子。
洗面所、寝室、書斎、全ての部屋を勝手に見て、驚いた声を上げた。
雪哉「無い!」
百目鬼「何が?」
雪哉「マキ様の痕跡が無い!?えっ?えっ?一緒に住んでるんでしょう?マキ様の着替えは?荷物は?歯ブラシは??」
こいつは何を言ってるんだ?
ってか賢史と同じようなこと言いやがって、なんで付き合ってるとバレてたり、同棲してるって決めつける?
百目鬼「マキはここに住んで無いからだ」
雪哉「うわっ!信じらんない!マキ様を独り占めしといてマキ様を1人で暮らさせてるの?信じらんない!寂しがりやの分際で」
百目鬼「あ¨!?誰が寂しがりやだ!!」
雪哉「神」
百目鬼「即答すんな!!」
自分勝手に話しをすすめる雪哉、いつもはこんなトンチンカンなやろうじゃないのに…
雪哉「ハッ!まさかもう捨てられたの?!」
百目鬼「捨てられたってなんだ!」
雪哉「だって、付き合ってたんだろ?」
付き合ってたんだろって!まだ付き合ってるわ!!
百目鬼「なんなんだよ、俺は、マキとは付き合ってない」
雪哉「は?」
からかってきてた雪哉が、真顔でこっちを見てきた。
雪哉「嘘だね。神、今年に入ってから、マキ様と付き合ってるでしょ?」
ッ!まさか、マキが言ったのか?
いつも優しい雪哉にしては、低いマジなトーンで静かに言ってきた。
俺が一瞬迷ったのを、雪哉は感じ取り、眼を細める。
雪哉「俺、神とは長い付き合いだよ?その俺に嘘がつけると思う?バレバレだよ」
確かに。雪哉とは付き合いが長く、俺とセフレを続けてこれた男だ。俺の振る舞いや癖は良く知っている。俺の性格も、暴走癖も、雪哉の柔軟な性格とかなりのマゾっ気は相性が良かった。
ただ、お互い本気にはならなかったから、付き合いこそしなかったが、老後売れ残ってたら貰ってくれると冗談交じりに話していた。
そんな雪哉に、嘘が通用しするはずがなかった…
百目鬼「…誰にも言うなよ。確かに付き合ってる」
雪哉「は?なんで誰にも言うななの?」
百目鬼「煩いのに知られちゃマズいだろ」
雪哉「矢田くん?」
百目鬼「とか、賢史とか、菫の店の連中とか…」
俺の言葉に、雪哉は難色を示した。
そして、何かに気がついたようだった。
雪哉「…あっ…、それでか…。マキちゃんに、付き合ってるの誰にも言うなって言ってる?」
百目鬼「ああ、マキのためだ。煩いのを相手にしなくていい」
雪哉「ねぇ、神。マキちゃんには好きだって言ってもらった?」
百目鬼「ああ」
雪哉「じゃあ、神は気持ち伝えてる?」
百目鬼「ちゃんと優しくしてやってる」
俺の答えに、雪哉は少し考えてから、更に真剣に聞いてきた。
雪哉「例の想い人は、吹っ切ったの?」
百目鬼「…ああ、今は、幸せを願うばかりだ」
俺の顔をジッと見つめた雪哉は、顔を覗き込んでいたが、俺の目を見て納得したようだった。
雪哉は、修二の事を知らない。ただ、忘れられない相手がいるってことは、知っていた。
雪哉「真面目な話しさ、マキ様と上手くいってないでしょ、神は、直ぐタバコに逃げるからね」
そう言って、リビングの吸い殻に視線を投げる。
そこには指摘通り何本も吸い殻があった。
百目鬼「…、あいつは、難しい奴なんだよ」
雪哉「難しいって?」
百目鬼「全然本音を言ってこない、言ったとしても、下ネタ交じりで直ぐ…ッゴホン」
SEXしてこようとする、って言いそうになり口を噤んだ。
雪哉「…SEXしまくり?」
俺が飲み込んだ言葉を、雪哉がサラッと言ったもんだから頭を抱えたら、雪哉は不思議そうにしてた。
雪哉「え?マキ様から求めてくるの?」
百目鬼「…」
雪哉「神が毎晩襲うんじゃないの?」
百目鬼「俺!?」
雪哉「神がマキ様を好きになっちゃって付き合ってるんでしょう?」
百目鬼「はッ!?何言ってんだ?!あいつが俺を好きだって言ってきて、それで付き合ってるんだ!」
俺の言葉に驚いた雪哉が、眉を寄せた。
俺がマキを好きで好きでマキに付き合ってもらってる、みたいなニュアンスだったから、思わず強く否定してしまった。
百目鬼「だいたい、毎晩ってなんだ。俺から持ち込んだことはほとんど無い、いつもマキが勝手に跨がってきて…。ッ…俺は、もっと普通にしてたいのに…」
雪哉「…何それ。神は、SEXしなくてもいいってこと?」
百目鬼「俺は、普通に付き合ってたいだけだ。俺の中の猛獣を起こしたく無いだけだ。マキがいくら慣れてるって言っても、俺は泣かしたくなる、そんなの、付き合ってるやつにすることじゃ無いだろ。俺は、付き合うからには、マキを大事にしてやりたいだけだ」
雪哉「………」
雪哉が、複雑な表情で俺を見てる。
一体何が言いたいのか分からない。
雪哉「神は、マキ様が好きなんだよね?」
百目鬼「なんで聞くんだ?」
雪哉「…、なんか、複雑なものを感じるんだけど、なんか拗れてたりしない?」
百目鬼「…」
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