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〔裏番外〕狂愛♎︎純愛12
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人を避けてると、不思議と、本当に会いたい時に会えない。
マキに、なんて話をしていいか分からない。
俺が、この身を雑巾みたいに絞るように、奥底に呑み込ん本音を言葉にしたとして。マキは、誤魔化さず、気を遣わない本音を俺に話してくれるだろうか?
話しはしたい。だけど、俺は、抱えていた案件の大詰めに入り、24時間体制で外にいて、事務所に顔を出すこともなく、マキと顔を合わせることもできてない。
何度か、雪哉がマキと話をしたのか聞いてきたが、その電話を取る時間もなく、留守番電話が溜まっていた。
だから1週間後、仕事が無事片付いて、雪哉に電話した時。雪哉は、携帯のスピーカーが壊れるほど怒鳴りつけてきた。
雪哉『ゥヲォイ!!神!!お前はあんな天使様を放ったらかしってどおいうつもりだ!!』
完全なるマキ様信者の雪哉。
マキと会ったらしい、一体何を話したのか、心酔仕切った信者の熱弁は、常にスピーカー割れする音量で、天使を虐めるなって内容だった。
散々怒鳴った雪哉は、息を切らしながら、最後に静かにこう言った。
雪哉『マキ様は、〝全部自分が悪い、優しい百目鬼さんを怒らせる自分が悪いから〟って悲しそうだったよ…。
話しづらいのも忙しいのも分かるけど、あんな寂しい思いさせててよく平気だね。気持ちが全然優しくない!』
百目鬼「ッ…」
雪哉『神は確かに優しいけど、それは、紳士的な行動を意識してだよね?優しくしてやってる優しくしてやってるって言うけど、優しい行動を取るだけで、マキ様の心に優しくしてるの?』
ドスドスと胸に刺さる雪哉の言葉。
マキはやっぱり、自分のせいにしていた。いや、俺がそういう風に言ったんだが…
あークソ!矛盾だらけだ!こんなんじゃダメだ!考えが纏まらないと、絶対変なことを言う!でも、1週間会ってない、これでいいのか?とにかく!会いにだけでも行くべきだ!
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その日、俺は仕事を終わらせて、マキに会おうと思ってた。まずは夕飯を奢ってやり、出来たらこないだのこと謝ろう…。
道すがら、たまたま近かった雪哉の店でマキの好きそうなケーキを買って行こうと寄ったら、雪哉にまた小言を言われた。
マキには、今日行くことは連絡してない、もしかしたら、逃げるかもしれないし、流石に怒ってるかもしれないと思い、玄関先で何度もチャイムを押し損なって唸っていた。
矢田「どうしたんですか?押しますね」
ービンポーン♪
百目鬼「あっ」
矢田が、あっさりチャイムを鳴らす。
矢田は相変わらず空気が読めない。
玄関が開くまで少し間があった。もしかしたらマキも気まずく思っているのかと思ったが、違った。
部屋の中には、マキ意外に、むつと修二と華南がいた。
当たり前のことなのだが。俺以外の人間がマキの家に居ることに驚いていたら、むつが威嚇しながら「俺たちデート中だから」と言い放った。
黙れチビ!お前には修二がいんだろうが!!
修二が困ったように現れ、さらに華南が出てきたと思ったら、「一緒にお茶すればいいじゃん」と、とんでもない提案。
俺は帰りたかったけど、マキは珍しく、寂しそうな潤んだ瞳で見上げてきた上に、しおしおの項垂れた尻尾と、へにょっと下がりきった猫耳が見え、上目遣いで構ってオーラ全開。
俺もお詫びと仲直りに来たつもりだったから、了承して家に上がった。
一体どんな風な図なんだと気まずい思いもあったが、修二たち3人に興味もあった。俺は3人のやり取りを見る機会がないから、今はどんなのか気になる部分もある。
だが、ケーキやプリンを分けたら、マキが、俺の食べる分も一口欲しいと言ってきて、アーンと口を開け、食べさせてと言ってきた。耐えられず、マキに全部やって、タバコを吸いにベランダへ。
やっぱりマキはとんでもない野郎だ…
〝あの3人の前で〟アーンって!
タバコを吸って煙を摂取すると、少し落ち着いた。そしてしみじみ思った。あの3人の仲を…、常に猿みたいにキーキー騒ぐむつを、修二と華南がうまく手綱を引いて世話焼いて…仲良くやっていた。
幸せそうで、良かった…。
しみじみ、そう思う。
矢田「百目鬼さん、フルーツティー作るそうですが、飲みますか?」
百目鬼「作る?マキがか?」
あいつ、また火傷するぞ。
そう思い、矢田に手伝うように指示してから、タバコを携帯灰皿に押し付けて部屋に戻ると、信じられない光景が広がってた。
マキが、修二の隣に座りしなだれかかってベタベタしていた。
オイオイオイ!くっつき過ぎだろ!!
もっと離れて座れ!!
マキ「修二の食べてるケーキ一口食べたいなぁ♪」
マキは、当然の様に口をア〜ン♪と開けて、修二がフォークでケーキを一口食べさせてやってる。
オイ修二!!お前がアーンしてやる相手はマキじゃねぇーだろ!!
マキも何をじゃれてやがんだ!俺がいるのに!!当てつけか?当てつけなのか!?
マキは食べさせて貰った後、修二にコソッと耳打ちすると修二が頬を赤らめた。
ヲーイ!何をイチャイチャしてやがる!
俺と全く同じ反応したむつがいて。その場には、俺とむつの地響きが響いてる…。
むつ・百目鬼(ーゴゴゴゴゴゴッ)
むつ「修二!俺も!」
修二「むつは僕と同じ味でしょ」
いやいや!むつはお前の恋人だろ!マキとイチャついてないでむつとイチャつけや!!
修二!マキから離れろ!!
だが、俺がどんなにマキを睨んでも、マキは俺にしれっとした顔して、その瞳が修二を写すと甘えた瞳で可愛らしい顔して口を開ける。マキがまたア〜ンして二口目が!マキと修二は見つめ合って、ふふっと笑った。
そうかそうか、そうゆうことか、俺より修二がいいってことか。そうだよな、修二は気がきくし優しいし、癒してくれるもんな…
百目鬼「……………マキ、俺は帰るぞ」
マキ「ケーキありがとう♪バイバーイ♪」
はッ!?
満面の笑顔で俺を追い出しにかかってるマキに、堪忍袋の緒が切れた。
仲直りしに来たとか全部どおでもよくなって、矢田を連れてマキの家を飛び出した。
あんな風に修二に甘えるのか!?
俺だけじゃなかった!
やっぱり俺だけじゃなかった!
だったら修二とイチャコラしてろ!
知るか!もう知るか!
クソ!俺は、誰にも触らせねぇって言ったのに、あっちこっちでイチャイチャしやがって!!修二も修二だ!マキに近いんだよ!あークソ!!
だが、俺の知らない所で大変なことが起こっていた。マキの携帯から華南の悲鳴が…
華南『マキを止めて!百目鬼さん助けて!!みんな惚れ薬飲んだっぽい!修二とマキが寝室は入っちまった!』
ア゛ー!?
あの腐れバカは一体何がしたいんだ!!
慌てて戻ってみると、修二とマキの喘ぎ声が部屋中に響き、修二の達したらしい大きな声が寝室から聞こえた。
沸騰しそうな怒りを感じながらドアを蹴破って中に入ると、目の前には、半裸でナニを擦り合わせてる修二とマキ。ぐったり仰向けの修二に、マキが覆いかぶさり唇を奪っていた。
百目鬼「離れろ!!」
マキの体をひっ掴んでベッドから投げ落とし、マキに向き直った。
百目鬼「お前は修二に何やってるんだ!!」
鋭い怒声が響かせた。
お前の相手は修二じゃないだろ!
惚れ薬を飲んでるのは聞いていたが、俺は目の前の浮気現場に、マキを縛りつけて首を絞めそうな勢いだった。
マキは、俺の顔を驚いたように今にも泣きそうな瞳で、唖然と見ていた。
そして俺は、また、怒り任せにやらかしたことに気づく。
俺は華南から、惚れ薬をマキと修二が飲んだかもと聞かされて、マキがやったんだと思った。しかし、矢田が不注意にヒビを入れた瓶から漏れたものが紅茶に混入したと後から分かり、またしても、怒りでマキを怒鳴りつけ傷つけていたと知った。
マキは、部屋の隅でさめざめ泣いていた。
謝ったが、泣いてないとヘラヘラ笑う、惚れ薬がまだ効いていて変だから1人にしろって突っ張ってた。
修二が説得したら、マキは子供みたいにぐしゅぐしゅしだした。修二と2人でなんとかマキを説得しようとしたが、マキは頑固だ。仕方ないのでもう一度惚れ薬を飲ませ、俺に惚れさせた。
惚れ薬を飲んだマキは、やっぱり可愛いい。普段のマキもいつかこうなって可愛くいてくれたらいいんだが…
だが、その考えは、マキに見透かされていた。恐らく、ずっと…
マキ「百目鬼さんが好き…抱きしめて…側に居させて…」
百目鬼「 まだお仕置きが必要か?それとも優しくされたいか?」
マキ「百目鬼さんの好きなように僕を抱いて、百目鬼さんに抱いてもらえるなら、一緒に居られるならなんでもする。このまま僕は射精ないでいいから、いっぱい抱いて」
百目鬼「…」
マキ「百目鬼さんの望む僕でいたい…」
それは、惚れ薬を飲んだマキが、俺の望みだと言っていた。
マキは、ずっと気にしてた。その時ふと過る、マキは良く、謝る時に〝いい子〟にするって言って謝る、それは文字どうり〝良い子〟だと思っていたが、もしかして、〝俺の望む子になる〟ってことか?
マキはずっと、〝惚れ薬を飲んだ時の自分〟になろうとしていたのか??
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