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〔裏番外〕狂愛♎︎純愛18
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俺は変わったように見えたのか。
変わったならどんなによかったか。
たとえ、俺の中の何かが変わっているのだとしても、俺の獰猛な衝動は何も変わってない。
奏一の依頼を受けて、没頭するように調べたこの2週間近くの間に、俺とマキの関係は最悪化していた。
奏一の店を営業妨害しているのが、〝瀧本〟なら、なんとしても、この件をマキの耳に入れることは出来ない。
マキを遠ざけなければならない。
瀧本が影で動き。
俺と奏一の接触を知って朱雀も動き出す。
マキを守らなきゃいけないのに、マキは、これらを知ったら、絶対に身を危険にさらす。
俺は思い知っていた。
この2週間弱の間に。
姫香さんの結婚式があった。
姫香さんへストーカーしてる犯人の足取りを掴めないままの式だったため。
マキに花嫁の格好させて囮に使う作戦を取ることになった。
それだけは、したくなかった。
だけど、姫香さんと背格好が同じ〝男〟なんて、そう見つからない。
身代わりに別の女性を使えば、さらに危険が増す。その点マキは男で、護身術や空手が出来る。
逆に言えば、これが1番無難で安全性の高い作戦だった。
マキを危ないことに近づけたくないのは、俺の個人的な我が儘だ。
でも、マキとセックスしなくなってから、俺たちは上手くいってた。
俺はマキに優しくできるし、マキはなんだか、直ぐ赤くなるようになった。照れてたり、欲情してるのを隠したり。そんな赤らんだマキを見ると、こっちが危なく手が出そうになってるから危険だった。
だけど、この穏やかな日々が、〝普通の付き合い〟だ。
日々モヤモヤしながら、俺とマキは、やっと普通の恋人になったんだと……
〜奏一に瀧本の名前を報告する3日前〜
【姫香さん結婚式、当日】
この日、マキを危険な目に合わせるという心配から、早くに目が覚めてしまった。マキの寝顔を眺めていたが、マキは魘されてるのか、苦しそうな表情になっていたから、そっと頭を撫でてやった。
マキは、俺が額を撫でると目を覚ました。マキも緊張してるのか?と思ったが、取り敢えず暖かいものでも食べさせて落ち着かせようと支度を始めた。
マキもついてきて、いつもの席に座り、普段だったら料理中の俺を覗いているのに、今日は何故か携帯をいじり始めた。
俺といるのに、誰かにメール?
醜い嫉妬が沸き上り、マキに声を掛けた。
「マキ、作ってみるか?」と言うと、マキは瞼をパチパチ瞬いて「ふえ?」とか、動物の鳴き声みたいな声を出した。
幻覚の猫耳が見えてる俺としては、マキはずっと変な獣人だ。
そしてマキと一緒にフレンチトーストを作ったのだが、俺は後悔の嵐だった。
なんだこの不器用すぎる可愛い小動物みたいなのは!!
卵は割れないし、潰して顔に飛ばして卑猥に見えるし、拭いてと強請るのに目を瞑るから、エロいし!フライパンに乗せたフレンチトーストひっくり返せないし!!俺が見本見せてやるために近づくと耳まで真っ赤にしやがるし!!
凶悪以外の何者でもない!!
危なくキレそうだったのを仕事前だとなんとか抑えた。
駄目だ、どんどん自分が抑えられなくなってる……。
そんな状態でも、仕事が始まれば、何とかなる、仕事とプライベートは分けられる。
そう思っていたが……
甘かった…………
スタッフ「こちらのお部屋に、花嫁様と似たデザインのマーメドラインのドレスをご用意させていただきました」
会場スタッフに案内され、姫香さんたちが会場入りする1時間前に、俺たちは式場に来ていた。
一応、会場の地図は頭に入れ、何が起きても対処出来るようにしてはいた。
姫香さんが式を挙げるチャペルは、本館から離れた敷地の隅に、木々に囲まれた穏やかな場所で行われる。
そこに、ウエディングドレスを着たマキを、姫香さんと一緒に待機させる。
入る時は、妹の香織さんの格好をさせるが、取り敢えず、ウエディングドレスの試着だ。
マキと姫香さんは、体型が似ているが、姫香さんのサイズのドレスでは少しだけ余るのでタオルを巻いて試着するらしい。姫香さんには、そのことを伏せてある。よく分からないが、マキが絶対言うなと言うので、そうしてる。
マキ「百目鬼さん、ドレス着るから手伝って♪♪」
百目鬼「は?何故俺だ、杏子もスタッフの人もいるだろ」
この場には、スタッフの女性と、杏子と檸檬がいた。
マキは、何かを考え、伏せ目がちに恥ずかしそうに言った。
マキ「……、女性ものの下着付けるから、はみ出すんだよね」
百目鬼「ばっ…」
馬鹿野郎!!
檸檬「はーい!俺手伝う!」
百目鬼「貴様は座ってろ!」
檸檬にニヤニヤされながら、フィッティングルームにマキと2人で入った。
マキは、女になりすますために、ブラジャーを着けていて、パンツもお揃いの白模様の女物、だから、前が少しもっこりして見えた。
ぶっちゃけ。俺は、人がつけてる女物の下着を初めて見た。
俺は根っからゲイで、女に興味が無かったから、生の女の裸なんか見たことない。
ゲイだから女性ものの下着にも興味が無い。だが、マキの真っ白な下着のその姿に、ドキッとした。
危ない。
首を振って意識をそらし、壁にかかってるドレスを見た。
ドレスも初めて見る。持ってみようとしたら、かなり重たかった。
百目鬼「重た…」
ハンガーにかかっていたドレスを手に持つと、それはズッシリしてて、とても着るものとは思えない。
百目鬼「こんなの着たいのか、女ってやつは」
マキ「ふふふ、百目鬼さんはこういうの興味ない?」
百目鬼「俺は女の着るものなんか興味ない」
マキ「そっか…」
ドレスからは、レースが垂れ下がり、気をつけないと踏んでしまいそうで、これこそスタッフの人にやってもらうべきことだろうと思いながら、マキのウエストにタオルを巻き、ドレスを着せ、ファスナーを上げた。
マキ「百目鬼さん見て見て♪♪」
マキは純白のドレスを嬉しそうに俺に披露する。
百目鬼「見てる見てる」
俺はマキのドレス姿をまともに見ずに、横目で見て返事した。
本当、マキは女装を嬉しそうにしやがる…
女装趣味なんじゃないだろうか?
マキ「えへへ♪」
マキは何だか幸せそうに笑った。
百目鬼「何だ気持ち悪い」
マキ「僕たちの結婚式みたいだね♪」
ニマニマしてるマキは、可愛らしいが、可愛くない冗談だ。
百目鬼「アホか、ウエディングドレスは女が着るもんだろ」
マキ「じゃあ、僕は白のタキシード着たほうが良い?」
百目鬼「おい、何の話をしてる」
マキ「結婚式の相談♪♪」
百目鬼「アホか、変なこと考えるな、仕事だぞ」
マキ「仕事だけど…、
……ために……もん…」
ボソボソっと言うもんだから聞こえず、眉を寄せきき返す。
百目鬼「あ?」
マキは、ヘラヘラっと笑ってしまった。
だけど、仕事中なのは本当だから、今は構ってやれないし、俺は別にマキに女装して欲しい訳じゃない、普通でいて欲しいだけだ。
マキ「ううん、何でもない、スタッフの人呼んでいいよ。お仕事お仕事♪」
百目鬼「ああ」
俺がフィッティングルームを出るため、ドアを開けたその時。
マキは、胸元の羽根籠ネックレスを握りしめ、独り言のようにぽそっと呟いた。
マキ「……………。初めては、百目鬼さんに…見てもらいたかっただけ………」
ッ‼︎‼︎‼︎
スタッフ「お済みですか?」
百目鬼「…ッ…ああ」
フタッフに声を掛けられ、目の前に檸檬と杏子もいるのが見え、我に返った。
スタッフがフィッティングルームに入り、最終確認。
檸檬と杏子はフィッティングルームを覗き込んでた。
俺は、ふらふらと近くの椅子に座り込み頭を抱えた。
危ない…
危なかった…
声を掛けられなかったらヤバかった
ドアを開ける前だったら…
俺は今……危なく……
スタッフ「苦しいところはございませんか?サイズはいかがでしょう?」
檸檬「うわっ!マキちゃん超綺麗!」
杏子「まぁ、本当の花嫁さんみたいですね」
マキ「えへへ♪。僕って何でも似合っちゃうからぁ♪♪♪」
危なく、マキをぶち犯すところだった。
駄目だ…
タバコ、タバコを吸って落ち着こう…。
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