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〔裏番外〕狂愛♎︎純愛22
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百目鬼「帰れ」
冷たく言い放つ。
これが精一杯の優しさだった。
マキ『お休み中ごめんなさい。昨日は、本当にごめんなさい』
声で凄んでも、睨みつけて脅しても、マキが怯まないのは、こういう時は不都合以外の何物でもない。
マキ、帰れ!今はその悲しげな声も表情も逆効果だ。
百目鬼「今すぐ帰れ、今、矢田はいない」
帰ってくれ、俺がお前に酷い事をする前に…
マキ『本当にごめんなさい百目鬼さん。僕、百目鬼さんを守りたくて、つい体が動いちゃって…、でも、もう二度としない。言い付けはちゃんと守るから、許してください。また、お仕事手伝わせて』
何が動いちゃっただ!お前に庇われて俺が喜ぶとでも思ったか!!
百目鬼「駄目だ、帰れ」
マキ『…百目鬼さん、ドア開けて、顔見て謝らせて』
やめろ!そんな声で俺の名前を呼ぶな!
今お前に会えば、絶対罵倒して鎖につないで朝まで犯すに決まってる。
お前はそれでいいかもしれないが、俺は良くない!
百目鬼「その手には乗らない」
マキ『…百目鬼さん、ごめんなさい…』
マキ…頼む、俺の正気を奪わないでくれ、頼むから、セックスで有耶無耶にしないでくれ、俺は狂いたくない。
ーコンコン
マキ『百目鬼さん…、百目鬼さん…。ごめんなさい…』
やめろ!帰れ!今のお前には、大事な奴が自分のせいで怪我したかもしれない恐怖は分からない!
マキ『ごめんなさい、百目鬼さん…。もうしません』
何度もそう約束したくせに…
お前は約束を守らない…
そんなんでどおやってお前を守る。こんな関係でどおやってお前を笑顔にしろってんだ。
俺といれば、多少は危険な目に合う。暴走して乱暴に犯しちまう。だけどマキは、それを楽しんで、何でも首突っ込んで犠牲的で…
また、あんな目に…
このままなら、別れた方がよっぽど安全で、笑っていられるんじゃないか?
賢史『おー、おー、こりゃイイもん見れた』
突然、マキではない、愉快そうな声が響いた。
賢史『女王様の切なげにロミオを呼ぶ声か?
振られたなら俺がお相手しましょうか?』
マキ『賢史さん…』
百目鬼「ぁあ!?賢史?!」
バン、とインターホンを叩きつけ、通話が切れた。
駄目だ、別れたとしても賢史は駄目だ!
玄関に飛んで行こうとしたら、床の水滴に足を滑らせすっ転んだ。
百目鬼「クソッ!」
賢史の野郎!!
転んだ拍子にバスタオルがすっ飛び、立ち上がった俺は。頭を拭くのに使ってた手ぬぐいを掴んで玄関に飛び出した。
ードドドドッ、ガチャンッ!!
飛び出した玄関先には、マキの肩を抱いた賢史がいた。
百目鬼「けぇんしぃー!!てめぇー!!」
賢史「ブッッ!!神、なんだその格好!」
俺は、無意識に、手拭い一丁の全裸、髪も体もビッショリ濡れた裸足で、玄関先に飛び出してた。
マキが顔を真っ赤にし。
賢史が大爆笑した。
賢史「ギャハハハハッ!!」
百目鬼「チッ!」
笑いたきゃ笑え!そのいやらしい手で、マキに触るんじゃねぇ!!例え俺とマキが別れても、テメェにだけは渡さない!!
マキを取り返そうと手を伸ばしたら、賢史がヒョイッとマキを肩に担ぎ上げ、俺から奪った。
マキ「ギャッ!落ちる!階段!」
賢史「女王様借りるぜ、神!」
賢史は笑いながらマキを担いで階段を下りていく。
百目鬼「おい!!」
駄目に決まってんだろ!!このエロ賢史!!
ゲラゲラ笑う賢史は、マキを攫って出て行った。
あのクソ野郎!!
流石の俺も、外まで裸では追えず、煮え滾って床を踏み鳴らしながら服を着た。
シャワー上がりの濡れ髪を手で何度も搔き上げて、万が一があっては困るので、先手で知り合いのラブホの受付に電話して、半径1キロ以内のホテルのチェックインを調べさせ、以前賢史がマキを連れ込んだホテルに直行した。
賢史は、マキを気に入ってる。
あの、何をしてもしぶとく笑顔のマキを。だからこそ危ない。マキの魔性にやられたとかじゃなく、賢史はヘラヘラ笑うマキを気に入り自ら絡みに行ってる。賢史はああいうのを虐めるのが大好きだ。マキを泣かしたいんだ。そんなこと絶対させてたまるか!マキの涙は俺のもんだ!
賢史はマキを好きなわけじゃない、あいつはマキを笑顔には出来ない!
なのに、なにホイホイついてってんだマキの野郎!
結果ホテルは空振り、他のホテルにも入った様子はない。そこでハタと気がついた。
1番可能性の高い場所があった。
俺はすぐにソコに向かった。
勢い良く扉を開け放ち、中に入ると、菫の店の人間が一斉にこっちを見た。
俺の濡れ髪に私服姿にギャーギャー騒がしくなったが、そんなのどうでもよかった。
俺の視線の先には、悠然とソファーに腰掛け、傍にマキを抱き寄せる憎たらしい賢史と。
その賢史に肩を抱かれてフルーツを摘んでるマキの姿だった。
頭の中で、ブチブチ音が聞こえる。
マキは、こうなると分かってて賢史に着いて行ったのかもしれない。
俺が怒ると分かってて。
それじゃなきゃ、無視する俺より、賢史の方が良くなてかのどっちかだ。
煮えきった俺の火山はもう抑えることが出来ずに、爆発した。
百目鬼「賢史!」
賢史「14分…、意外に早かったな、ホテルに連れ込んだとは思わなかったんだな」
百目鬼「半径1キロのホテルはもう調べた」
賢史「さようですか」
百目鬼「賢史、何度も言うがマキは先生様からの預かりものなんだぞ!」
マキ「…」
賢史は聞く耳もたず、それで?ってな具合にニタニタしやがるし、マキは肩を抱かれたままでいやがる。
百目鬼「マキ、てめぇーもこんな時間にホイホイついて行きやがって、後で覚えてろよ」
ギロッと睨見つけると、マキの瞳がみるみる期待感に色を変える。
やっぱり、俺を怒らせたかったんだ!
この淫乱やろう!
あの穏やかな恋人らしい時間も、ずっと物欲しそうに俺を見てやがった。
理解したんじゃない、こうなるチャンスを待ってたんだ!
マキはあの恋人らしい時間じゃ不満だったんだ…
恋人の時間に納得してもらえない事も…
ナイフの前に飛び出した事も…
年配の男と抱き合っていたのも…
賢史にホイホイついていくのも…
最近モヤモヤする気持ちも、何も全部渦巻く感情に混濁して弾け飛んだ。
マキ「ギャッ!」
気が付いたら、菫の店じゃなくて、俺の自宅の寝室のベッドにマキを放り投げ覆いかぶさってた。
百目鬼「お前はできれば誰でもいいんだな!」
爆発した言葉は、その意味も気持ちも語る事なく、片っ端から投げつける。沸騰して何をしでかすか分からない俺は、いつも頭が真っ白になってキレるのに。なぜか今はハッキリとマキの表情が見える。
マキは、必死に否定した。
マキ「ッ違う!」
百目鬼「セックスしたいっていつも顔に書いてあった!ずっと不満だったんだろ!」
マキ「ッ!!」
百目鬼「簡単に賢史について行きやがって!肩抱かれて呑気にデザート食べて、今夜慰めてもらうつもりだったんだろ!!」
顔を引きつらせたマキは、苦しそうに眉を寄せた。
マキのその表情に、怒りとは別のものが湧き上がる。
百目鬼「そんなにヤりたいなら相手してやる」
マキの服を剥ぐと、その体は拒絶するどころか、期待感に桜色に染まり、触れた場所はどこもかしこも喜ぶように震えやがる。
マキ「あっ…」
百目鬼「チッ!もう完勃ちじゃねぇーか糞が…」
先から蜜を溢れさせ、ヒクヒク震えるマキのモノは、下着を濡らして淫らに俺を誘う。
やっぱり、怒って狂わせてセックスしたかったんだ、この体は乱暴にされて喜ぶ体なんだ、俺の望む穏やかな愛情より、セックスを望んでやがる。
望み通りぶち込んでやる!
マキ「…や…」
百目鬼「あ?」
マキの瞳が揺れ、顔をそらされた。
怯えたように、俺を征し、震えた唇から言葉が漏れた。
マキ「…いや…」
は?
マキ「…いやだ…シたくない…」
初めての拒絶の言葉に、思考が停止した。
いや?嫌ってなんだ?こんなに濡らして勃たせといて嫌って…
マキ「僕…百目鬼さんと…」
俺と、シたくない…?…
俺とは、シたくないって事か!?…
ーブツッッ!!
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