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〔裏番外〕狂愛♎︎<純愛7
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マキと別れてから2ヶ月が経とうとしていた。
外は、ジリジリとした暑さが続き、さすがにスーツに穴があきそうなほどだ…。
マキは、修二たちの所にいるから安全なはずなのに、マキが襲われる悪夢を見るようになった。
シュチュエーションは様々だが、色んな奴がマキを狙い、俺と関わったせいだと言う。
しかもご丁寧に、かなりマキの性格がリアル。
マキは、犯されても泣き叫んだりしない、大抵魔性面してヘラヘラしてるか、薬に狂わされてるか…、マキは苦痛も何もかも呑み込んで笑う。まるで泣いたら負けだと言うように…。
俺の腕に戻ってきても、その笑顔は崩れない。瀧本の時と同じように、なんでもないふりして俺に笑いかけて来やがる。笑顔でごまかすマキも、薬でイカレたマキも最後は、俺がその手で絞め殺す。俺は賢史に逮捕され、そして、むつや奏一に罵倒される。むつは相変わらずギャンギャン吠えるし、奏一はほら見たことかと言ってくる。中でも1番堪えたのは、奏一が過去について言うこと事。
目が醒めるたびに、現実じゃない現実じゃないと唱える。
修二の所にいるんだ、もし何かあれば連絡してくるはず…。修二の所にいるんだ…。無闇に顔を見には行けない…。
俺が迎えに行くと決めた途端こんなものを見るなんて、やっぱり迎えに行くべきじゃないってことなのか?
そんな悪夢が繰り返す中、一人だけ同じ言葉をを繰り返す奴がいる。
不思議だが、同じ事を言われてるのに、何度も見てるうちに、それは俺を責める言葉じゃない気がした。
修二が出てきて、必ず同じことを言う。
修二『百目鬼さん、マキをちゃんと見て』
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百目鬼「マキを…見る…?」
それは一体どういう意味なのか…。
奏一に殴られた時、奏一には、『マキの何を見てた…』みたいな事は言われた。あとは、マキが奏一に一体何を言ったか知らないが、マキが盛るのは、思春期なんだから…好きな人にそうなるのは当たり前だ…と…。
そんな事言われても、俺の思春期は、我慢の連続だった。我慢して我慢して、一人で処理するばかりだった。それに…、誰かと付き合うのは、マキが初めてだ…。
賢史に聞いてみた。
賢史「は?。高校の頃どのくらい彼女とヤッたか?お前、知ってんじゃん、ハハッ、ほぼ毎日だよ」
賢史に聞いた俺がバカだった。
修二の時は、付き合うっていうのは程遠いい。一応真似ごとはしたが、修二は俺といて楽しそうじゃないし、大抵は話題がなくて、俺から、最近はむつとどうなったか聞いてやる。むつの話をしてる時の修二は、俺に申し訳なさそうにしながら、本当に愛おしそうにむつの話をしてくれた…。むつの事を腹立たしく思いながら、結局、俺と修二の間にむつがいる事でしか俺たちはバランスを取っていられなかった。俺は修二に惹かれながら、奏一の影を見て、修二は自分がゲイである悩みとむつへの片想いの戸惑いを俺で解消していた。まさにセフレ…。半年前肌を重ね俺は修二を手放せないほど好きになったのに…。修二の気持ちはブレなかった。そこが悔しくもありながら、そんな修二が好きだった…。
檸檬に聞いてみた。
檸檬「えっ?高校くらいの時?そんな、1ヶ月に一回くらいかな?お互い実家っすよ?1ヶ月に一回でもいいほうっすよ」
まぁ、それもそうだ…。
杏子に聞いてみた。
杏子「百目鬼さん、セクハラです」
すまん。
矢田「百目鬼さん百目鬼さん俺にも聞いてください!!」
煩いので矢田にも聞いてみた。
矢田「俺は、俺は、……すいません。彼女とかいませんっした」
アホは放っておこう。
雪哉「え?思春期にどうしてたか?俺はね、高校の時の担任とめくるめく世界を…」
聞くやつを間違った…。
雪哉「おいおい、聞いといて酷くない?そりゃ、担任と秘密の関係に初めてMに目覚めたけどぉ。真面目に答えるよ。フェラだけの日もあったけど、週に2回から3回」
……。
みんな答えがバラバラだ…
いったいどおすりゃいい?
マキを…ちゃんと見る…
今のマキは何を思っているだろうか?
俺に腕時計を買った時の気持ちは、もうなくなってしまったかもしれない…
俺は、マキが諦めるように、酷い言葉で泣かせたのに…
(むつ『マキは泣き虫だ!!今も泣いてる!てめぇーが好きだって泣いてるんだよ!』)
そうだ…、マキは泣いてばかりだった…。
付き合う前は、泣かない奴だったのに、俺と付き合ってから、いっぱい泣いていた…。
俺が…それだけ酷い事ばかりしたって事なんだな…。
マキはいつも、声を殺して涙を流す。悲しい泣き方ばかりさせた…。
俺は、マキを泣かせてばかりだ…。
大事にしたかった…のに…。
どおすればいい?側にいれば泣かせてばかりで…、離れても泣いてるなんて…。俺はどおすればいい?
溝呂木を逮捕してもらうまで、側には戻れない…、その間に、マキの気持ちが別に向いてしまったら?
溝呂木逮捕まで、マキが俺を思い続けてくれたとして…、俺はマキを泣かさないように出来るのか?
マキは、俺が迎えに行ったら、自己犠牲を止めるのか?
…分からないことだらけだ…。
マキ…
お前は今どおしてる?
今もその望みは変わらないか?
俺が迎えに行ったら喜ぶか?
お前を、泣かさない自信がない…
お前を、笑顔にしてやる自信がない…
俺の気持ちをお前に話せば、お前は引くかもしれない…
気持ちを口にしたら…
きっと俺は止まれない…
俺は我慢してたんだ…
あれぐらいが普通の距離だと言い聞かせて
ずっと我慢していたんだ…
お前は、恋愛すら…いや、恋愛こそ自己犠牲の愛だ。自分を犠牲にして相手に合わせることが普通だと言わんばかりだ、どうしてそんな恋愛の仕方なんだ。初めて出会った時も、修二の代わりにしろと妖艶に微笑んだ。…お前の初恋が関係あるのか?お前は、母親の代わりをしたと言っていたな…、俺が見た今の清史郎は、お前を愛してるように見えた…、今は変わったのか…?、あれでマキを通して母親を見てるのか?
マキも…付き合うのは初めてだと言った…
それが本当なら、マキも、付き合うという事に戸惑いがあるのか?
あいつのSEXや人を誘導するような慣れ具合が、どおしてもそうゆうのを隠すのがうまい…。
マキは10も年下でっていうのも、時々諭すみたいなこと言われてると、忘れちまう。
ガキだガキだと分かっていても、あいつはいつも、知った風にヘラヘラして、人の感情をうまくコントロールする。
どんなに子供でも青くても、心理学を勉強してるだけあるってことか?
いつの間にか、待ち受け画面に変わっていたマキのウエディングドレス姿。
よく考えれば、マキの写真はこれしかない…。
そして…
俺の部屋のどこを見渡しても、何度もうちに泊まったはずのマキの痕跡が…、半年も付き合ったはずなのに、俺の部屋には、ぬいぐるみ以外、マキの痕跡がない…。
ぬいぐるみも、俺へ買ったんだから、マキのものではない…。
となると、マキの物は…、半年も付き合ったのに、何度も泊まったのに、何一つない事になる。
よくよく考えれば、修二と体の関係があった昔は、修二の着替えやなんだと置いてた気がする。修二の時は、しょっちゅう連れ込んでヤッてたから、そういうものが必要だった。
よく考えれば…、今は仕事があって忙しいのもあるが、事務所の上に自宅があるのに、マキとはそんなに会ったりヤッたりしてない…。だが、俺としてはギリギリのラインだった、あれ以上会ったり、触れ合ったりすれば、見境なくなってしまいそうだし…何より、連れ込んで監禁してしまいそうだった。
マキは大学に入りたてで色々ある。
そう言い聞かせて、俺なりに自粛したつもりだ…。
そうやって頑張っていたつもりだったが、半年付き合った結果、本当のマキは見せてもらえず。
別れた今になって腕時計が現れ…
そして、今…
マキの痕跡は何もない…
何度も一緒に食事をしたのに…
何度も一緒に眠ったのに…
ハブラシの一本も…
コップの一つすらも…
マキはいつも、お泊りセットを持って歩き、下着や部屋着の一枚すらも、置いて帰ったりしなかった。
マキがそうしなかったのもあるかもしれない…
だが…、
俺が、無意識のうちにマキを、俺の空間に入れてなかったってことなのか?
腕時計は、
独占欲の現れ…
同じ時を生きたい…
と、
願いが込められる…
〝百目鬼さん、お誕生日おめでとうございます。百目鬼さんが生まれ出会えた事に感謝を込めて、また来年もお祝いさせてください〟
ああ、
あれは…
来年も
俺と一緒に居たい
って事なのか…………
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