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〔裏番外〕狂愛♎︎<純愛27
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あの時の雪哉のドヤ顔……。
『ね♪マキ様素敵でしょ』とでも言いたげに自慢しているようだった。
説明と言われても、俺の頭の中はいつもぐちゃぐちゃで説明のしようがないし。雪哉とどうだったかと聞かれても、結局雪哉とはマキの話をして最後にはマキの事しか考えられなかった訳で……
別れると言ったのは俺なのに、マキと離れてる間、お前のことばかり考えてたとか言える訳がない。
結局説明できずにいた俺に、マキは、フッと目を柔らかく細めておかしそうな嬉しそうな、何を思ったのか分からないが、笑った。
マキ「ふふ、実はね。雪哉さんから聞いちゃったんだ。百目鬼さんのSEXは僕専用に調教されてたって♪」
雪哉、お前がマキ信者なのはよく分かったが、それを言っちまうのか……。
百目鬼「…聞いてたなら、わざわざ聞かなくても…」
マキ「雪哉さん、言ってたよ誰彼構わず噛み付く獰猛な猛獣はいなくなっちゃってたって。ほら、変われてたじゃん」
百目鬼「…お前相手に変われてない、お前を乱暴に扱いたくないし優しくしてやりたいのに、結局キレちまう…」
マキ「いつも気持ちいいし♪、優しいよ♪情熱的で嬉しいのに」
百目鬼「そう言うのはお前だけだ…」
マキ「ふふっ、僕だけでいいでしょ?これからは僕としかシないんだから」
マキの発言に少し驚いた。目から鱗。
クスクス笑うマキはそっと俺の手を握り、その真っ直ぐな瞳で俺を見つめた。
マキ「雪哉さんがね言ってたよ」
雪哉『あの猛獣は昔、頭とっちらかってて不器用で誰彼構わず噛み付いてたけど。今は子犬ちゃんみたいに手懐けられて生温いやり方しかしなくなったんだ。酒で意識飛んでマキ様の名前を呼びながら、だんだんと猛獣の姿に戻ったみたいだけど、あの猛獣は甘噛みを覚えた、噛みつかないように教えられ、主人には本気で甘えられるように調教されてた。マキ様だと思い込んだ後のあの甘ったるいやり方、あんなネチっこく甘える神見たの初めてで、俺、笑っちゃって萎えちゃったよ』
マキ「って…」
あのバカ!あのバカ!!
一体何をマキに吹き込んでやがる!!
あいつは常識あるやつだと思ってたのに、なんだ!俺とシた時の話をマキにするなんて何考えてるんだ!!マキが嫌な気持ちになるとか考えないのか!?
おれのパニックをそよに、マキは悪戯っぽく楽しそうに笑う。
マキ「ふふっ、百目鬼さんはどんな風にネチっこく甘えたの?」
子供っぽい悪戯っ子から妖艶な色香を放つ大人の顔に変わるマキは、楽しそうにも見える。
百目鬼「ッ、だから!記憶は殆どなくて」
マキ「百目鬼さんは、僕でヌいたりする?」
百目鬼「はッ!?」
マキ「僕の事考えたりした?」
妖しい笑みで楽しそうなマキ、いつもと立場が逆だ。こいつ楽しんでやがるのか?それとも怒ってるのか?
百目鬼「そんな事答えるわけないだろう!」
マキ「じゃ、雪哉さんのこと考えたの?」
大げさにシュンとしたマキは、もうぺちゃんこに潰れたんじゃないかと思うほど猫耳をうな垂れて落ち込む。
百目鬼「違う、雪哉に恋愛感情はない。あいつはいい奴だけど、雪哉は虐められたいマゾだし。俺は乱暴になるが大事な奴は大切にしたい、雪哉とはそこの折り合いが付かない。セフレならいい、お互い割り切ってるから泥沼にならないだろうと2人で納得の上で関係を持ってた」
ショボンとうつむくマキが、視線だけあげて、ワザと上目使いで潤む瞳で聞く。
マキ「将来、どっちも売れ残ってたら付き合うって雪哉さん言ってたよ」
百目鬼「…そうゆう話は確かにした。お前と会う前だ。俺の暴走が治らなければ、俺はきっと大事な人を作れない、雪哉は性格的には気は合うし、どうせ暴走するなら、雪哉にならと思って、確かに酒の席で口約束した。でも、雪哉と約束した。お互い、誰かが心の中にいるうちはやめようと…」
マキは、俺の手の甲にそっとキスをして、妖艶に微笑んだ。
マキ「百目鬼さんの心の中には誰がいるの?」
答えは分かりきってるだろ。
じゃなきゃ、俺もお前も今一緒にいない…。
百目鬼「…それを言わせるのか…」
マキ「…聞きたいなぁー…」
可愛らしく小首を傾げ、どんな答えが返ってくるか分かりきってるから、マキは艶やかな笑みを浮かべる。
マキ「…百目鬼さんの心には大切な人がいるものね。…修二や奏一さん、殿堂入りの特別枠」
百目鬼「…」
そう言ったマキの瞳は僅かに揺れ動く。
マキの中で、この2人のことはきっとこの先残る問題だろう。
修二にも奏一にも、もう恋愛感情はない、だから気にするなと言っても、きっと気にする。マキは人の心に敏感だ、修二や奏一に恋愛感情はないと言っても、俺の中で特別な感情はある。大事だったり、罪悪感だったり、そして、〝最大に嫉妬する相手だから…〟、だから、なんとも思ってないとは言えない。言えない限り、マキは、俺が2人に恋愛感情があるんじゃないかと気にしてしまうだろう。
俺のことを信じて欲しい。
俺はそんなに器用じゃない。
俺は一つのことしか出来ない。
1人しかこの心に入れられない。
俺を信じろ…。
信じてくれ…。
百目鬼「マキ…」
願いを込めてその細い体を抱きしめた。
俺の手は壊してきてばかりだ。
何一つ大切に出来ない。
俺は不器用で、お前が傷つかない上手い言葉も言い回しもできないし、気の利いた嘘も付けない。
だけど、これだけは言える。
百目鬼「確かに特別枠はある。だが、俺は一つのことしか出来ない、同時に何もかも守れやしない、俺は一つのことで精一杯だ…」
マキの不思議な色のジュピター色の瞳が俺を写す。
現実の世界では奏一に
夢の世界では修二に言われた通り
マキをきちんと見つめ、その本心を取りこぼさないように。
マキは、余裕そうに妖艶な魔性を演じてるが、俺が抱きしめると何度も瞬いて動揺を隠そうと必死にしている。
その僅かな瞳の揺れを
その瞬いた分の驚きと不安を
この先は見逃さない…
どうか俺を信じてくれ
修二と奏一は、大事だけど、俺は2人に一生償うけど。
お前を渡す気はない、一生のライバルだ。
だから、俺の腕の中にいろ
これからずっとこうやって優しく抱きしめると誓うから…
百目鬼「心の真ん中は、お前だけだ…」
その瞳に真っ直ぐに…
お前だけだと誓う…
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