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38〔裏番外〕ゆくえ……
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俺のバースデーパーティーが始まった。
ドンチャン騒ぎがしたいだけのオカマ共と矢田が好き放題騒いでる。
俺は美味しい料理と酒が飲めればいいので、騒ぐ奴らを放って酒盛りを楽しむ。
いつも毎年のことで大して違いはないのだが…
今年は、俺の隣にマキが居る。
それだけが、何だかソワソワするような、ムズムズするような、何だがよくわからんが落ち着かない。
菫ママ「ジャァーン!神君お誕生日おめでとう!私からのプレゼント♡」
菫が手渡してきたのは、高級そうなシックな箱に50YEAROLD、DALMOREと書いてあるものだった。
百目鬼「ダルモアッ!?」
菫「超レアもの見つけちゃったの♪ウフフ♡」
百目鬼「マジッ!!こんな高いものいいの!?」
菫「知り合いに安く譲ってもらったものだからいいのよ。それに…」
菫は、俺の隣にいるマキを何とも言えない優しい顔で見つめて微笑んだ。
菫ママ「節目の色々なお祝いだからね。やっと大人の仲間入りしてくれて、私嬉しいわ」
百目鬼「俺は10年前から大人だが?」
菫ママ「んまぁー!、そういう頭堅いところは子供のままだけどね」
菫の言いたいことが分からなかった訳じゃない。昔から俺を知ってる菫は、母親のような気持ちでいてくれてることも重々分かってるし、誰より感謝もしてる。だが、俺よりガタイの良い青ヒゲ目立つ和風オカマの菫に、今更大勢の前で改まって感謝の言葉を述べるほど小っ恥ずかしく抵抗のあることはない。
この野太い声に、菫の細やかな気遣いに、いつもどこか安心して、誰より親身に説教してくれる小うるさい、家族のような存在。信頼おける仲間で、親愛なる兄貴…いや、姉貴……だ。
そんな風に思い出を思い返していたのに。それをブチのめす発言をする男がいた。
これも俺を誰より助けてくれる親友なんだが…
賢史「ダルモアも良いけども、神の場合、マキ様にわかめ酒(アダルト)やって貰えば最高の記念なったんじゃね?」
わか………………。
(ピンポンパンポーン)
(説明:わかめ酒アダルト版。とは、裸の人を正座させ、股間にお酒を注いで、陰毛が浮いている様)
菫ママ「あらやだ、私としたことが、今からでも間に合うかしら」
百目鬼「菫!!賢史!!てめぇーらこの腐れ外道が!!」
賢史「天使マキ様にはさせられないってか?」
賢史はソファーの後ろから俺の首にまとわりついてニヤニヤしてきやがる。
賢史だけでも面倒くさいのに、隣のテーブルの矢田が参加してきた、
矢田「わかめ酒やって貰うって??」
百目鬼「てめぇーは黙ってろ矢田!!」
矢田「はひ!!」
マキ「わかめ酒っていうのはね…」
百目鬼「マキー!!貴様も黙れ!!」
何でお前がサラッと答えようとするんだ!!
ハッ!?まさかやったことあるとか言わないよな!?
マキ『ふふ、僕のわかめ酒飲んで♪ソーセージも入ってるけど食べちゃダメだよ♪、ふふ♪、そんな慌てて飲まないで、まだまだいっぱいあるから♪、飲むなら僕のピンクの果実を通って滝のように注いであげる。アン♪果実は嚙っちゃダ〜メ、ソーセージが大きくなってお酒からはみ出しちゃう、アッ、アッ、…あん♡上も下も同時だなんて…お酒が溢れちゃうよ…あ〜ん♡』
ーバキッ!!
矢田「ヒィー!は、箸が、お、おお折れ…」
賢史「ギャハハハハハ!!」
賢史は爆笑しているが、矢田と檸檬と杏子は〝わかめ酒〟を知らず首をかしげる。
檸檬「わかめ酒…わかめ酒…」
百目鬼「檸檬!!携帯で調べんじゃねぇ!!」
檸檬「えー!」
百目鬼「えー!じゃねぇ!!」
やはり、今年もワチャワチャと煩い賑やかなパーティーだ。
烏磨「まったく、お下品な人達ですね…」
1人だけ、この空気に染まらない品の良い弁護士様が呆れ顔で、切り分けたケーキを運んできた。
百目鬼「烏磨」
烏磨「どうぞ、貴方と茉爲宮優絆君の分ですよ」
烏磨は、お盆の上からカットされたケーキの乗ったサラを俺とマキに手渡した。最後の皿を自分の分にして、マキの隣に座ったが、その烏磨の分のケーキが俺の倍の大きさがあった。
百目鬼「おい…、お前何でそんなデカイの持ってんだ」
烏磨「運んできた特権ですね」
百目鬼「普通大きいのを主役に渡さないか?」
烏磨「おかわりならならまだありますから、たんとお食べなさい」
百目鬼「お前が作ったんじゃないだろ偉そうに…」
我が物顔の烏磨をジトッと睨むと、隣でマキが自分の分の皿を俺に差し出した。
マキ「百目鬼さん、これも食べて良いよ♪」
百目鬼「そりゃお前の分だろ、いらねぇよ、お前が食え」
マキ「あーん、してあげようか?」
百目鬼「やったら摘まみ出すぞ」
マキ「ふふ、もう、我儘さんだなぁ…」
どっちがだ!!
マキはクスクス笑いながら、皿の上のケーキを一口自分の口に運んだ。
マキ「んーー♪♪美味しい♪フルーツいっぱいのレアチーズケーキ♪♪♪」
パァアア♪っと花咲く笑顔で喜んでるマキは、ほっぺが落ちそうと頬を押さえてケーキを堪能する。
マキは幸せそうにパクパクケーキを頬張っては、オーバーなほど美味しいと喜んだ。
良かった。マキが気にいると思って雪哉にリクエストしといた甲斐があった…
賢史「…」
烏磨「…」
俺がマキの喜ぶ姿に気を取られていたら、賢史と烏磨が俺たちを見てからお互い視線を交わした。無言のこのやり取りに、どんな意味があったのか、俺は知らない。
雪哉「キャー♪マキ様ぁー♪お代わりいっぱいあるからねぇー♪♪」
マキ「雪哉さんこれすっごい美味しい♪♪お代わりするねぇー♪♪」
お前らは女子高生か!?
百目鬼「おいマキ、飲み物が無くなりそうだが次は何飲む?」
マキ「やだ、百目鬼さんは今日は主役だよ、ゆっくりしててよ♪百目鬼さんのからじゃん、何飲むの?」
百目鬼「ああ、俺は菫に貰ったやつを…」
マキ「僕が注ぐね♪」
百目鬼「ああ、烏磨にも入れてやってくれ」
マキ「うん♪♪」
普段と逆に世話を焼かれて、何だかムズムズする。くすぐったい?マキに酒を作ってもらうのは初めてじゃないのに、何だか今日は、むずがゆくて仕方ない。これはどんな気持ちなんだろう?
マキ「烏磨さんは何で飲まれますか?」
烏磨「せっかくだから、ロックで」
マキ「ハイ」
烏磨「…元気そうで良かった」
マキ「あはは、その節はお世話になりました」
烏磨「百目鬼から聞いてるかもしれないが、もうほとんど終わってるから、君は安心して」
マキ「本当ありがとうございました」
烏磨「知り合ったのも何かの縁だ、それで、コレ、私の名刺です。相談事があったらいつでもここの携帯にかけてきて」
マキ「ありがとうございます」
烏磨「例えば、百目鬼が毎晩激し過ぎてしつこくて壊れそうとか…」
弁護士の仕事をしてるのかと思いきや!滅茶苦茶とんでもないこと言ってくる烏磨、お前も同類だ!このお下品弁護士!!
百目鬼「烏磨ぁああ!!」
烏磨「DVとか、愛が重たいとか」
百目鬼「おい!!」
烏磨「何でも相談してきて良いからね」
烏磨の野郎、まったく俺の話を聞きゃしない。
マキ「百目鬼さんは、優しいですよ」
烏磨「優し過ぎて困るでも構いませんよ」
マキ「あはは、確かに困ることもあるかな♪」
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