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溺愛6
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幸せな幸せな毎日。
こんな日々が続いたら、本当に戻れなくなる。
こんなに、分かりやすい独占欲と優しい愛情につつまれて、それが当たり前になったら…
僕の普通になってしまったら…
もう二度と…
前の自分には戻れない…
マキ「んーーー」
鏡の中の自分のをジッと見つめても、納得できる変化は見られない。
だけどみんな言うだ…
つよし「マ、マキさん、さっきっからどうして鏡ばかり見てるんですか?」
マキ「ねぇねぇつよし、僕って、変わった?」
みんなに言われる。
〝変わったね〟って。
だから、隣にいるつよしに聞いてみた。
つよし「…。ええ凄く綺麗になりました」
マキ「僕って前から綺麗じゃない?」
つよし「そういう意味の綺麗とは違いますね」
つよしは、普段オドオドしてるくせに、時々真っ直ぐ瞳を見つめて答えることがある。
…でも、今日はたまたまかもしれない…。だって、つよしは前髪を一つに結んでちょんまげみたいにしてる。だから、エメラルドグリーンの綺麗な瞳が、ちゃんと僕と視線を交えた。
つよしが前髪を上げてるのは理由がある。
ここが、むつの経営するお店だから。
むつ「つよし、マキにツッコめよ!自分で綺麗とか言うなって」
つよし「で、でで、でも、マキさん綺麗だし」
今日は、むつのお店に来ていた。
つよしにユリちゃんと一緒に会おうよってメールしたら、翌日直ぐに会うことになった。せっかくだから、むつのお店に寄って、ユリちゃんにむつを紹介することに。
1人で経営するマッサージ店はワンルーム。室内はシンプルで、壁紙なんかは華南にやってもらったって自慢してた。相変わらず仲良しのむつと華南と修二、今だにラブラブだし、3人で出掛けるし、毎日シなくてもイチャイチャだし、本当に羨ましい。ああいう自然な生活を、神さんは望んでるんだろう…。
…。
もう少し、僕の気持ちが落ち着くまで待ってほしい。
だって、あんな告白を聞ける日が来るとは思わなかったから、4日たった今も、思い出すだけで心臓がドキドキして、下半身がジンジン痺れて疼く。夢なんじゃないかと何度も思ったけど、何度も瞬きしても、何度も神さんの腕を確認しても、何もかも、痕跡だらけ…。
僕の体に残る、無数の紅い跡も…。
目に焼きついたオーロラ輝く星空も。
あの時誓うと言ってくれた言葉に痺れた鼓膜も。
唇に残る、緊張で乾いたカサカサしたの感触も。
その手に握らされた未来の誓いの書類も。
僕があげた腕時計も…
全部全部現実で…
神さんは、あの日から甘いし、いつもぬくぬくで…
前と違って、ちょっとした触れ合ってる時間が増えた…
テレビ見てる時…、ご飯食べてる時…、すれ違う時だってわざわざ頭だったりほっぺだったり撫でてくれる…
むつ「あーあ、またトリップしてニヤニヤしてるよ。そんなに百目鬼がいいなら俺のとこなんか来ないでイチャイチャしてりゃーいいじゃん。あんなののどこがいいんだよ」
不機嫌になったむつが、フンッてそっぽを向いちゃったけど、むつはむつでだいぶ昔と変わったし、成長した。
以前だったら不機嫌になったら怒って大変だったのに、自分の店を持つと、しっかり接客を忘れずにこなしてる。
むつは、お客のユリちゃんの腰を揉みながら、足へと進み、口ではいろいろ言いながら、手はちゃんと動かしてる。
むつ「力加減大丈夫ですか?」
ユリ「んん〜、凄く気持ちいい…寝ちゃいそう…」
むつ「…随分と足が張ってますね」
ユリ「足を綺麗に見せるのに、ヒールの高いのばかり履いてるから…。ところで、むつ君は百目鬼さん嫌いなの?あんな奴って?」
ユリちゃんは、神さんに興味津々。
マキ「同族嫌悪だよ。むつも百目鬼さんも相手に真っ直ぐな人だから、ただ、若さが違うから、むつは止まらず突っ込むし、百目鬼さんは慎重になっちゃうから、お互い考え方が逆なんだ」
むつ「同族!?あんなのと同じにすんなよ!マキのこと何度も泣かしやがって!好きなら好きで抱きしめてやりゃいいのに、あいつグダグダ言い訳並べてばっかではっきりしなかったんだぜ。俺はそんなことしない、好きなら好きだってちゃんと言うし、寂しくないように抱きしめて離さない!」
神さんも、昔はむつみたいに恐れ知らずだったんだろうな…。真っ直ぐで熱すぎて、制御の仕方がわからずその灼熱の愛情でお互いに大きな傷を残した。
ユリ「ふふ、本当だ、若い若い。…大人になるとそんな風に真っ直ぐは言葉にできないのよね…。臆病になるのよね。私は百目鬼さん素敵だと思うけどな、マキちゃんが服買ってもらったって喜んでる姿を、凄く優しい目で見てたし、私を見て〝こいつマキのなんだ〟って睨んじゃうとことかすっごく可愛いじゃない」
!…。
マキ「ユリちゃん…、百目鬼さんみたいな人がタイプなの?」
ユリ「んー、そうねぇー。私は単純に、細い草食系男子より、ガッツリ肉食系でビックサイズが好きってだけかな♪」
つよし「ユリちゃんお下品…」
ユリ「ふふ♪しょうがないのよ、私はずっとオランダにいたんだから、日本って可愛らしい子がいっぱいいるなぁって思っちゃうし、サイズも小っちゃいし」
つよし「ユリちゃん…」
呆れたつよしが頭を抱え、むつは自分のことを言われたみたいにムスッとしてる。
僕は…なんだか…
ユリ「まぁ、キャバでバイトしてると、なんだか冴えないリーマンや、変にお金持ってる男とかばっかだからさ。百目鬼さんがとても誠実で紳士的な人に見えたのかも、だって、マキちゃんへの愛に溢れてて、見ててウキウキしちゃう♪」
マキ「えっ…」
ユリ「マキちゃんもこんな可愛らしくなっちゃって、人をいい方向に変えられる人間と出会うなんてきっと運命よ♪マキちゃん本当、数年前に日本に来た時と随分と雰囲気違うもん、すっごい綺麗♪」
マキ「…ユリちゃんの方が綺麗だよ」
ユリ「んふふ♪ありがとう」
正直で真っ直ぐで…、自分を磨く事に真剣なユリちゃん…
そんなユリちゃんの瞳はキラキラしててとても綺麗…
とても綺麗なエメラルドグリーン…
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