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ー芽生えー2
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雪哉さんの店のケーキを持ってきてくれた神さん、白い箱に、季節のケーキが4つ、雪哉さんのケーキはどれも本当に美味しそう。
メイちゃんとつよしがケーキを選んだら、神さんが「お前はコレだろ」って僕の目を付けてたケーキをお皿に取ってくれた。
えへへ♪バレちゃった♪
神さんは3人分のケーキを配ると、残りの1つを冷蔵庫に閉まっちゃった。神さんは甘いものが大好きなのに…、給湯室の冷蔵庫前にいる神さんの側に行ってこっそり聞いてみた。
マキ「神さんはケーキ食べないの?」
百目鬼「…あぁ、これは矢田の分だ」
あっ、そっか、つよしが急に来たから、一個足りなくなっちゃったんだ。
今日は杏子さんと檸檬さんは居なくて、矢田さんと神さんだけ。
マキ「じゃあさ、僕と半分コしよう♪」
百目鬼「…俺はいいから、さっさと食え」
マキ「じゃあ一口。ね♪」
百目鬼「雪哉のケーキならいつでも食べれる」
甘いもの大好きな神さんと一緒に食べたくて言ったのに、神さんは僕がからかったと思ったのか、小さく溜息ついて、頭をくしゃくしゃってしてきた。
ボサボサにされた髪で仕方なく席に戻り、ケーキを食べ始めると、なんだかメイちゃんとつよしが僕を見ながらソワソワしてた。
マキ「どうしたの?」
メイ「…いえ、仲良しなんだなぁーと…」
メイちゃんとつよしは視線を交わして2人して恥ずかしそうに笑ってた。どうやら、神さんが僕の頭をくしゃっとしたのを見て照れてるみたい。
メイ「それに、百目鬼さんがあんな風に変わるとは思ってもいなくて…」
マキ「変わった?」
メイちゃんは、僕と出会う前の神さんを先生から聞いて知ってる。まあ、仕事で依頼の話をする程度で、挨拶くらいだったらしいけど。
メイちゃんも変わったって言ってくれてる。
ほら、みんなに分かるほど神さんは変わったんだよ。もう、昔の神さんじゃない。神さんももっと自信持てばいいのに。
メイ「そりゃあもう、全然違いますよ。目尻なんか下がりきっちゃって、マキのこと本当に大事にしてるんだなぁっていうのが全体から溢れてるっていうか」
すると、横で聞いてたつよしが一言。
つよし「マキさんも変わりましたよ。百目鬼さんと一緒だと、とても可愛らしいです」
…。
恥ず!…
年下のつよしにはっきり言われると、恥ずかしい。
マキ「ふふ♪僕は前から可愛いでしょ♪」
ヘラヘラ笑ってかわしたと思ったら、無垢なつよしは意外と強かった。
つよし「前とは違う可愛さですよ」
真面目に返しちゃダメでしょ!つよし!!
いつもみたいにどもりなさいよ!!
ーコンコン
誰かが、事務所のドアをノックした。神さんがドアを開けると商店街のお婆ちゃんが和菓子を持ってやって来た。
「お菓子持ってきたよ、神ちゃん」
商店街の人たちは、前は、百目鬼事務所を避けていたけど、僕がこの事務所に来て商店街をウロウロしていろんな人とお話しするようになってから、この一年で少しずつ仲良くなった。やっぱりみんな、ヤクザか住んでると思ってたみたい。それから、百目鬼さん達が、お年寄りのために何でも屋に近いことをしだし、今は、お婆ちゃん達が、差し入れと雑談をしに来るまでになった。
お婆ちゃんに優しく話しかける神さんの姿を、メイちゃんとつよしが眺めてる。
神さんは誤解されやすい、言葉が乱暴で声が大きいけど、心は優しい人。それをうまく表現できないだけ。
お婆ちゃんが帰り、メイちゃんも帰るというので、僕はつよしと少し外に行くために一緒に一階に下りていった。
すると、商店街の方から賢史さんがやって来た。
マキ「あっ!賢史さん♪」
賢史さんに会うのは久しぶり。
手を振ったら、賢史さんがからかう気満々の顔して笑ってたから、先にからかってやることにした。
賢史さんと神さんは、矢田さんにキスしてたと誤解されたという話を思い出したから。
マキ「また大好きな百目鬼さんに会いに来たの?」
悪戯っぽく笑う僕に、賢史さんはニヤニヤ怯まない。
賢史「よぉ、女王様。リア充だだ漏れでツヤツヤしてんじゃねぇか」
マキ「ふふ♪いいでしょぉー♪」
賢史「毎晩朝まで激しくて離してもらえなくて噛まれまくって、足腰ガクガクでベッドから出てこれないんじゃないかと心配してやったのに」
いつもの調子の賢史さん、でもなんだか疲れてる?、ちょっと不機嫌気味なのに、口はいつも通り下品。
だから忘れてた。メイちゃんとつよしがいることを…。純情組は顔を真っ赤にしてオロオロ。
マキ「うふふ♪毎晩朝まで離してはもらえないし、足腰立たないけど、僕が大学には行けるように激し過ぎないようにセーブしてるつもりなんだって。今の百目鬼さんは全然猛獣さんになったりしてないのに、まだ気がつかないみたい、不器用過ぎて可愛いでしょ♪」
賢史「神で満足できなかったらいつでも相手してやるぜ」
マキ「ふふっ♪僕は百目鬼さん専用だから賢史さんの形は合わないよ♪」
僕の返しにいつも通りエロオヤジな返答する賢史さん、だけどいつもの余裕の笑みはなくて、なんだか微妙な表情。
賢史さんそういえば、パートナーいないんだっけ。
僕、賢史さんにはお世話になったし、相手がいるなら協力するけど…。
賢史さんの相手になってくれる人いるかな?
賢史さん欲求不満なのかな?
マキ「そうだ賢史さん、つよしが賢史さんにお礼とお詫びをしたかったんだって」
賢史「は?お詫び?」
僕が話をふったら、つよしが急に緊張しだした。
ビクビク縮こまる小動物つよしが、申し訳なさそうに賢史さんに深々謝り出した。
つよし「こ、こないだは、ユリちゃんが失礼なこと言ってすいません、あ、あと、肩は大丈夫でしたか?」
つよしのアネ、元男のユリちゃんは、とても女らしいニューハーフ。本当の女の子になりたい人だけど、とても姉さん肌でやんちゃです。
マキ「あはは♪ウケる♪賢史さんドロップキックされたんでしょ♪」
賢史「随分楽しそうだな、ただのドロップキックじゃないぞ、ハイヒールが刺さったんだぞ」
あらら、ハイヒールは痛いよね。
つよし「すいません!すいません!」
賢史「いや、そんな謝んなくても大丈夫だよ、本人にも謝ってもらったし」
つよし「す、すいません!ユリちゃんは本当は優しいんです、ぼ、僕がこんなだから、少し過剰反応してるだけで」
賢史「過剰反応してるのは…性格…だけじゃ無いよな。イジメにもよく合うんだろ」
つよし「ッ!?」
えっ?
賢史「あの時お前を殴ったのは同じ学校の奴らだろ」
つよし「ダメッ!!」
つよしが力のあまり入ってない手でグイグイ賢史さんを押しながら黙らせようとしたが、賢史さんは話を続けた。
あはは♪僕、つよしからそんな話聞いてないなぁ♪
マキ「けー♪んー♪しー♪さん?その話ぃー♪くわーしく教えて欲しいにゃ?」
賢史さんに詰め寄って天使のような笑顔で微笑むと、賢史さんが僕の反応に驚いてた。自分で爆弾を放り込んだくせに、まずい奴に聞かれたって顔して後ずさる。
逃がさないよん♪
賢史さんの上着の襟元に、スルリと指を絡めて、艶めかしく鎖骨下をなぞって襟を握りしめる。
賢史さんの好みの女王様の顔してニッコリ艶やかに笑ってあげた。
つよし「ぎゃー!!マキさんはダメです!!」
マキ「ふふ♪やだぁー♪隠し事ぉー♪僕寂しいなぁ♪一緒のお布団で〝抱き合って〟寝た仲なのにぃー♪」
つよし「だだだだ抱き合ってません!マキさんが勝手に僕を抱き枕にしただけじゃないですか!」
ワタワタ慌てるつよしを放っておいて、賢史さんにまたニコニコ笑いかけ、妖艶な仕草で誘ってみた。
マキ「賢史さん僕とお茶でもどーお?」
賢史「そんなお色気ムンムンで誘ってきて、さっきは形が合わないとか言わなかったか?」
マキ「形が合わなきゃお話もしてくれないの?お話に見合ったお礼はできると思うけどなぁ♪」
つよし「マママッマキさん!やめて!」
艶かしく絡みつき、賢史さんの喜ぶようにやってあげてるのに、迫られて困ってる賢史さん。結局本気じゃないんだ。
逃げられそうもないと悟った賢史さんは苦笑いで強がった。
賢史「ふーん、良いねぇそれ」
さて、洗いざらい吐いてもらいましょ…
百目鬼「良くねぇッ!!!」
突然の落雷。
鬼の形相で現れたのは、僕の可愛いティーカッププードルの神さん。
あは♪
めっかっちゃった♪♪
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