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ー芽生えー7
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翌日。
華南の事が気になったので、酔ってる時の事をメールしたら、速攻で電話が来た。華南は何を話したかハッキリ覚えてはいたけど、僕にこぼしちゃったことをすごく後悔して恥ずかしがってた。話を聞いてあげるよって言ったら、忘れてくれって言われちゃった。
水臭いなぁ、僕とダーリンの仲じゃんって可愛こぶりっ子で言ったら、「それ、百目鬼さんに聞かれたら誤解されるぞ。今、仕事が大変たから、マジ忘れて」って情け無い声で言われたから、今は引くことにした。
電話を切った後、ハート付きの絵文字で一言添えておいたけどね。
〝いつでもデートするよ(o´罒`o)♡〟
送信、っと。ふふふ♪。
携帯片手にニヤニヤしてたら、急に後ろから、僕のうなじに付いてる神さんの噛み跡を何かがつつつぅーっとなぞってきた。付いたばかりの噛み跡は、小さな痛みと甘い疼きが一瞬走って思わず小さな声が漏れた。
マキ「んっ…」
大学内だということを思い出し、ヤバッて睨むように振り返ったら、そこには顔を真っ赤にして固まる人物が3人立ってた。
マキ「…礼ちゃん、みみちゃん、…氷室威さん」
慌ててヘラヘラしてみたけど、僕のうなじを触ったらしい礼ちゃんは、人差し指を出したまま、真っ赤な顔して申し訳なさそうに謝る。
礼「…………なんか、ゴメンなさい」
マキ「ふふ♪礼ちゃんのエッチ♪」
大学内で油断した僕の責任だ。
タートルネックで隠してたキスマークと歯型、だけど、前屈みで座ってメールしてたから、後ろに立ってた礼ちゃん達からは見えちゃったみたい。
うなじの歯型を触られて、僕が漏らした小さな喘ぎ声。僕に〝彼氏〟がいるのを知ってる礼ちゃんとみみちゃんは如何わしい想像をしてしまったみたいで、顔を真っ赤にして僕と視線が合わせられないみたい。
そして、事情は知らないけど僕の色気にやられちゃった氷室威さん。
氷室威さんは、固まった空気を変えようとして顔は赤いままぎこちなく笑い出した。
氷室威「ハ、ハハッ、なんつー声出すんだよマキ」
マキ「ふふ♪可愛かった?」
氷室威「かわ…つーか、こいつらより遥かに色っぽかったし」
こいつら、と指差したのは、目の前の礼ちゃんとみみちゃん。
マキ「ふふ♪僕って2人より色気たっぷりでしょ♪」
僕が可愛こぶりっ子で可愛くポーズしたら、やっと覚醒した礼ちゃんとみみちゃんが氷室威さんに抗議する。
礼「ちょっと!氷室威さん!そりゃマキちゃんは色っぽいけど…」
みみ「そうだよ氷室威さん、そんなハッキリ言ったら礼ちゃんが可哀想だよ」
礼「そうよ!私が可哀想よ!……って、ミィちゃん、なんで私だけなの」
みみ「あ、バレた。あはは」
相変わらず息ぴったりの礼ちゃんとみみちゃん、阿吽の呼吸でこの場の空気を和ませる。
今の時間から、僕らは同じ講義を受ける。
4人が同じ席に並び、ノートと筆記用具を出し、自然と今日の講義内容の話になった。勉強熱心で成績優秀の近寄りだかい存在。僕らの方を周りはチラチラ見るけど話しかける人は居ない。
最近まで、僕は誰ともつるまないでいたし、礼ちゃんとみみちゃんは普段は賑やかな腐女子だけど、授業態度はまじめだし、成績は上から数えたほうが早い。もちろん氷室威さんも成績上位。ただ、変わったサークルに入ってるので、浮いた存在。そんな氷室威さんに勧誘されて、僕らは同じサークルに入った。
講義が始まる寸前、僕の携帯がポケットで震えた。
見てみると、神さんからのメール。
《今晩は何が食べたい?》
と短いもの。
ふふ♪、神さんってば毎日僕の食べたいもの聞いてくる。なんかかんか理由を作ってメールしてくるのは、付き合ってから毎日のこと。神さんは葛藤人間だから、しつこくないかと気にしてはいるみたい。だけど気になって仕方ないのか、今のほうが頻度は上がった。僕は、神さんのメールを見るたびにあったかい気持ちになるから嬉しいだけなんだけどね。
礼「マキちゃん、顔がにやけてるよ」
マキ「あら♪ゴメンなさい♪」
礼ちゃんがこっそり注意してくれ、僕はヘラッと笑って携帯をポケットにしまったら、隣でみみちゃんがコソッと耳打ちしてきた。
みみ「百目鬼さんから?」
マキ「うふふ♪そうだよ♪」
みみちゃんが、嬉しそうだねって僕と一緒に笑ってたら、氷室威さんがみみちゃんの向こう側から参加したいって身をの仕出してきたけど、僕らは内緒♪ってクスクス笑い合った。
氷室威「何々?もしかしてマキちゃんの彼女からメール?」
マキ「うふふ♪ひーみーつー」
みみ「だよねー♪」
みみちゃんと視線を交わして笑うと、氷室威さんが「俺だけ仲間外れ?」ってイジケたのを見てさらにみんなで笑ってた。
友達を作るってこと、それを修二達から学んだ。
僕は自分がトラブル体質なのをよく自覚してる。
高校の時は、泉がいたから自由にしてたけど、大学には知り合いが居ないし、僕なりに目立たないようにしてたつもりなんだ。
まぁ、黒のカラコンしたって、眼鏡かけて地味な服装したって、僕の美貌はあふれちゃうんだよね♪。
僕は早く大人になりたい。
早く大人になって神さんの隣に立てる人間になりたい。
勉強熱心に教授に質問してたら、変な噂が流れた。
まぁ、どうでもいいんだけどね。
大学入学当初は1人で居たけど、夏休み明けから仲良くなった礼ちゃんとみみちゃんと氷室威さんは、なかなか面白いし話も弾む。
それに、礼ちゃんとみみちゃんに百目鬼さんとの事を話したから、更に仲良くなった気がする。
そんな風に声を出して笑う僕らを、周りが珍しいものを見るように僕らをチラチラ見てる。
始業チャイムと共に、教授が入ってきてみんなが姿勢を正してお喋りが減った時、みみちゃんが僕にそっと耳打ちしてきた。
みみ「…マキちゃん、あの…百目鬼さんのところに、相談したい事があるんだけど…」
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