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(裏)ー芽生えー5
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3人にジッと見られて身動きが取れない。
俺の味方だったはずが、一瞬にして1対3とか…
百目鬼「待て待て!落ち着け、話がややこしい」
菫「ややこしくないわよ!説明しなさいよ!」
質問者はマキのはずなのに、菫がヒートアップしやがるから圧が凄い。こいつ自分の体型考えろよ、190越えのゴジラみたいな顔しやがって髭は真っ青だしこえーんだよ。
百目鬼「だから仕事だって!」
とにかく黙れと菫を座らせて、威圧感を排除し。
俺のお腹に張り付いてうるうるした目で見つめてくるマキに向かって可能な限り優しく問いかける。
心の中で呪文を唱えながら…
ミケに話しかけるように
ミケに話しかけるように
百目鬼「マキ、なんでユリと一緒にいたのを知ってる?」
〝ユリ〟と聞いた瞬間、マキがビクッと肩を震わせて顔をくしゃくしゃにして俯いた。
だが、マキの正直な瞳を逃すわけにはいかない。
俺はマキの両頬を掴んで俺の方を向かせて真っ直ぐ瞳を見つめた。
百目鬼「ん?」
マキ「……、見てました…」
百目鬼「見てた?……、!、お前ッ!あの時間は学校だろ」
思わず声が大きくなると、マキの瞳に涙が溢れ出す。
慌ててもう一度呪文を唱えて仕切り直すように優しく問いかけ直す。
百目鬼「分かったから、泣くな。見てたって?どんなところを見たんだ?」
マキ「…、神さんと…ユリちゃんが…駅で待ち合わせてから…」
最初っからじゃねぇか!!!
マキ「…ファミレス入って…」
しかも翼に会ったのもバレてやがるッ!
マキ「…ユリ…ちゃんと…手…繋いだり…腕組んだりして…買い物…」
あれは引っ張られただけだッ!!
マキ「ランジェリーショップに入っ……」
はぁあッッ!?
ランジェリーと聞いて菫が悲鳴を上げ、賢史が呆れたように「マジ?」って声を漏らす。
違う違う!!
俺は慌てて大声で否定する。
百目鬼「入ってねぇ!んなとこ入るわけねぇだろ!」
ハッ!しまった、ついつい大声を…
見るな見るな!俺は嘘は言ってない!
全力で否定するも、怒鳴った事が裏目に出て、マキが怯えて俺から後ずさり、その瞬間菫に掻っ攫わられた。
百目鬼「菫!マキを返せ!」
菫「嫌よ!ランジェリーショップってなんなの?!」
あぁ、頭が痛い。
なぜ俺はこんなことになってる。
百目鬼「だから、入ってないって。聞けよ、俺は仕事をしてたんだ。とある仕事をするのに、ユ…、ユリさんに協力してもらった、そのお礼に少し相談に乗ったんだ、日本人受けする服を教えて欲しいって…」
マキ「…」
マキの表情は変わらない。
信じてない?
百目鬼「それで、俺はファッションに詳しくないって話した。俺が知ってるのは、マキの年齢に流行ってるものを本で見て知ってるくらいで、俺自身は流行りに詳しくねぇし、センスも無いって話したんだ。そしたら、マキに選んでやった服を見る限り、すっごいセンスあるって…、『自分のセンスでマキに似合うと思う服を選んでみて、私が見てあげるから』って言われて、無理やり引っ張られて店を連れまわされた。そしたらたまたま通りかかった下着屋で聞かれたんだ、『日本人はやっぱ真っ白なのが好きなのかな』って。それだけだ!入ってねぇーよ」
菫は怪しいって顔して見やがるし、マキは表情変わんないし、賢史はジトッとこっち見やがるし!
本当に仕事の延長で!!
マキ「…、みみちゃんの依頼のこと?」
百目鬼「マキ、悪いが仕事の内容は答えられない」
マキ「………うん」
あーもー!なんでそんな悲しそうな顔するんだ!?
仕事だ!守秘義務だ!
それに、その件に関わったらマキはもっと傷つく。
百目鬼「信じられないか?」
ミケに話しかけるように
ミケに話しかけるように
優しく話しかけてるつもりなのに、俺の表情は相反して、口角がピクピクする。
マキはでっかい瞳をうるうるさせたまま、自分が悪いと言いたげにへにょっと表情が歪む。
マキ「ううん、仕事だって分かってる。最初っから分かってた…、僕が勝手に嫉妬しただけ…、僕の我儘だから…、ごめんなさい」
だぁーーーー!!
百目鬼「ッ、ごめんなさいって顔じゃねーだろ」
マキ「ごめんなさい…」
どんなに優しく話しかけても、マキは菫の腕の中で縮こまる。
百目鬼「ユリさんとは何でもないし、引っ張られただけだ、買い物には付き合ったけどお礼だったし、下着屋なんか入ってない、入るわけないだろ、女もんの店だぞ」
マキ「うん。…ごめんなさい…」
だぁあああーー!!!
シュンとすなぁーーー!!!
心の中で頭をかきむしり、どうしていいか分からずにいると、マキの味方に寝返った菫がこちらをジトッと睨みながらマキの頭を撫で出す。
菫「マキちゃんは謝る事ないのよぉ、寂しい気持ち私も分かるわぁー、やーよねー、いくら仕事でもイチャイチャされちゃあ」
マキ「…神さんは…、真面目で優しいんです」
菫「まぁあ、なんて健気で可愛いのぉ!」
菫の大きな体が細っこいマキを抱きしめる。まるで熊に襲われて潰れるんじゃないかって構図だ。
百目鬼「菫、離れろ」
菫「やぁよ」
その時だ。
ーグゥゥゥー
菫の腕の中で、マキのお腹が鳴った。
恥ずかしそうに顔を赤くしたマキは、完全に酔いが回って理性がどっかに行っちまってて、涙をためた大きな瞳を恥ずかしそうに細めてへにゃっとしたったらずに照れ笑う。
マキ「えへへ、そう言えば、お昼、しゅーじの家で食べたきりだぁ…」
菫「まあ!大変!今すぐ美味しいもの作ったげるから待っててね!」
菫の大きな巨体が風のようにキッチンに消え、マキはソファーに残された。これで解放されたと思ったら、今度は賢史が近づいて、ポケットから何やら取り出した。
賢史「ほら、取り敢えず、これでも食え」
マキ「………飴だぁ。ありがとう、けぇんしぃさん」
へへっと小さい子みたいに笑うマキが、賢史から飴玉の入った小さな袋をもらった。その幼い表情に賢史は少し驚いたようだったが、直ぐに何やら悪い顔してマキの隣を陣取って座る。
マキは完全に酔ってて、小さな袋が開けられず、それを賢史が優しく横から手を伸ばして開けてやる。
賢史「ほら開いた、口開けろ」
マキ「あーん」
コラコラコラ!!!!
マキは餌付けされる動物みたいに、賢史から飴を貰い、口に入れた瞬間、歯に当たってカラって音がした。
それが、何故か非常に卑猥に感じてイラっとする苛立ちを奥歯で噛み殺す。
今怒鳴ったら、和んだマキの空気が壊れる!
マキ「…ん…、へへ…りんごぉ♪」
賢史「………………、あー、分かるわぁ、これはヤバいなぁ、そりゃ閉じ込めたいわなぁあ」
フッと笑った賢史が、目を細めて少し後ろに身を引く。その反応はからかってるというより、あてられそうで困ったといった感じで…。
クソッ!クソッ!
離れろ!!
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