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お仕置き⑥
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カッターナイフの刃が、ギラギラと光りながら、コウタの口に近づく。
コウタは、恐怖で身体の震えが止まらなくなった。
「ハァ ハァ あァ… ハッ ハァ 」
息なのか声なのか、分からない音が コウタの喉の奥から上がってくる。
怖い…。
コウタの額に置かれていた湊の左手が、下に移動してコウタの目をふさいだ。
視界を奪われたコウタは、さらに恐怖でガクガクと震えた。
怖い… 怖いよ…。
嫌だ。 怖い…。
湊さん… 湊さん…。
恐怖で全身を震わせながら、それでも、湊の命令どおりに、口を大きく開いて舌を精一杯伸ばしているコウタを、湊は、心底可愛いと思った。
ピンク色の可愛い舌がピクピクと痙攣している。
「いい子だ。じっとしてろ。」
コウタの舌の中央右端にナイフの刃がグッと押し付けられ、それは左にスーーーっと移動した。
「あーーーーーーーーーっっっ」
コウタの初めて聞くような大きな声が部屋に響いた。
湊がカッターナイフを舌から離して、口の中から取り出すと、コウタは口を開けたまま身をよじって叫び声を上げ続けた。
「あーーーーっっっ あっ… あっっ… 」
「こらっっ 暴れるな。危ないだろうっっ。」
湊は、カチカチと素早く刃をしまって、カッターナイフ床に落とすと、湊の下で、ジタバタともがくコウタの両肩をきつく押さえつけ、コウタの動きを封じた。
コウタはそれでも、半ばパニックのようになり、首を左右に振ってもがき続けている。
「はぁっっ あぁぁっ はっ はぁっ 」
「コウタ。大丈夫だ。大丈夫。もう、終わった。痛いのはもう終わりだ。」
恐怖か痛みか分からないが、涙でぐちゃぐちゃに濡れた顔で身をよじるコウタに、湊は、なだめるようにキスを落としながらささやいた。
「もう終わったから。…な。もう、いい。頑張ったな。」
「うぅぅぅ… ック… あぅうっっ みなとさ… 」
「あぁ。 俺はここにいる。大丈夫だ。…頑張ったな。偉かったぞ。」
「はっ あぁぁっ… ック… 」
「大丈夫だ。 力を抜け。もう、いいから。…な? 深呼吸だ…。」
「は はい 。 は…あ… ハッ ハッ ハァ… みな…と…さ。 こわ…か…た。 こわ… こ こ こ…わか…った…よ… 」
「そうだな。怖かったな。分かってる。でも、もう、終わった。もう、怖くない。言ってみろ。もう、終わった…。」
「…は はい。 おわ…た。 も…こわ…く…な ない…。はい。 ゆる…し…て… みなとさ… 」
口をパクパクさせながら、湊の言うことを、自分に言い聞かせるように必死に繰り返しているコウタは、殴りつけたいほど可愛い。
「あぁ。許すよ。当たり前だろう。コウタは頑張ったんだから。」
「ゆ… る す…??」
「許すよ。許す。」
湊さん。良かった。
許してもらえた…。
湊の許しの言葉に安心して、コウタはようやく呼吸が楽になった。
コウタが落ち着きを取り戻すと、湊はコウタを押さえつけていた手を緩めた。
湊は、汗で額にべっとりと張り付いたコウタの髪の毛をかき分けて、そこにチュッと音を立ててキスをした。
その瞬間、コウタは、珍しく嗚咽を漏らして泣きだした。
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