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ゲスト⑧
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「それじゃあ、私は、向こうで見学させてもらうよ。」
亨が奥のソファの1つに座ると、湊はコウタの髪の中に指を入れながら言った。
「ゲストを迎える準備をしよう。せっかく似合ってるけど、とりあえず、服はいらないな。」
湊は、そう笑いながらコウタのジャケットを脱がせると、空になっているチェストの1番上の引き出しを開けて、そこにそれを入れた。
「…湊さん??」
コウタは、驚いて湊をまじまじと見上げた。
もちろん、服がいらないと言われたことにじゃない。
湊がコウタの服を脱がせようとしていることにだ。
いつもは 「全裸」とか「脱げ」などと短く命じられて、コウタは早替えでもしているかのように、できる限り素早く、着ているものを脱ぎ捨てる。
湊の気が変わらないうちに…と、1秒でも早く、やり遂げる。
少しでもモタつくと、懲罰だ。
それが、いつものやり方だった。
「今日は誕生日だからな。特別だ。俺が脱がせてやるよ。」
湊は笑いながら、細い指をコウタの喉元に伸ばし、シャツのボタンをはずし始めた。
湊さん…。愛してる…。
シャツが剥ぎ取られ、湊の手が、コウタの胸元にそっと触れた。
あぁ… 湊さん…
コウタの身体がピクンと震え、吐息が漏れた。
「まだ、早いぞ。行儀よくしろって、言っただろ?」
「っはぁ… ごめ…んなさい。」
コウタは湊にたしなめられて、懲罰としての平手打ちを覚悟したが、湊はクスクス笑いながらそっと頰に触れるだけで、コウタに痛みを与えることはしなかった。
その時、部屋の奥で、亨が、笑いを噛み殺している気配がして、それがコウタの熱を急速に冷めさせた。
そうだった…。
あの人がいる。
湊さんと、ふたりきりじゃないんだ…。
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