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準備①
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「あれ? 遅かったか?」
最初に入ってきた30代の男が、腕時計を見ながら、湊に尋ねた。
「いえ。先に準備をしておこう思って…。間に合いませんでしたけど。」
湊は苦笑いしながら答えた。
湊がこの男に向ける笑顔から、この男も湊ととても親密な関係であることが想像できた。
「そうなんだ? 残念。脱がされてるとこ、見たかったな。」
そう言って、男がコウタの裸の身体を柔らかく見た。
この人は… 温かい。
この人は、好きだ。
なぜだか、コウタは、そう感じた。
「夏樹さんってホント… マニアックですよね。脱がされてるとこ見たいなんて、意味分かんない。」
「なんだよ? だって、今日、初めてだろ?怯えながら脱がされてるところ見たいじゃん。」
「あはは。こいつは怯えてませんよ。怯えるどころか、気持ち良くなってたもんな?なぁ、コウタ?」
コウタは、赤面して下を向いた。
そんなこと、わざわざ言わなくてもいいのに…。
コウタは、自分の失態を暴露され、うつむいたまま固まった。
「あはは。気持ちよかったんだ? 脱がされて?それ、なおさら見たかったな。残念。もうちょっと早く来れば良かった。 …えっと コウタくん?今日はよろしくな。」
夏樹は、乾いた笑い声を上げて、コウタの肩を力強く叩いた。
夏樹の明るい笑い声は、コウタの気持ちをふわりと包み込んだ。
やっぱり、この人は… 好きだ。
「おっ…と…。 たしかに、気持ちよさそうだな。」
夏樹に笑いながら指さされたコウタの下半身では、コウタのものがほんの少し膨らみを帯びていた。
コウタが、慌てて両手でそれを隠すと、湊がその手を痛いほど強く掴んだ。
「コウタ。」
湊の凍りつくほど冷たい声が、静かに響いた。
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