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試練⑨
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コウタは、床に敷いた夏樹のセーターに顔を押し付けて、嫌だ、嫌だと泣きじゃくっている。
それなのに、蕾はヒクヒクと動いて、夏樹を求めている。
面白いな、この子は。
しばらく泣かせて、泣き疲れたところで、中を確認しよう。
それでダメなら、今日はここまでだ。
そうなれば、この後泣かされるのは、俺だな。
まぁ、それはそれでいい。
しかし… おそらく大丈夫だろう。
傷はついていないはずだ。
痛がってる様子もない。
その時は、もう一度最初からやり直しだ。
次は、厳しく言い聞かせて、抵抗なんか少しもできないようにしてから、すばやく済ませればいい。
そう思った時、コウタの身体が一瞬浮き上がったかと思うと、次の瞬間には、夏樹の目の前にぐったりと横たわっていた。
コウタはもう、ピクリとも動かず、泣き声も聞こえない。
その脇には、怒りを抑えられないように、荒く息をして肩を上下させている湊が立っていた。
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