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補習⑩
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コウタの声は虚ろだが、意志は感じる。
大丈夫だ。
「偉いな。よく言えたな。」
夏樹は、コウタの額にそっと口づけた。
その瞬間、コウタは、ヒックヒックと泣き出した。
今のうちに泣いておけばいい。
泣くのは悪いことじゃない。
気がすむまで泣いて、泣いてもどうにもならないことがわかったら、諦めて目の前の現実を受け入れるだろう。
少し時間がかかるかと思ったが、コウタは、思ったより早く泣き止んだ。
夏樹の胸に顔を押し付けて、二度大きく深呼吸をすると、顔を上げて夏樹を見上げた。
「夏樹さんの、好きにしてください。」
泣きすぎて赤く腫れた目は、写真に残しておきたいくらい、可愛い。
「あぁ。準備できたか? じゃあ… どこから始めようか…。そうだな… 少し鞭で打とう。その方が、君も楽に身体を手放せるだろう?」
「…はい。」
「鞭で打って、それから、今度こそ挿れる。君が俺に身体を委ねれば、すぐに気持ちよくしてやる。約束するよ。」
「…はい。」
「俺はね… 湊より、ずっと上手くできるよ?一度で君を虜にするくらいにな。」
夏樹がクスクス笑いながらそう言うと、コウタは不満そうに口を尖らせた。
「…それは…嫌です。」
「ハハハッッ 正直だな。でも、本当に俺は、夏樹より君を気持ちよくさせてあげられるよ。君も、きっと気にいると思う。」
コウタは、夏樹の軽口で少しだけ気持ちが楽になった。
分かってる。きっと、その通りだ。
この人の言う通り、全てを任せれば、痛いことも嫌なこともなく、気持ちよくしてくれるんだろう。
この人は、きっと気持ちいい。
きっと… いや 絶対に、気持ちいい。
だから、嫌なんだ。
身体が、この人を求めることが、許せない。
湊さん… 俺が愛しているのは、湊さんだけだ。
それなのに、この人に抱かれることが嫌じゃない。
湊さんだけを、愛している。
それは、絶対に間違いないのに。
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