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晩餐⑩
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その夜、時々思い出すように湊を恋しがって泣くコウタを、夏樹はなんとかなだめてベッドに入れて、腕の中で寝かしつけた。
さて… どうするかな。
俺ももう、このまま眠ってしまいたいくらい、今日は疲れたが、湊の様子が心配だ。
それに、亨さんにも、確かめておきたいことがある。
あの人のことだ。きっと、まだ起きて俺を待っているだろう。
だが… コウタをひとりにして大丈夫だろうか?
この部屋にひとりぼっちで、もしも夜中に目が覚めたら、この子はまた泣くだろう。
それは、かわいそうだ。
今夜はもう、充分過ぎるくらい泣いている。
夏樹の胸に顔を寄せているコウタの髪をそっとかきあげてみたが、コウタは少しも起きる気配はなく、静かな寝息を立てている。
今夜は、こんなに長い夜になるはずじゃなかったのに、こうなった責任は、間違いなく俺にある。
朝には、この子を笑顔にしてやりたい。
しょうがない。もうひと仕事しに行くか…。
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