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亨さん①
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最上階の部屋のドアを軽くノックすると、ドアはすぐに開いた。
「遅かったじゃないか。どこに寄り道していたんだ?」
笑う亨からは、酒の匂いがする。
「どこって… 知ってるでしょ?見てたんじゃないですか?」
夏樹がつくり笑いを返しながら部屋の中に入ると、リビングの大きなテレビには、案の定、地下の懲罰室の湊が映っていた。
大画面からは、湊の息遣いすら聞こえてきそうだ。
夏樹は小さくため息をついた。
「ずっと見てたんですか?…好きですね。」
見られているだろうことくらい分かっていたが、こんなに大きく鮮明に映し出されると、さすがにあまりいい気はしない。
「別に、楽しんでいたわけじゃないさ。懲罰中は目を離さないのが、決まりだからな。安全と規律を守るためだよ。」
「監視なんて、亨さんが自分でやらなくても、モニター室がやってるでしょ?」
「そこは、ほら。責任感だよ。私は責任感が強いんでね。」
亨は笑いながら、夏樹をテレビの正面のソファに促した。
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