アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
亨さん③
-
黙ったまま、ただニコニコと笑って亨を見ている夏樹に、亨もちょっと眉を上げて、笑い返した。
「夏樹?こんな時間に部屋を訪ねてきて、無言っていうのは、どういうことなんだ?何か話があって来たんじゃないのか?」
「亨さんが、話したいことがあるんじゃないかと思ったんで、来たんです。俺のこと待ってたんでしょ?」
ソファにどっかりと座って笑う夏樹は、ゆっくりと足を組んだ。
「お前は、本当に生意気だな。…ほら。ハイボールだ。だいたいな、これは、ストレートで飲むのが一番美味いんだぞ。」
亨が、ウイスキーのボトルを持ち上げて夏樹にラベルを見せると、夏樹は肩をすくめた。
「俺は、いいウイスキーをハイボールにするのが、好きなんです。いいものを乱暴に楽しむのって最高に贅沢でしょう?」
「別に、ハイボールが乱暴な飲み方だとは思わないさ。好きにしたらいい。でも、いいものを乱暴に…か。たしかに、お前は、なんでもそうするな…。あの子にもそうしたのか?」
夏樹は、画面の中で眠っている湊をチラリと見てから、亨に視線を戻した。
「コウタですか?…あれ?見てなかったんですか?てっきり全部鑑賞されてるんだと思ってました。」
笑顔とは裏腹に、亨を挑発するような夏樹の態度に、亨は心の中でため息をつきながら、それでも完璧な作り笑いで返した。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
177 / 463