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亨さん⑥
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今夜は、コウタにとって、湊の前で、湊以外の男を相手にする初めての夜だった。
そのことを考えれば、夏樹は、夏樹に服従することをしっかりとコウタに言い聞かせてから、手早くあっさりと済ませるべきだった。
そのどれも、夏樹は怠った。
「俺が、ヘマするってこと、分かってたんじゃないですか?」
「それは… 否定はしないよ。でも、だとしても、それは私が仕組んだことには、ならないだろう?」
「分かってたんなら、先に釘さしてくれるとかしてもいいのに。」
「失敗して、痛い思いして学んだ方がいいだろう?お前も、湊も。 ……あぁ、でも、痛い思いしたのは、湊だけだったな。」
夏樹は苦虫を噛み潰したような顔で、亨をにらんだ。
「はいはい。俺が失敗しました。それで、湊にケツ持ってもらいました。…それで?そっちはどうだったんですか?」
夏樹が、今夜何度目かの同じ質問を繰り返した。
「こっちは… そうだな…。湊は見ての通りだよ。」
亨がテレビを指差した。
画面の中の湊は、よく眠っている。
「せっかく私が、朝まで泣いて反省するくらいの罰を与えたっていうのに… 誰かさんが甘いことするから、台無しだよ。気持ちよさそうに眠ってる。」
「何のことですか?俺は、追加の罰を与えたんですけど?」
「よく言うよ。湊が眠れるように、抱いてやったんだろう?」
「あれ?そう見えました?おかしいな。結構、厳しくしたつもりなんですけど。」
あくまでもとぼける夏樹は、グラスをカラカラと揺らしている。
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