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亨さん⑧
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「……あれは しょうがないだろう? 私が罰を与えても、湊は愉ぶだけだ。…実際、お前が罰だと言っている罰は、湊は罰だとは思ってないじゃないか。」
亨は、穏やかな顔で眠っている湊を指さしながら言った。
たしかに、あれは罰を受けた直後のやつの顔ではない。
愛されて満足したやつの顔だ。
「だからって… 」
納得できずに思わず大きな声を出した夏樹を、亨が制するように遮った。
「夏樹、私はね、お前が思っているよりずっと、湊が可愛いんだよ。…お前が思っているより、ずっとだ。」
…可愛い?分かってるよ、そんなことは。
亨さんが湊をどれだけ可愛がってきたかなんて、誰よりもよく知っている。
1番近くで見てきたんだから。
だから、心配してるんじゃないか。
「…湊は、今夜、飼い主として自分のペットに間違った振る舞いをした。だから制裁を加えた。それだけだ。これ以上、このことについて、ここで今、お前と議論をするつもりはない。」
きっぱりと言い放った亨を、夏樹はジッとにらんだ。
あぁ そうか。
ここでの会話も、オフレコじゃない。
ここでは話せないことがある、ということか。
だったらもう、これ以上ここにいても、寝不足になるだけだ。
「はいはい。分かりました。…じゃあ、俺はこれで…。」
夏樹は、ゆっくり立ち上がった。
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