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佑斗について②
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全く予想していなかった亨の提案に、夏樹はウイスキーを半ばヤケになったように喉に流し込んだ。
「絶対、嫌ですよ。誰が、あんなやつ…。それに、俺がそういうのしないの、知ってるでしょう?」
「そう言わず… 考えてみてくれよ。佑斗のこと、たいして知らないだろう?あいつは、見た目ほど馬鹿じゃないよ?」
「嫌ですってば。面倒なこと、したくないんです。」
「面倒って…。私はお前にここを守って行ってもらいたいと思ってるんだよ。分かってるだろう? お前はもう、そういう立場なんだから。」
冗談じゃない。…そう思って夏樹は舌打ちをした。
夏樹がここにいるのは、自分が楽しみたいからだ。
誰かを育てるとか、ここの運営に関わるとか、そんなことは夏樹には全く興味がない。
亨からは、これまでに幾度となく、現在亨がここで担っている役割のいくつかを引き継いで欲しいと、それとなく打診されたことはあるが、そのどれも、きっぱりと断っている。
唯一の例外は、湊のトレーナーだ。
それだって、本当は気が乗らなかったが、湊はもともと夏樹にとって特別な存在だったし、その湊を他の誰かに任せる気にはなれなかった。
だから、引き受けた。
湊は例外だ。
湊以外の誰かの面倒を見るなんて、そんな煩わしいことをするつもりは、これっぽっちもない。
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