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佑斗について⑤
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序列で言うと、直弟子が孫弟子より上、同じ直弟子もしくは孫弟子同士では、会員加入日が早い方が上、と決まっている。
そういう決まりはなんとなくあるが、そもそも、孫弟子ができた頃には、亨は直弟子を取らなくなっていた。
だから、現在は、子か孫かは関係なく、単純に加入日で序列されているので、問題はない。
しかし、ここで佑斗が亨の直弟子として加入するとなると…少々混乱をきたすだろう。
湊だけでなく、他の孫弟子も全て、佑斗の下ということになる。
他のやつはどうでもいい。
でも、湊をあいつの下に置くのは、我慢できない。
あいつをうちのグループに入れるのなら、あいつは最下位に置くべきだ。
「トレーナーは亨さんじゃなくても、リクか圭介でもいいでしょう?」
リクと圭介は、夏樹と同じく亨に育てられた直弟子だ。
「リクは、もう一人育てたいと思っている子がいるそうだよ。先週、その子に会ったが、素直そうないい子だった。圭介は…今は色々と忙しいからな…。あまり、無理はさせたくない。」
圭介は父親の会社の経営を、この数年で全て引き継ぐことになっている。
そのために色々と動いているが、社内での反対勢力もあって、少々ゴタついていると聞いている。
あんなもの、1度ガツンと押さえつけてしまえば簡単なのに…と、夏樹は思うが、穏やかで対立を望まない圭介は、なるべく穏便に事を運ぼうと腐心しているようだ。
その状況では、たしかに無理はさせたくない。
会社というのは、プライベートでの些細な問題で、足元をすくわれるやつが大勢いる世界だ。
性的な嗜好など、会社の経営にはまったく関係ないが、それを人格攻撃の対象にしようとするくだらないやつは、大勢いる。
だから圭介は、近頃はあまりここで遊んでいないようだ。
それはそれで、ストレスが溜まると思うのだが…。
まぁ、うまくやっているのだろう。
だが、そういうことだから、圭介に佑斗を任せることはできない、ということには、夏樹も納得せざるを得ない。
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