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コウタの朝②
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「はぁっ… あぁぁ… もうっ なんで… 」
ぐったりと横になったまま、恨めしそうに夏樹をにらむコウタの頭を、夏樹はそっと撫でた。
昨夜、遅くまで泣いていたコウタの目は、赤く腫れている。
「目が覚めたら、シャワー浴びておいで。30分後には朝食だ。…みんなでな。」
みんなで…と言われて、夏樹をにらんでいたのを忘れて飛び起きたコウタは、目を潤ませた。
「みんな…? 湊さ… 湊さんも…?」
昨夜はベットに入ってからも、ずっと、コウタは湊を恋しがって泣いていた。
優しくなだめても泣き止まないコウタを、いつまでも泣くなと叱ってみたが、ますます泣き続けるコウタに、夏樹は、朝にはきっと湊に会わせるから…と約束して、どうにか寝かせつけたのだった。
「あぁ。俺と君と…湊と…亨さんだ。ほら。早くしないと、遅れるぞ。…あぁ、君は1人じゃシャワーできないんだっけ? また手伝ってあげようか?」
夏樹が昨夜のことを思い出して、からかうように笑うと、コウタは口を尖らせて手元の枕を夏樹に投げつけた。
「できます。自分で。もうっっ。見ないでくださいね。」
そう言って、バスルームに駆け込むコウタを、夏樹は、この子は本当に可愛いな…と思いながら見送った。
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