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湊の朝④
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「最初からあの子がお前の期待通りにできるわけじゃないんだ。上手くいかないこともあるさ。少しずつ覚えさせればいい。大事に育てなさい。」
こんな、ありきたりの説教しかできないのは、もどかしい。
「はい。」
湊が静かに答えると、亨は握りしめていた拳を緩めて息を吐いた。
そして、2、3歩下がって助走をとると、湊の脇腹を蹴り上げた。
「ウッ グッ グゥゥェッッ 」
ヒキガエルみたいな変な声を出した湊は、身体をくの字に曲げて倒れて、ゴホゴホと咳き込んでいる。
亨は湊を厳しく躾けてきた。
ボロボロになる程の懲罰を科したことも、何度もある。
全身が真っ赤にただれたようになるまで、鞭で打ったことも、顔が腫れ上がるまで殴ったことも。
湊が耐えられずに泣き崩れて、うずくまったまま謝罪を繰り返しても、鞭を加え、立たせて、さらに鞭打った。
立っていられなくなったら、吊るして、鞭を与えた。
たが、蹴ったことは一度もない。
ただの一度も、湊を蹴ったことなどなかった。
大怪我を負わせるリスクがあるからだ。
亨はどんな懲罰も、いつも、愛情深く執り行った。
厳しくするときほど、深刻な怪我を負わせないように、慎重に冷静に行った。
それを思うと、昨夜の湊の愚行は、やはり許すことはできない。
そのことを、湊は理解しただろうか?
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