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浮気疑惑 ①
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「眼を離せばすぐに浮気か?」
吐かれた言葉の意味が分からなかった。
栗色がかった髪をサラリと揺らしながら、山根亜樹は小首を傾げた。
言われた言葉を反芻してみる。
それでも何を言われているのか分からない。
ただ聞こえてきた声は初めて聞くような低さで、その音からすごく怒っている事だけは伝わってくる。
「えっ?」
思わず恋人である城田和真の顔を見詰めれば。
亜樹へ向けられた視線はとても冷たい上に、無言で掴まれた腕もかなり痛い。
抵抗する気は少しも無いのに、引きずられるような状態になっていくのは、こちらを少しも配慮してくれない和真の動きに付いていけないからだった。
「どうして、俺、浮気なんてしてない……!」
玄関口から靴を脱ぐ時間すらろくに与えられずに引きずられ、かろうじて脱げた靴は廊下に点々と落ちている。
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