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ザワザワザワ・・・
『これにて、入社式を終了します。
新入社員の方はーーーーーー。』
春。
都会の街は、桜の木なんて滅多に見れない。
高いビルがひしめく中、
大都会で生活している人達は
当たり前かの様に、前だけを見て急いでいる。
ーー けど、そんな事にももう慣れた。
田舎の地元から、上京して来たのは
俺が高校を卒業してすぐだった。
元々、放任主義な親だったけれど
仕送りは要らないから、一人暮らしがしたいと
俺が余りに勢いよく頼むものだから
流石に母親には不安な顔をされた。
結局、大学に行く間の生活費は送ってくれたけど、
そんなのは関係ないくらいに
バイト三昧の生活に明け暮れていた。
だって、
一瞬だって忘れたかったし、
思い出すのが辛かった。
もうきっと一生会うことは無いーーーーー。
これだけが支えだった。
けれど、最初はあんな必死だったのに、
1年も過ぎれば 大学の友達も増え、
サークルも楽しみながら何となく楽しく過ごしていた。
徐々に、徐々に、
思い出す事も減っていった。
ーーーそう。
忘れた、と思っていた。
のにーーーーーーーーー、
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