アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
.
-
あの飲み会から、真斗に謝られて仲直り(?)した日から
1週間後ーーーーーーー。
「 千晃、おかわり。」
相変わらずいつのもバーに来ていた俺は、イライラを吐き出すように強い酒を煽っていた。
そんな俺を心底呆れた顔で新しい酒を入れてくれる千晃。
もう止めるつもりは無いみたいだ。
「 なあに? なんだか今日は荒れてるわねぇ?
いつもクールなイケメンさんなのに ‼︎」
綺麗な金色の長い髪をかきあげながら、脚を組み俺の隣に座る。
少し前からこのバーでバイトしている、ナオ。
白い肌に大きい瞳とグロスたっぷりの唇。
小さくない体もここまで華奢だと、小柄に見えるのが不思議だ。
こんだけ整った外見をしていれば、男に声をかけられる事も少なくないだろう。
ーー中身が男だと知らなければ。
千晃の鋭い視線に気付いているのかいないのか、平気で自分で作ってきたであろうグラスに口をつけた。
「 おい、いつから客になったんだナオ 」
「えぇっ、でも 「洗い物。」っはーい… 」
ケチくさいんだから、とかブツブツ言いながら高いヒールをコツコツ鳴らし、カウンターの向こう側へと帰っていく。
それを見届けながら、腹の底から出てきたような深い溜息が出た。
「仲直りできて一件落着なのに、なんでそんな溜息ばっかりなんだよ、若いのに老けるぞ。」
最後の一言は余計だが、千晃が話を続けてきた。
相談を真面目に聞く気はありそうだ。
「 だって4年間も離れてやっと気持ちが薄れてきたような気がしてたのに…
アイツ、パーソナルスペースがん無視…」
あの仲直りがあったあと、もともと人懐っこくてグイグイ来るやつだったとは知っていたけれど、久しぶりの距離になかなか慣れない。
しかも好きな人となれば話は別だ。
「 真斗ってやつ、そんなにいい男なのかよ?
確か高校から好きって言ってたよな?お前、見かけによらず本当一途だよな 」
「うっせえ。俺も分かんねえよ。出来ることなら好きじゃなくなりたい…けど無理なんだよ…」
考えれば考えるだけ、自分の女々しさにため息が出る。
俺ってこんなだったっけ…?
いっそのこと全部忘れてしまえ!と出来るわけないと分かっていながら酒を煽った。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
20 / 45