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ふぁ〜っ……
あー眠い…
買ってから風呂入ってもっかい寝よう。
朝ナギと別れてから、家に向かう道中で誰もいない事をいい事に そこらじゅうの酸素を吸う勢いで大きくあくびをする
そうだ、洗濯物溜まってるんだった…
この1週間、特に忙しかった仕事を言い訳にして溜めに溜めまくった洗濯物を片付けなくてはならない。
今から帰る部屋の汚さを想像してげんなりした。
まだ10時前か…
時間を確認すると思いのほか早く、これは昼寝してからでも遅くないな、と自分を甘やかす。
今日は土曜日で明日は日曜日。
明日も休みだから時間には余裕がある。
そういえば洗剤無くなりそうだったか、と家の事をあれこれ考えながら、マンションの入り口の扉を抜け鍵を取り出した。
ヴィーーーーーーン
鍵を差し込もうする手前で、目の前の自動ドアが勝手に空く。
「怜衣?おはよ、今帰り?」
そこには、自動ドアを開けた張本人、真斗が立っていた。
ラッキー、なんて軽く通ろうとしていた俺は立ち止まる。
そうだ、真斗も同じマンションだから会って当然だ。
どう見ても昨日と 同じスーツに同じネクタイ姿でいる俺は言い訳のしようがない。
いや、言い訳はしなくていいんだけど。
とは言っても、身内に悪さがバレたみたいで居心地が悪く早く立ち去りたくなった。
「 彼女の家から朝帰りか〜? 」
からかい口調で悪気もなく肘で突いてくる
「そんなんじゃない。
……友達と、朝まで飲んでただけだから。」
「そっか! 遊びもほどほどにな!」
俺に彼女がいると思っても、兄貴のように気にしない感じで言われて 嫌じゃないわけがない。
子供みたいに態度に出してしまった俺を、全く気にしていない素振りを見せた真斗は、そのまま外に出かけて行ってしまった。
その姿を、見目線で見送りながら 後ろで自動ドアが閉まるのを感じる。
もう一回鍵取り出さないとな、と思いポケットに手を伸ばすと、
「あっ…」
ガチャンッと、光沢のある黒い床石とぶつかったそれは
派手な音鳴らして足元に落ちた。
ーーーー何もしなかったら何もないままよ
ふと、昨日のナオの言葉が 頭に響く。
どうして
どうして今さら
落としたそれを拾おうとしてしゃがんだ俺は
しばらくその場から動けなかった。
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