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「俺、金曜 取引先の社長と商談してそのまま直帰するんだけど、そのままどっか待ち合わせてご飯行かない?」
帰り道
最寄駅から家までの道で真斗が言った。
俺はというと、さっきから繋がれている右手が気になってしょうがない。
駅降りて住宅街に差し掛かった所で、真斗から
ほら、と言われて差し出された左手の意味が分からず凝視した。
ハテナだらけの俺に真斗は小さく笑いながら、
「手、繋いで帰ろ」
と言い空いていた右手を取り歩き出す。
嬉しいけど初めてのことに恥ずかしさが勝ってしまう。
離せと言ってみたものの軽くあしらわれて、結局そのまま繋いだまま。
付き合ってると言ったってお試しみたいなものなんだから調子に乗るなと分かっていながらも、この前までならあり得なかった現実にふわふわしてしまう。
「今日もご飯行ったのにまた行くのか?」
俺から誘ったんだから と、真斗は毎回俺にお金を出させない。
「怜衣は行きたくない?」
「べ、べつに行きたくないわけじゃないけど…」
「じゃあ決まり!終わったら連絡するから」
同じマンションなのにわざわざ3階で降りて、玄関の前まで着いてくる。
前にそこまで送らなくていいから、と断ったけれど
「付き合ってるんだから送り届けるのは普通でしょ。
それとも怜衣は俺に送られるのは嫌?」
こんな言い方されたら、それ以上言えなくなってしまった。
「じゃあまた明日会社でね」
玄関前まで来て、手をそっと離し真斗が近づいてくる。
「おっ、じゃあまた明日!」
触れる前にサッと玄関を開け、素早く部屋に入り別れの言葉を言ってドアを閉じた。
危ない…
また抱きしめられるところだった。
部屋まで送り届けた真斗は必ず抱きしめてから別れようとする。
今までも抱きつかれた事はたくさんあったけど、付き合ってるからと言いながら、真斗が変に丁寧に扱うから、こっちまで変に意識しだして耐えられない。
慣れてたなあいつ
いつも彼女にやってたのかな…
こっちは心臓爆発しそうなくらいなのに…!!
今だにドキドキしてる胸を押さえながら靴を脱ぎ部屋に入った。
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