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朝方、いつもと同じ閑静な住宅街を通り抜ける。
こうしてみると、最近は断ってばっかりだったなと思う。
ナギにも、誘っても全然会ってくれないから彼氏できたのかと思ってたと言われた。
そうじゃないと言えば嘘になるけど、一応付き合ってるんだからと なんとなく、そういう事を疎遠にしていた自分が悲しくなる。
俺といる時はあんなに優しくて付き合ってるって言ってくれてたけど、やっぱり男は無理だったって事だよな…
じゃないと、女とホテルなんて…
はぁ…
ため息が出る。
あの時はイライラを押さえたくて勢いの方が強かったけど、だからって自分も同じ事やり返すみたいな事して
本当馬鹿だみたいだ。
昨日の2人でいる嫌な風景を思い出して、頭を振ってかき消した。
真斗から何件か連絡が入っていたけれど、見る気がおきなかった。
返すの昼寝してからでいいか…
そう思いながらエレベーターを降り、部屋へと向かう。
「怜衣、遅かったね」
「ぅわっ、びっくりした」
何回目だよと思いながら、玄関の前に普段着姿の真斗がいた。
こいつ、いつからここに…
「入らないの?」
言葉はいつも通りだけど、どこか圧を感じる。
催促されるままに真斗を部屋に入れた。
「怜衣、こっち来て」
先に部屋に入った真斗はソファへ座り俺を呼ぶ。
言葉の圧に逆らえない。
さっきまで他の男といた気まずさからか、真斗の顔がちゃんと見れなかった。
「どこ行ってたの? ずっと連絡してたんだけど」
「別にどこでも…」
「俺に言えないようなところ?」
「……っ、」
真斗は、何も答えないまま突っ立ってた俺の手を引いて 座らせた。
そして、何かに気付いたのか首元に顔を近づけてくる。
離れた真斗の顔は、明らかに怒ってる顔だった。
「ねえ、正直言って。どこで何してたの?」
「と、友達と飲んで…」
「うそ。ただの飲み会で誰かの香水こんなに付く?
俺たち付き合ってるよね?怜衣だって許してくれた。
なのに、甘い匂いがうつるほどの事を朝までしてたんだ?」
香水がうつってるなんて気が付かなかった。
きっと、バニラの甘い匂いだ。
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