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The Halloween Night
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僕はポーっと頬を染めて祥吾さんを見つめた。
いつもは無造作に垂らしている髪を後ろにきっちりと撫でつけて、端正な顔が露になっている。
黒いスリムなスーツを見にまとい、黒い手袋を嵌めている動作までもがかっこいい。
あまりにも見つめていたものだから、僕の視線に気づいた祥吾さんが、ふと視線を上げる。
僕と目が合うと、綺麗に弧を描いた唇から犬歯が覗いた。
「かっこいい…」
僕はそう呟いて、照れて俯く。
視線の先に祥吾さんの足が見えて顔を上げる。
すぐ目の前に祥吾さんが立っていて、僕の頬をスルリと無でた。
「雪、どうした?」
「祥吾さん…好き。早く僕の血を飲んで…」
「ん、また後でな。それよりも、どうしたんだ、それ。出てしまってるぞ?」
「ひゃん…っ」
祥吾さんに頭の上にちょこんとついた耳を撫でられて、思わず声を出して首を竦めた。
「だって…興奮すると出ちゃうから…」
「ん?今興奮してるのか?」
「うん、祥吾さんがかっこよ過ぎてどうしよう…」
「くっ…!可愛い…」
「え?」
ブツブツと口の中で呟いて、祥吾さんが僕を強く抱きしめた。
「祥吾さん…僕を祥吾さんのものにしてくれる?僕は吸血鬼じゃないけど…愛してくれる?」
「もちろんだ。雪も、俺を愛してくれるか?雪のような真っ白な美しい耳も尾もないけど、俺の腕の中に来てくれるか?」
「うん!僕は祥吾さんだけ!祥吾さんのその牙で、僕も吸血鬼にしてくれたらいいのに」
「なら雪も、俺を狼男にしてくれ」
「僕達、吸血鬼で狼男なんて最強だね!」
「ふふ、そうだな」
祥吾さんが僕の耳をくすぐって、首を竦めた僕の唇を塞ぐ。熱い舌を絡めて甘い唾液を飲み込んで、蕩けてぼんやりとする僕の首に牙を立てる。
そのまま、僕の皮膚を突き破って。僕の血を祥吾さんの中に、祥吾さんの血を僕の中に。何もかも混ざり合って、祥吾さんと同じものになりたい。
そう願って、僕は祥吾さんの頭を強く抱きしめた。
「という夢を見たんだけどね」
ベッドの上で祥吾さんの肩に頭を乗せて、僕の見た夢の話をする。
「あれだね。昨夜、ハロウィンのコスプレしたからそんな夢を見ちゃったんだね」
「俺も見たかったな。昨夜の雪、本当に可愛かったし」
祥吾さんが、枕元に無造作に置いていた白い耳を手に取って僕の頭につける。
「ほら、やっぱり可愛い。夢にミイラ男の晴樹は出て来なかったのか?」
「あ…。出て来なかった…」
「ははっ!良かったよ。雪の夢の中に俺以外が出て来るのは断固拒否する!」
「…祥吾さんて、けっこう我儘…」
「雪に関してだけだ」
チュッと僕の額にキスをして、祥吾さんが綺麗に笑う。
口の端に尖った牙は見えないけど、もし祥吾さんが本当に吸血鬼だったとしても、僕は祥吾さんを愛しただろう。
昨夜、ハロウィンにかこつけて「コスプレをしてみたい」と言った僕の願いを、祥吾さんが聞いてくれた。
松田さんも呼んで、とても賑やかで楽しかった。
吸血鬼の格好の祥吾さんと狼男(というよりも猫)の格好の僕のまま寝室にもつれこみ抱き合った。
何だかいつもよりも興奮して、祥吾さんの肌に歯を立てていたような気が…。
僕は、少し身体を起こして祥吾さんを見た。
「あっ…!」
「どうした?」
祥吾さんの肌の至る所に、僕の歯形がついている!
「祥吾さん、ごめん…。昨夜、興奮し過ぎていっぱい噛んじゃった…」
しゅんと俯いた僕の頬を撫でて、祥吾さんが苦笑いをする。
「あー…、俺の方こそごめん。俺の方がやり過ぎた…」
「…え?」
祥吾さんの目線を追って僕の身体を見た。
祥吾さんの身体についてる跡の倍くらい、赤い噛み跡がいっぱい!
「いつの間に…!気づかなかった」
「俺も無意識にやってたよ…。本当にごめん」
「ううん、嬉しい!大好きな祥吾さんに付けてもらったから!」
「雪ー!おまえは本当に可愛いなっ。愛してるよ」
「うん、僕も愛してる」
祥吾さんと出会ってから、毎日が幸せだ。
来年もまたこのコスプレをしようと心に決めて、僕は再び祥吾さんの腕の中で目を閉じた。
ハロウィンとは?とよくわかってないのですが、とりあえずwww
HappyHalloween
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