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なまずのこころ(1)
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最後に見たとき、まことは泣いていた。
「ごめん。俺は最低な飼い主だ」
まことの涙はきれいだった。心の限界を超えて、苦しみながら出した涙なのに。
ペットは最後まで責任を持って飼わなくちゃいけない。だけどお前が耐えられないなら、俺はお前を許す。お前が帰ってくる日まで、俺は絶対にここで待ってるぞ。
伝えたい言葉が伝わったことはない。だって俺は魚で、まことは人間だから。
「ごめん…」
そう呟いて、まことは部屋を出て行った。
新しい飼い主は、魚の飼い方を全然わかってなかった。なんと調べる気配もない。
このままこいつに任せとれん。どうにかしなくちゃ俺が死ぬ!
そうやって焦っていたら、俺は突然人間になった。
ぽかんとしているつしまと話しているうちに、俺は段々と事態を把握した。
これなら…まことを幸せにできるかもしれない。まことともう一度、この部屋で暮らすことができるかもしれない。
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