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俺は何日もベッドの上で寝かされていた。これ、走ったりしたらすぐ筋肉痛になるんじゃないかと思うくらい。眠くもないのに、瞼は勝手に閉じるし。でも、目を開けるといつも居るのは俺を生んだ母親。よく見ると前いたところの顔の偏差値の比べ物にならないくらい美人だ。
「私は殺されてもいいから、貴方だけは生きてほしい...貴方が天才だったら良かったのに...」
耳元で言われる言葉はいつもと変わらない。そんなこと言われたってねぇ。と言いそうになるが、俺から出る声はすべてベビーになってるから伝えられない。
「失礼します。お母様、陛下がお呼びです。すぐに来るようにと。その間、俺が赤ん坊見てますから」
「ありがとうございます。海斗様、その子に昔話でもしてあげてください」
ニコっと笑って出ていった見つめたあと、俺の兄であろう海斗とかいうやつを見る。その顔は母親にそっくりの美形だ。こういう奴ってだいたい性格悪かったけど。まあ、兄上と呼ぶことにしよう。
好感度を上げるための本って言うのを、一回友達に勧められて読んだことがある。その中に、はじめて会った人には笑顔を向けるべし!とかなんとか言ってた。
まあ、前のところで家族に嫌われまくったんだから、ちょっと好かれてみようじゃないか。そう思って、ニコっと笑ってみせると、暑苦しい程に抱きしめてきた。
「可愛すぎ、俺の嫁に来いよ」
あっ、こいつはダメだ...と一瞬で悟る。男に向かって、しかも兄弟でまだ赤ん坊の俺に。冷めた目で見そうになりながらも、満面の笑みを浮かべて嬉しそうにしとく。
お願いします。母上様、どうか早く。一刻も早く帰ってきてください!!
「陛下がこちらに来て下さるようだよ?さあて、どんなショーが見られるのかなあ」
陛下は、俺の父親らしい。この国はバニッシュメント帝国とか言うらしい。そして、それを収めるのが陛下である俺の父親。俺が生まれて最初に聞いたのが、父親の声だったわけ。
髪の毛は黒く目は緑で、とてつもなく綺麗な顔立ちだって母上様が言っていた。けど、まあ陛下よりあなたの方が美形だけどね。っと言われる。嬉しいのか嬉しくないのか、よくわからなくなった。
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