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にじゅう
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急に抱きしめられて、戸惑う。目の前には、聖夜ともう1人。どうする事もできなくて、じっとしておく。声をかけようとしても、何が起こったかわからない俺には無理だ。
誰かを慰める。なんてした事がない、する必要がなかった俺には、どうしたらいいかなんて、わからないから、頭を撫でてみる。
それから数分後、聖夜は俺を下敷きに寝てしまった。聖夜の頭から見えたのは、真さんだった。いつもより、色気があって何してんだろって思いながら無視する。
「晋夜様無視しないでくださいよ〜。そんな顔してたら、食べちゃいますよ?俺、オオカミさんなんで」
その言葉で頭の底の記憶の鍵が音を立てるようにして開いた。フラッシュバックするのは、嫌な記憶。誰かに連れ去られて、犯されてる。ずっと、忘れていた記憶。ドクドクと心臓が音を立てて動く。
「何も言わないってことは、食べていいんですよね…?まだ、言葉の意味がわかってないかな」
ニコニコと距離を縮めて来る。2歳の子供の体に、何しようとしてんだよ。頭脳は大人だとしても、体は子供なんだよ。聖夜の下敷きになっている足は動かせるわけもなく...
「こっちにこれ以上近づいてくるんなら、容赦しないけど、いいんだよね」
魔法で聖夜の体を浮かせて、横に動かす。重たかったとか、できたとかそんなのは、どうでもよくて、今はこいつから逃げる事で、精一杯だった。
ベッドから降りて、鬼ごっこみたいになる。周りから見れば、ただの微笑ましい光景かも知れない。だが、俺からすれば恐怖の鬼ごっこだ。転けるなんて、ドジな真似はできない。
「晋夜様...そんなに怖がらなくても...っ...俺まだ、何にもしてないんだけどな〜っ...ぃってぇっ...」
「晋夜に手を出すなって言っただろうが。ここでお前を殺してもいいんだぞ」
いつの間にか起きていた聖夜に、拘束されて大人しくなった。聖夜は、本気で怒っているようで眉間のシワと多分縛ってる力がやばいことになってるいる。
「ってお前、酒飲んだだろう。全く...晋夜、こいつを浮かせること、できるか?」
「は、はい!」
縛られた瞬間寝た真さんを浮かせて、部屋まで運ぶ。聖夜もいるから怖くないけど、いなかったら俺は今頃、どうなってたんだろう…
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