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さんじゅーに
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「次の会議欠席したら、海斗様の命が危ない。結構怒ってたぞ…ツノが生えてるみたいでクソ面白かったけど。お前もお前だよな。何回欠席したら気が済むんだよ。今回は特別だとしてもさ」
その言葉が俺のせいだって言われてるみたいで、心臓が痛くなる。流れ出した汗が頬を伝って、服の上に落ちていく。
まさかこんな事になるとか考えてもなかったし。1回外に出て頭でも冷やしてこようかな。そう思って動かそうとした体は固まったみたいに動かない。ノック音も何もなく開いた扉。顔も動かせない俺は、その人物が誰かわからない。
「お取り込み中だったかな。おいおい、あからさまに嫌そうな顔をするな。真から話は聞いたよな。お前はちょっと会議を欠席し過ぎだと思うんだ。せっかく、人質もいるし。使っちゃおうかなって」
不気味な笑い声を漏らすその人は、多分皇帝だと思う。流石の皇帝には聖夜も逆らえないよな。友達とかの不思議な関係だったら、逆らってそうだけど。
「お前の顔を見ただけで、虫唾が走りそうになる。まあ、その人質は俺の子供じゃないから、関係ない。お前んとこのお嬢様の婿にでもやるよ」
「残念だな。俺に娘はいないんだよ。お前は今さっきまで女性の方と遊んでいたみたいだけど。俺はそんな暇がないんでね」
ここに女なんて居ないと思うんだけど。やっと動かせるようになった体で、膝まづいて頭を下げる。近付いてくる足音がうるさく感じる。
顔に這わされる細長い綺麗な指に、寒気と吐き気が襲ってくる。手汗が気持ち悪い。今すぐ、手を払って聖夜の所に行きたい。誰か助けて。そんな思いは届く訳もなく、上を向かされる。
「っ...なあ、聖夜。人質を変えないか?こいつは正真正銘お前の子供だろ?嫌だって言うなら、姫として貰うが」
「お前を今すぐこの剣で刺して、地獄へ葬ってやってもいいんだぞ。俺がお前の言うことを聞くと思うか?それと、今すぐその手を離せ」
俺を見た瞬間目を見開いて言葉を詰まらせた皇帝は、何が面白いのかずっとニコニコ気味が悪いくらいに笑っている。
目を合わせたまま逸らさない。心を読まれそうで怖い。耐えられなくなった俺は、目を逸らして周りを見渡す。気づけば、いつの間にか真がいなくなっている。
「それにしても、綺麗な顔立ちをしているな。母親の顔がよっぽど綺麗だったんだろうな。俺の所に生まれてくれば、こんな奴と一緒に過ごさなくてよかったのに。お前も可哀想だな」
「お前にだけは言われたくないな。俺と同じ親から産まれてきたんだ。お前も俺と同じような頭をしてるんだよ。まあ、様々な事において、俺の方が上回っているけどな」
じゃあ、なんで聖夜が皇帝にならなかったんだ。それ程位は変わらないけど。なろうと思えば、聖夜でもなれたはずだし。
「じゃあ、お前に権力を譲ってやるよ。」
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