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ごじゅーろく
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紅を殴った後ちゃんと誰にもバレないように始末しておいた。まあ、その途中にもう1回起きて変な事言い出したからもう1発殴っちゃったけど。
「んぁー、体力半分使ったわ。」
でも、朝からいい運動ができてこちとら満足だ。ストレス発散も出来たし。あ、こういうの適応機制の攻撃って言うんだっけ?あれ、ちがったけ。別に、思い出さなくてもいいんだけど。長い廊下を歩いていれば、何か無理にでも考えようとしてしまう。
「「キャーーーッ!普夜様よッ…朝からカッコイイわぁ。」」
うるさい声でピーピー鳴いて香水のキツイ匂いを振り撒く可愛らしい女性陣が教室から叫んでいる。よくもまぁ、朝からそんなに元気なもので。俺だったら、1分足らずでギブだわ。
教室に着くと、既に悦都と蒼介は席に着いていた。呑気に周りに女子を寄せ集めて。俺の席座れないじゃん。いや、自分で言えよって言う人も居るかもしれないけどさ、俺そういうのほんとに苦手だから。
「あ、普夜。おはよう。」
「おはよ」
はぁん。見つけてくれてありがとぉぉぉお。って叫びそうになったのを堪えて、笑顔で返す。周りの子もどいてくれるかなって期待したけど、変わらないまま俺は席に着いた。
「久しぶりだね。何してたの?」
「んー?引っ越し。今度来る?」
「えっ、行ってもいいの?」
「特になんにもないけど。あーでも、聖夜いるからちょっとめんどいかも。」
気づいた時にはもう遅い。俺はとんでもない失態を犯してしまった。そう、聖夜を呼び捨てしたこと。心の中では何回も…んや、何百回と呼び捨てしてきたが、今まで言葉で言ったことはなかったはずだ。
一瞬にして氷のように凍りついた顔面は、1分や2分では溶けそうにない。悦都もちょっとピクってなったのを俺はちゃんと見ていた。
「あー、あんま気にしないで。俺今反抗期だから。思春期だから。」
「あ、そうだよね。」
あはは…なんて乾いた笑い声を2人で上げていると、後ろから声をかけられた。誰かなんて、声だけでも分かってしまう。
「あ…あらぁ、蒼介すんじゃありませんかぁ」
やらかしたわ…。蒼介すんってなに。もう、僕生きてけない。
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