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「約半分か…。まぁ妥当だろうな」
「オイ、テメー!これは一体何なんだ!?答えろ!!」
俺達の中で一番体格の良い男が今にも殴りかかりそうな勢いで問い詰める。
俺達4人全員が同じ疑問を持ち合わせ、その答えを聞くべく血を流す男に視線を向けた。
「……簡単に言えば酷い拷問を受けた。記憶が無いのはそのせいだろう」
「拷問!?なぜ…ですか…?」
俺の隣に立つ男が少し高めの澄んだ声で聞き返す。
だがその答えを聞く前に暗い廊下から複数の足音が響いてきて、男はそちらに目を遣った。
「これはお前達の所持品だ。いいか、一番重要なのは【生き残ること】。その為なら手段を選ぶな。迷いを捨て、己の直感を信じろ」
「答えになってねーな」
溜め息混じりで最後の一人、この状況でも冷静さを保っている男が呟いた。
だがそんな事はお構いなしで廊下から視線を逸らさない男は俺に4つのバッグを押し付ける。
そして上着の内側から黒い物を取り出した。
『!?』
男が取り出した物を、切れかけた電灯が点滅ながら照らし出す。
────銃だ。
「なぜここにいるのかは生きていればその内分かる。それよりもどうやって生き抜くかを考えろ────行け!」
「行けってどこへ…!それにあんたは!?」
俺が声を張ると男は一度視線を寄越し、廊下に出て銃を構える。
そして足音が近づく廊下の奥を鋭い眼差しで睨む。
「俺は一緒には行けねぇ。どこへ行くかは自分達で見つけるんだ。────全員逃げろ!!」
『っ!!』
その声を聞いた俺達は右も左も分からず走り出した。
背後から聞こえる銃声がそんな俺達を追いかける。
時折漏れる月明かりで暗い廊下を抜け、建物の外に出ると周りを囲む森の中へ足を進め、この時から全てが始まった。
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