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6話
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ジリリリリッ!!と鳴り響くアラーム音
少しばかりの恨みを込めてそれを止める
目を開くと外から入ってくる光が眩しいし、自然と大きな欠伸が出た
せっかく俺がもうすぐでリンゴ姫を助けれたというのに…
もう1回寝ようと時間を見るも、もう起き上がって学校に行く支度をせねばならない時間だ
しかし起きたくない、超絶に起きたくない
きっと起きたら死ぬ、いや逆に俺が起きたら世界が終わるかもしれない
それにリンゴ姫を俺が助けなければ誰が助けると言うんだ
アリオ?あいつはただのおっさんだ、窓拭きをしてるだけで何の役にも立たない
ロイージなんてニートだぞ、余計に助けれるわけがない
よし、寝なければ
幸い目を瞑れば俺は寝れる、リンゴ姫を救いに行くんだ…
もう一度俺が夢の世界に行こうとした瞬間、ドアがガチャりと開いた
そしていきなり俺を優しく優しく包んでいてくれた最愛の布団が容赦なく引き剥がされた
そして、遠慮なくバシバシと叩かれる
「おい、起きろ朝だぞ」
「容赦なく布団剥ぎとんのやめてくんない!?寒いじゃん!!あと叩くな痛い!おはよう!!」
「全く力入れてないんだから痛くない、早く起き上がれ、着替えろ」
「絶対に嘘だ!力すっごい入ってんだけど!あー、起きる、起きるから叩くの止めろ。まったく健人は……朝はいつもよりも辛辣なんだから」
「普通に起こしたって起きないだろ。少し叩かれるくらい我慢しろ」
「叩く以外の方法だってあるだろ」
「蹴るか、抓るか?」
「なんで全て痛いものばっかなんだよ、軽く揺さぶればいいだけだろ!」
「優しく?それで起きた試しがあるのか?」
「…………どうせないわばーか!」
勢いよく飛び起きて健人にパンチを入れようとする
だがするりと健人はそれを避け、先に下に行ってるなと部屋を出ていった
くっそ、また仕返しが出来なかった
俺は二度寝を直ぐにするからと、いつからかは忘れたがこうして健人は朝起こしに来るようになった
1番最初の頃は確かまだ優しく起こしてくれていたはずなんだが、いつの間にか文字通り叩き起される日々となっている
くっそ、いつか叩かれた分だけ仕返しをしてやる…
制服に着替え終わり下に降りてリビングに行くと、健人はテレビを見てた
いつもだったら朝飯を食ってるはずなんだけど
「あれ、健人飯食わないの?」
「あぁ…今日はもう飯食ってきたから」
「ふーん、いただきまーす」
健人はいつも俺ん家で朝飯を食うから珍しいこともあるもんだなと朝食にがぶりつく
朝食は至って普通のパンとコンスープだ
朝はご飯とパンでコロコロと変わる
朝はパン、ご飯だのとよく言い合いをする場合もあるみたいだけどどっちを朝に食べても美味いし別に良くね?といつも思う
「そういえばさ、」
「ん?どーしたー?」
「おばさんの料理って味薄くなった?」
「んー?別に変わってないと思うけど」
昨日の夕飯の味を思い出しても特に変わったとこはなくいつもの味だったはずだ
健人はなんでそんなこと聞いてきたんだ?
「いきなりどうした?」
「…別に、ただの確認。最近味が薄く感じるようになってきてさ、濃いものとか食べ過ぎかも」
「マジかよ、そういうの食べすぎて病気とかになるなよー?」
「心配されなくても大丈夫だし、てか早く食べないとそろそろ時間やばいんだけど」
「うわ、のんびり食べすぎた」
口にパンを突っ込みそれをスープで流し込む
健人がやけに俺の方を見てきたのが少しだけ気になった
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