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ひねくれ者の、※
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普段誰にも触れられることの無い場所に既に二本の指が入って形容しがたい淫らな音を奏でている
自分のナカを拓かれるその感覚が久しぶりすぎて
多幸感の全くない異物感だけを感じて
この行為に吐き気を覚える
それでも身体は醜くも快感を拾った
「…っ、ぁっ…んっ…ん、」
いやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだ。
心の中では拒絶していても何時間、いやもしかしたら数分なのかもしれないけれどグズグズになったこの頭と身体では大した抵抗なんて出来ない
「そんな声我慢してないで出した方が楽になんじゃない?」
「う、るせっ…っ!…ころ、す!」
「あはは、怖い怖い」
わざとイイところを挟むように擦られ上手く言葉も喋れなくなる
後ろから頭を押さえつけるようにして尻に指を突っ込まれ新木の顔はこちらからでは確認することは出来なかった
押さえつけられてほとんど身動きの取れない恐怖とかよりも沸騰するんじゃないかってくらいの怒りで思ったより冷静でいられる
ボーッとしそうになる頭をなんとか働かせて考えるのは今の状況をどうするかと金井のことだ。
多分あいつは俺の心配をしてその後に自分を責めると思うから
きっと俺がお前のせいじゃないって言っても責め続ける
この頭がぼーっとする感じとか体の内側から侵すように広がる熱はきっと媚薬だ。
ほんと間抜け、馬鹿だ。
バーで飲んだあの最後の青いカクテルだろうな
ってことはあのマスターともグルか、あーほんとやらかした。
村松さんの忠告、もっとちゃんと聞いとくんだったな
「んー、考え事?もっとこっちに集中してくれないとつまんないじゃん」
「んぁっ!?」
グリッとしこりのようなものを強めに擦られ声が漏れる
唐突な強すぎる刺激に一瞬、息するのも忘れてしまう
「て、めぇ」
「そうそうその目、もっと俺を楽しませてよ」
無理矢理首を後ろの方に回し睨もうとするが薄ら笑いで返される。
くっそ、こいつマジで殺す。
いや、殺すのはやべえから瀕死くらいにする
いつもより3割くらい思考回路が馬鹿になってるが仕方ない。
そんなことよりマジでどうするか
このままこいつの思うようにされるくらいならいっそ舌でも食いちぎって死ぬか?
なんてぐるぐる考えてると服を捲し上げられするりと背中を撫でられる
「っ」
「伊澄ってさあ、絶対肌を見せないよね」
「ば、か、やめ、ろっ!!」
「なーんだ綺麗な肌してんじゃん、って」
やめろ、それ以上踏み込むな
見るな、触るな、やめて、触らないで、見ないで
ぐいーっと肩甲骨辺りまでTシャツを捲られる
「…火傷?」
「……っ」
つー、とその痕をなぞるように撫でられれば、また、思い出す
くそ、くそ、くそ、くそ、くそ
お願いだから、やめてくれ。
強がっていても実際頭を押さえ込まれている時点で俺の恐怖心は限界だったのに、必死で怒ることに集中して保っていたものが崩れる
『どうしてうまくできないの』
『どうして普通でいられないの』
『どうして』『どうして』『どうして』
小さい頃から何度も言われた言葉
小さい頃から何度も聞いた言葉
『あなたは男でしょう』
『それが男を好きなんて』
『気持ち悪い』
感情のままに言葉を投げつけられることは当たり前だった。
物も投げつけられていたしよく怒らせていた。
でもそれは、周りにバレないようにうまく隠せていたしそれであの人の気が紛れるならよかった
だって、悪いのは俺だったから
だから、俺に一生消えない傷を残したのは高校生の時だけ
あの人の手元にあったヘアアイロンで殴られ、押し付けられ焼かれた
病院に行けば傷口なんて消えるはずだったのに倉庫に閉じこめられて、結果として忘れられない痕を残した
「……さい、ごめん、なさい」
「え、ちょ、伊澄?」
「ごめんなさい、普通じゃなくて、ごめん、なさい、うまくでき、なくて、ごめんなさ、い…だか、ら、殴らないで、ごめ、なさっ」
ガタガタと震える身体は恐怖から冷たくなる
先程の醜くいやらしい汗なんかじゃなくて背をつたうのは冷や汗で
フラッシュバックしたように背後にいるのが新木ではなくあの人にしか見えなくて
もうあの頃とは違うのに、わかって、るのに
それでも俺は小さい子供のように謝ることしか知らない
頭を抱えてできるだけ小さくなって大人しく謝ることしか
「ごめ、なさいっ、ごめ、…っ母さんっ」
「……。」
触れていた手は離れ俺を脅かすものはもうなにもないのに
永年積み重ねられた恐怖心は消えなかった
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