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ミルクティー色の、
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上総との一件以来、俺はよくここにきてる。
早くもあれから二週間くらいたち七月の下旬。
テストやらレポートやらにおわれる日々からやっと解放され、俺達大学生は高校生よりは少し遅めの夏休みに入っている。
伊澄さんには毎日のように連絡して猛アタックの末…三日に一度くらい遊んでもらっている
これではほんとに飼い犬のようであるがそれもこれも伊澄さんが忙しいのがいけないんだ〜!
ジーーーーーー
熱い視線、なのではなく恨みつらみを込めた呪いの視線をやつに送り続ける
「だあ!うるさい!!!」
「何も言ってませんー」
「視線が!うるせーんだよ!!!」
「知りませんーー」
伊澄さんのバイト先でもある喫茶店
今日は伊澄さんのシフトは入っておらず美味しいケーキセットをたべながら見ていても特に楽しくもない男の顔を嫌がらせで眺めていた
「こーら、新木お客さんにそんなに口聞いちゃだめだろ~」
「いや店長、こいつは俺の邪魔をしに来てるに違いないです」
「愛だよ愛」
「そんな愛いらないっす!」
ヘコヘコしてる上総とか気持ち悪いだけだけどただぼーっと眺める
伊澄さんにあんなことしたくせにちゃっかりお揃いの制服(指定だけど)を着て、伊澄さんと同じ空間で(そもそも同じバイトだけど)働いてる
仕方ないって言ったら仕方ないんだけど!
しかも、伊澄さんに指突っ込んだとか!?
思い出しただけで腸煮えくり返りそうなんだけど!
俺でもまだなのに!?乱れた伊澄さんをみたとかほんとアイツなんなの!?!?
まあ、ちゃんとケジメ付けたけどさ
、
「んだよ、こんなとこに呼びたして」
「うん、懐かしいよねよくこの海に一緒に走りに来てた」
「…。」
「今回の件、俺がほったんかもしれないけど伊澄さんに手を出したことはほんとに許せない。」
突発的に伊澄さんを連れてきた海に、今度は上総といるなんて不思議だ。
こんなふうにちゃんと向き合って話すことなんて、もうないと思っていたから
「で?説教するためにわざわざこんな遠くに呼び出したのかよ」
「まあ、似たようなこと。」
俺はゆっくりと上総の元へ近づいた。
生ぬるい潮風が頬を撫でた、
伊澄さんに会いたい
「一発、殴って」
「は!?」
「それで俺も殴るから。昔のことは許さなくていい、ほんとに俺が悪いから。でも、自分勝手でもなんでも俺はお前を殴らないと気が済まない」
「いつの時代のヤンキーだよ…」
「俺が元々そんなに大人しいやつじゃないこと、お前なら知ってるだろ」
「……はあ、じゃあ遠慮なく」
人のいない海辺で拳が頬を殴りつける音が波にさらわれていくのを感じた。頬の痛みと衝撃で尻もちをつく
あー、痛い。ほんとださい。
ほんとに、自分勝手で上総には申し訳ない
それでも許せない。
情けない、自分が。本当に、情けなかった。
「お前、相変わらずほんと馬鹿だな」
「うるさいよばーか!」
今度は俺の右手に痛いくらいの衝撃が走り
上総が砂浜に尻餅を着いた。
痛くてバカになったのかお互い顔を見合わせて笑い合った。
おれたちの笑い声はまるで何も無かったかとのように海に溶けていってしまった
、
「翔太くんは伊澄くんと喧嘩?」
「柚ちゃん相変わらず鋭いけど違うんだなー」
少し前の出来事を思い返しているとポニーテールを揺らしながら柚ちゃんが紅茶のお代わりと一緒に俺のテーブルの隣に立った
へらりと笑って誤魔化す。
「さっきからぼーっとしてるからてっきり喧嘩したのかと思った」
「んー、相変わらずラブラブだよ〜」
「うわ、惚気だ。それはもうお腹いっぱい」
「そう?まあ悩みはあることにはあるんだけどね」
柚ちゃんに相談するのはちょっとね……
という感じの内容であるだけ吐き出す場がないのだ
「ふーん?あ、呼ばれてる。翔太くんまたね〜」
「うん、お仕事頑張って」
ヒラヒラと手を振って可愛く微笑む柚ちゃんに俺も手を振って応える
はあ、ほんとにどうしたものか
俺の最近の悩み、それは伊澄さんで間違いない
あの人普段はツンツンしてるくせに二人でいると突然甘えてくるから心臓に悪いんだよなあ
こないだも、デートって一緒に買い物言ってた時もこんな暑いのにカーディガンなんか着てるから汗垂れててすっごいエロかったな…
顔なんか赤くなって、いつもより疲れが見えた顔なんかほんとに
「お前何キモイ顔してんの」
「俺の伊澄さんタイムを邪魔すんな」
「は〜?」
柚ちゃんと入れ替わりで俺の元にやってきた上総
くそ、無視してやろう思ってたのに
「にしてもほんとに溺愛なのな」
「当たり前だろ」
「ふーん?」
あーくそ、上総のせいで俺の幸せタイムが消えていく…
「で?何に悩んでんの。柚ちゃんに聞いてきてやれって言われたから仕方なく聞いてやるよ」
「…」
ホントだったらそんなの必要ないと言いたいところだが……
「伊澄さんがエロくてムラムラする」
「は?」
「だから、伊澄さんが「いやいや、聞こえてるわバカ」」
なんだよ、じゃあ一回目で普通の反応しろよ
危うく俺が変質者になるとこだっただろ
そう、俺の悩みはまさにそれ
伊澄さんの色々は知らないけど不安な気持ちがあるのがわかるから手を出すに出せないでいる。
しかし!伊澄さんは俺の前だとすっごく無防備
もうなんのガードもない。布なんてあってないようなもの!
「は〜〜〜〜〜…」
「なんなのお前」
「うるさい、これでも本気で悩んでんだよ」
上総は呆れた、という様子を一切隠さず盛大にため息をついてみせた
仕方ないだろ、他に言える相手なんていないし!
あーーーもーーーー
俺はどうしたらいいんだ!?!?
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